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絶海のマリンチュア~鯨神戦争~  作者: 幸村透夜
序章「異世界転生」
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鯨に食べられ異世界転生

初めまして!幸村透夜です!

これが僕の初投稿になります!学生なので更新スピードは遅いし文章は拙いのですがどうぞ暖かく見守ってくださいww

「お前が…夜を取り戻すんだ…」


「んん…なんだ、夢?なのか?」



「行ってきまーす!!」

 小さな木製の小屋から、釣竿を担いだ少年が飛び出した。

 夏の涼しい朝方の海は、山から微かに顔を出した太陽に照らされ、白く輝いていた。

「おお、朝から精が出るねぇー」

 ハチマキを巻いた無精髭の男が話しかける。

「ありがとーおっちゃん!今日はなんかスゴいものが釣れそうだよ!」

 少年が元気よく答える。

「今日は波が高いから気をつけなさいよー!」

「分かってるよー」

 少年は面倒くさげに答えた。

 少年の名前は 水無月海斗(みなづきかいと)。物心着いたときから両親はいなかった。もちろん、両親の顔も覚えてはいない。海斗が覚えているのは自分の名前と、釣りの仕方だけである。潮風にさらされた腐りかけのオンボロ小屋に、一人で暮らしている。毎日釣りに出かけては魚を釣り、近くの港や農園で野菜やら肉やら時にはお古の日用品などとも交換するのである。

「確かに今日は波が高いかもなー。まぁ大丈夫っしょ!」

 鼻歌交じりで準備に取りかかる。海斗が乗る漁船(漁船と言うには大分貧相かつ小さいが)、「大鯨丸(たいげいまる)」は海斗と共に海原を渡った戦友である。

「おっしゃあ!大鯨丸、今日もデカイ魚釣るぞぉ!」

 ブォーー

「今日も燃費に悪そうな音だなぁお前はww」



「全然釣れねぇんだけどぉーー!」

 3時間は海の上を漂っている。

「なんでだよぉー!小魚一匹も釣れやしねぇ…」

 朝方とは違い、陽は完全に顔を出している。

「あーあ。源三のおっちゃんに大物が釣れるって啖呵切っちまったのに、こりゃダメだな」

 その時だった。

 グググ…

「おっ!?」

「おおっ!?」

 舟の甲板に固定した釣竿が逃げ出そうとしているかのように大きく引っ張られている。

「うぉーーー!!これは大物来ただろーよ!」

 海斗はリールを素早く回す

「やべぇ、こいつ力強すぎだろ」

 釣竿が未知の力に引っ張られる

 海斗は全身に力を込めてその力に抵抗する

「ウギギ…これを釣り上げて漁港のみんなに自慢してやるぜ」

 海の上で半袖半ズボン、気温もそれほど高くないはずなのに、海斗から流れるほどの汗が溢れている。

「くそっ!波が高いからバランスがとりづれぇ」

 海斗は誰もいない海の上で、釣り針にかかった

()()()と格闘している

 ザッパーン

 大きい水しぶきが大鯨丸を包み込む。その巨大な()()()が空高く上げられたことで、一瞬視界が暗くなった。

「うわー!なんじゃこりゃーー!!!」

 その()()()の正体は鯨であった。闇の如く黒きその体は、真っ昼間の海を夜に変えた。

 ザパーン

 鯨の入水によって大鯨丸は大きく傾き、海斗は海に落とされた。

「プハー!マジかよ…なんだよあの鯨は!」

「あれ?なんかこっちに向かってきてね!?」

 鯨がブラックホールのように黒く、大きくい口を開けて海斗に襲いかかる。そして海斗はなす術がなく口内へと消えた。

「くそぉ…暗くて何にも見えねぇ。おれはこんなとこで死ぬのかよ…」

 海斗の前に人影が微かに見えた。

「誰だ? ああ、これが走馬灯ってやつか…」

「鯨の腹の中って案外暖かいんだな…」

「なんか、包み込まれてる気分だ」

「やば…なんか眠く…なって…き、た………」




「うっ、頭が痛てぇ」

「俺は…生きてるのか?」

「確か、鯨に飲み込まれて、死んだんじゃなかったか?」

海斗はぼやけた視界を戻すために目を擦った。

「え、うそだろ?」

目を開けたそこには、見たこともない風景が広がっていた。

「ここはどこだ?」

「日本…ではないよな?」

現代の日本とは違う、煙突のついた木製の家々に、人々が身に付けている中世のような衣服、中には腰に剣を携え、甲冑を身に付けた騎士のような人もいる。

「俺は、俺が知らない世界に来てしまったのか?」

海斗は大層困惑した。まるでタイムスリップしたような世界だ。しかし、そこで海斗に衝撃な出来事が起こる。

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