声優さんの弔辞に想いを馳せる
「おい、ルパン。これから俺は誰を追い続ければいいんだ」
こんにちは、たこすです。
上のセリフでピピッと来られた方もいらっしゃるかと思います。
実はこのセリフ、初代ルパン三世の声を演じてらっしゃった山田康雄さんの葬儀で、納谷悟朗さん(初代銭形警部の声)が贈った言葉です。
ルパンの葬儀に銭形のとっつぁんが弔辞を送るって、なんだかすごいですよね。
胸に来るものがあるます。
しかもこのお二人、私生活でも仲が良く千葉県に海の家を借りて二人で遊んだりしていたんだとか。
そういう裏話を知ってしまうと、なおさらですね。
きっとこの時、山田康雄さんは天国で「あばよ~、銭形のとっつぁ~ん」と言っていたことでしょう。
惜しくも納谷悟朗さんも2013年に他界されましたが、おそらく天国で山田康雄さんに
「もう逃げられんぞルパン、おとなしく観念しろ」
と笑いながら言ってるかもしれませんね。
【ということで、以下、ものすごく胸に響いた声優さんの弔辞】
「カツオ。親より先に逝く奴があるか」
(カツオ役を努めていた高橋和枝さんの葬儀で波平役の永井一郎さんが贈った言葉)
「ジャイアン、ジャイアンのくせになぜ先に逝っちゃうんだよ」
(ジャイアン役のたてかべ和也さんの葬儀でスネ夫役だった肝付兼太さんが贈った言葉)
「ドキンちゃん、バイバイキ~ン!」
(ドキンちゃん役の鶴ひろみさんに、バイキンマン役の中尾隆聖さんが贈った言葉)
※
言葉って不思議なもので、誰に向けたものかでかなりニュアンスが変わります。
たった3文字の言葉が人々を感動させたこんな話をご存じでしょうか。
それは1958年のお正月のこと。
過酷な環境で働く南極観測隊員たちのもとに、お正月のお祝いの電報が届きます。
当時は通信手段が電報しかなく、しかも料金体系が高額だったため、短めの文章しか送れませんでした。
そんな中、隊員の一人大塚正雄さんの奥さんが送った電報はたった一言。
「アナタ」
なんだかもう、この一言にすべての想いがぎゅーっと凝縮されてますよね。
何かを語りかけるわけでもない、伝えるわけでもない。
ただの呼びかけであるこの一言が、どんなにほっこりする言葉か。
ちなみに後日談として、この「アナタ」は優しく呼びかける「あなた」ではなく、お酒をよく飲む夫をたしなめる「あなた!」という意味だったそうです。
しかし、そんな奥さんの想いもむなしく正雄さんはお酒で失敗してしまい、後に「プンプン」という電報をもらってます。
なんて可愛らしい奥様なんでしょうね(〃艸〃)きゃー
僕の普段使ってる他愛ない言葉も、誰かの胸に響けば嬉しいな。




