第四話
2年が経った。
今は1764年の7月だ。ヴァシーリー・ミローヴィチにいつ救出されてもおかしくない。
正直かなり辛い。不衛生な牢屋に話しかけても少ししか話さない看守。この生活をイヴァン6世は23年間も耐えていたと思うと尊敬の念しかない。イヴァン6世は…
…ん?
俺の見張りをしていた看守は他の看守に何やら耳打ちをされている。何を話しているのだろうか。後でそれとなく聞いてみるか。
…いや、おかしい。看守達の慌ただしさが異常だ。もしかして!…そう思った瞬間、本能が今すぐその場から離れろと訴えてきた。
考える暇もなく体が勝手に動いた。
そして、離れた瞬間…
カンッ
俺がいた場所に剣が振り下ろされていた。
危なかった。俺の生存本能が看守の殺気に気付いて体を動かしたのだろう。
「特定囚人、動くな。苦しませずに殺してやる。」
そう言って看守は牢屋の中に入ってきた。
正直、前世含めて戦いには慣れていない。その上、武器を持ち、訓練された看守に俺が勝てる可能性は限りなくゼロに近い。
「なぁ、話し合わないか?俺達なら分かり合えると思うんだ!」
「不憫には思う。だか、俺にも生活があるんだ。」
そう言って、俺目掛けて剣を振り下ろした。
ああ、折角ここまで堪え忍んだのに…。
と言うか、普通転生するにしてもこの最後はないだろう。例え、これが史実道理の死に方にしてもだ。
理不尽だ。
そう思うと漠然とした怒りが湧いた。
せめて、一矢報いてやろう。
そうして、俺は看守目掛けてタックルを仕掛けた。
だが、看守はタックルを受けてもびくともしない。
…終わった。そう思い、死を受け入れるように目を瞑った。
その瞬間、剣が何者かを叩き切った音がした。
俺には痛みがない。恐る恐る目を開けると、そこには俺を殺そうとした看守の死体と血まみれの一人の男がいた。
「お迎えに上がりました。陛下。」
そう言って、その男は膝をついた。
昨今の情勢を鑑みて投稿を差し控えておりましたが投稿を再開させて頂きます。
いらっしゃらないとは思いますが感想で政治的なことを書くことを控えて頂けたら幸いです。m(_ _)m
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