結果発表
討伐隊第一次試験は5日間に分けて行われる。内容は、ほとんど身体能力テストと同じである。筋力や魔力量の測定、反射神経や動体視力の測定まで様々である。1000人いる参加者から全日合わせて500人選出され、二次試験に挑む形になっている。
「俺運動神経無いんだよな。もしかしたらここで振るい落とされるかも。」
「大丈夫ですよ、カイト様。あなたならやれます!」
「そうだぞ、レオナちゃんから励ましの言葉を貰ってるんだ。受からないはずがない。」
「そう…だよな。そうだよな!俺ならやれるぞ。ファイヤー!」
カイトは自分で自分を鼓舞し、1次試験に挑んだ。
全日程が終了してから1週間が経過した。結果は封筒で受け取るようで、カイト、レオナ、ローエンの3人はカイトの部屋で結果を心待ちにしていた。
「「「………」」」
3人とも予想以上に緊張しているようで、沈黙の時間が続いた。そのような緊迫した状況を破るかのように、部屋のドアが開かれた。
「若人たちよ、良くやってるかい?」
そこに現れたのは、四番隊隊長にして討伐精鋭隊指揮官、クシャーナ・ミネルバだった。
「君たちには私が直接試験結果を伝えに来てやったよ。」
そう言うとクシャーナは3人に封筒を渡す。顔をしかめながらゆっくりと開封する一同。中に入った彼らの顔は……
「「いやったぁーー!!」」
レオナとローエンが歓喜の声を上げ、満面の笑みを浮かべた。ローエンは1000人中220位と合格者の中でも半分以上という結果。レオナに至っては23位という目覚しい結果だった。
しかし、カイトの顔には笑顔がない。
「まさか…カイト様…」
「き、気にすんなよ。そうだ!お前は国王だから忖度してもらって討伐隊に入れてもらえば……なんつって。」
ローエンとレオナは恐る恐るカイトの結果を覗き見た。
〈1000人中499位〉
「あ、あ、危ねぇーー!!」
合格はしたが合格者の中でほぼ最下位という、ギリギリ滑り込みを果たしたカイトであった。
「なんだよぉ!驚かせんなヴォケ!」
「カイト様が受かってて良かったですぅ。」
これで3人は仲良く一次試験合格となった。
「良かったねぇあんたたち。レオナちゃんは男衆にも負けない運動神経だったよ。カイトくんも、アーヴァン翁のスパルタが効いたんだねぇ。」
「クシャーナさん…俺は?」
「ローエン君は………普通だねぇ。可もなく不可もなくだよ。」
せっかく合格したのに、「普通」というなんとも悲しい講評に肩を落としたローエンだった。
「中に二次試験の要項も入ってるから、よく見ておくんだよ?それじゃあ、あたしは今から任務だから失礼するよ」
だるそうに部屋を後にするクシャーナ。封筒には一枚の紙と共に2次試験の参加資格を示すカードのようなものが同封されていた。二次試験は2週間後に行われるようで、これも5日間に分けて行われる。
「一次試験には受かったけど、まだまだこれからだ。二次試験も余裕で合格して、仲良く討伐隊に入ろう!!」
「そうですね!気を引き締めて行きましょう。」
「意気込むのはいいけどカイト、お前が1番危険因子なのを自覚しろよ(笑)」
カイトは全力でローエンをしばいた。
一方その頃、クシャーナは城前でギークと話をしていた。
「カイト様は討伐隊に入れそうか?」
「んーまだなんとも言えないね。なんせ、今回は粒ぞろいだ。特に若い連中が頑張っているよ。」
「そうか、くれぐれも試験の手だけは抜かないでくれ。」
「了解了解。1つ気になるのは……いや、なんでもない。」
「そうか?ならば私はここで。」
「そうですか。一次試験受かりましたか。」
カイトは2週間の修行に付き合ってくれたアーヴァンにお礼と合格の報告に向かった。
「はい!なので、二次試験に向けて、またご指導ご鞭撻よろしくお願いしまぁっす!」
「ハハハ。前よりも厳しくなりますぞ?」
「任せてください!」
意気揚々と答えるカイトだった。しかし、一次試験とは比にならない地獄が待ち受けている事をカイトはまだ知らない。




