表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
恋と智  作者: yusaku
1/4

第1話 馬鹿と天才

4月、桜が舞い散る春。 


小谷裕樹は県立怜悧(れいり)高校に入学した。ここは県下随一の進学校であり、全員が中学時代「天才」などと称されてきた。もちろん小谷も例外ではなく、小学校、中学校と公立ながら学年1位は譲らなかった。


クラスは1年2組。男女比は若干男子の方が多いようだ。だが、小谷にはそんなことはどうでも良かった。「東京大学理科III類に合格し、医者として人を救いたい」その思いは強く、受験を終え、晴れて入学したその日から彼の心は大学受験へと向いていた。


「おはようございます。」


担任がやってきた。年齢は30半ばといったところだろうか、中肉中背のいかにもサラリーマンといった体型をしている。


「今日から1年2組の担任で数学を担当する水谷です。1年間よろしくお願いします。」


よくあるシンプルな挨拶を終えると、水谷はまず入学前に出された課題を提出するよう言った。どんどん回収していく、もちろんこんなことは小谷、いやその他全員にとっても当たり前であるが。


「忘れました。」


麗かで透き通るような声が隣から聞こえる。隣を見ると端正な顔立ちをした女子がすんと座っていた。「どこにでも馬鹿な人間はいるものだ」そういったことは小谷も理解していたが、まさかここまで近くにいるとは思わなかった。早くも不安が募る。


ホームルームがひと通り終わり、小谷は帰途についた。入学早々に「馬鹿」を発見した、それも隣の席だ。この現実に小谷は息をはいた。


実際に授業が始まると、中学とは比にならないスピードで授業が進んでいく。「天才」たちも授業について行くのが精一杯な様子で、内職をする余裕などなさそうだ。小谷も高速で書かれ、消されていく板書に置いていかれないよう、必死でついていく。そんな授業を受けながら日々は過ぎてゆく。

1話目の執筆が終わりました。小谷のフルネームは出してますが、このまま「小谷」で行こうと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ