3一回教えたからってできると思うなよ
「あぁぁぁあだめえだ死ぬ!神様なんて嘘だろ!悪魔じゃねぇか!」
恨み言を吐きながら天空から地面へと向かい
確実に二度目の死を迎えようとしている
「ちょっと待って…面白すぎる…そんな声出して情けないわね」
あっはっはと爆笑している神様、笑ってないで早く助けてほしい、ほんと早く。
「あー笑ったじゃあ助ける方法教えるね、魔法で何とかしなさい」
は?余りにも雑すぎる、さっき思い出したクソ先輩のほうがまだ丁寧に教えてくれたぞ。
もう地面が見えるところまで堕ちてきたから早急に教えてもらわないと、また死んでしまう。
「じゃあその魔法の出し方教えて下さいよ!」
「簡単よイメージしてみなさい、脳に構造を描いて言葉に出すだけ、複雑な詠唱は君の場合は要らないわ」
頭を回せ少しでも助かる方法を考えろ
「この世界には色んな魔法があるの、火、水、風、雷、光、闇が基本で他にも色々あるわ
そして魔法を使うためには魔力が必要、そして魔力についても心配しなくても良いよ私の加護で君は大量の魔力持ってるから、これでレクチャーは終わり、出来る?」
「やってみます!」
後地面まで400メートルも無いだろう
下を見れば地面が緑色に染まっている
森がなにかだろう、それより今は生き残る事を優先する。
先程神様に教えてもらった事を思い浮かべる
火、水、雷、風、光、闇魔法があると言っていた、そして使うには使いたい魔法を頭に浮かべて言葉にするだけで使えると言った。
後200メートル
確か神様は「言葉にだす」といった
なら任せろ言葉遊びなら日本人の本領だ
頭で魔法を構造する種類は風にした。
地面まで100メートル程まで近づいてしまってる
後4秒もあれば地面に着いて死んでしまうだろう
だけどもう死んでたまるか!
「風よ吹け」
詠唱と共に自身の手から風が吹き出てくる
これで少しでも落下の衝撃を抑えて詠唱を重ねる
「暴風よ吹き上げろ!」
その瞬間自身から生み出された魔力で餌を得た風魔法が繰り出され地面に繰り出される
竜巻のような風魔法は凄まじい衝撃で地面とぶつかり速度を減少させる。
とんでもない速度で空から落ちてきたはずだが、風魔法のおかげで落下速度が収まり不格好ではあるがなんとか生きて着地できた。
「何とか生きれた…ありがとう風魔法…」
自身を助けてくれた風魔法に感謝する
あまりの恐怖体験に涙が出そうになるがまた神様に笑われそうだがなんとか我慢する。
「あれ?私にお礼は?」
「するわけないじゃないですか、落とした張本人なんですし…」
「まぁまぁそんな怒んないでよこれで第一試練はクリアだね」
…嫌な予感がする第一なら第二もあるよね。
嫌な汗をかきつつ辺りを見渡す、先程自分の魔法のせいで周辺の木々は粉々になっているが
風魔法で影響が無いところは全部木なので上から見たときに殆ど緑だった所を見るにここは森のようだ。
「少し休憩させてあげようと思ったけど君の魔法の音に釣られて、もう来てるから早速やろっか」
視線を感じ周りを見てみると、動物のようなものが草むらなどを素早く移動しながら俺の様子を疑っている。
襲い掛かってきたらさっきの風魔法で追い払うか?敵が襲ってくると想定し事前に頭にイメージを描いておく。
数は20匹位は居るだろう、もし集団で襲われたら対処できるか?不安だがやれることをやるしかない。
「第二試練ゴブリン退…やっぱ変更、もっとすごいの来たね」
先程まで周りを囲っていたのはゴブリンだったのか、…やっぱ変更?もっと凄いのってなんだ
「ちょっとむずかしいかもしれないけどゴメンね☆」
テヘ☆って感じで神様が謝ってくる、
さっき空から落とされたばかりで神様への信頼度はゼロに近いから謝らなくてもいいゼ☆
冗談も流石にここまでだ、何せ嫌な予感しかしない。
先程まであれだけガサガサしていた音が消え、その代わりにザシュ、ザシュと何かを切り裂く音がする、
何が起きている?ゴブリン同士で仲間割れしているのか?
そんな淡い期待を抱くが瞬時に切り捨てる
少しして音が収まったが何者かがこちらへ向かってきている。
{闇よ広がれ}
何者かの詠唱が聞こえたその瞬間
突然日が落ちたように周りから明かりが消失し足元の空気が一気に冷え込む
「第二試練は騎死を討伐してね」
騎死と呼ばれるものは2メートル以上大剣を担ぎ、黒い鎧を身に着け顔がゾンビのように腐り落ちていた。
また獲物を見つけた騎死は嬉しそうにゴブリンの血で濡れた大剣振り下ろし血を飛ばして、再度俺に大剣を向け
{お前はどんなふうに死にたい?}
かすれた声で吐き出された言葉を皮切りに異世界での初戦闘が始まった。
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