ラインライト
「ラインライト」
晩秋の傾いた太陽が
赤く染まった光を
街中に注ぎかける
冷たくなった風に吹かれて
コートの襟もとをかき寄せる
君の姿も背後から
その残り日に照らされている
君の暖かそうなコートの起毛も
巻いているマフラーも
そして、風に乱された君の長い髪も
みんなみんな背後からの陽光で
金色に縁取られている
君の輪郭を表す
淡くて美しい輝き
それはけして後光の様に
派手派手しいものではなく
ただ、あまりにも繊細に
そう、赤や黄色に色づいた木の葉が
陽光を反射し、あるいは透過して
光輝いて見えるのと同じように
その細い光の糸は
君の姿を背景から切り抜いて
浮かび上がらせているようだ
ラインライト
そんな君の姿を
僕はもう一枚写真に収める
『逆光は勝利』は有名な言葉。ポートレートに順光はダメ、斜光は論外(レンブラントライトが、とかいう突っ込みは無し。特に女性ポートレートには)。
逆光・半逆光だと特定の条件でとても奇麗な光の縁取りを描き出すことができる。それをラインライトという名前で記憶していたのだけれど、どうも一般的なネーミングではないみたい。
という、啓蒙的な/w ずっと昔の情景を思い出しての描写。