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無欲な僕の欲しい物  作者: すきま
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1/1

僕のたった一つの欲望





あなたには欲しい物がありますか?


あなたには欲がありますか?




人は誰しもなにかを求めて生きている

人は誰しも何かを満たそうと生きている


そんな欲を




僕は知らない。







「無欲な僕の欲しいもの」







僕には欲がない。

欲という物が欠落している僕はいつも自分の欲について考えている。


自分の欲とはなにか

自分の望むものとはなにか

考えて考えて

考えれば考える程

嫌という程

無欲が僕に付きまとう。





僕が本当に欲っているものを知ろうとして

自分なりに調べたりもした。



人には3大欲求っていうものがあるらしい。




食欲

確かに空腹になることはあるけれど

昔から1人で贅沢がなんて出来ない生活をしていた僕に好き嫌いをしている余裕もなく

空腹を満たせればなんでもいい。

それはただ生きる為の作業

その程度だった。



睡眠欲

眠気というものは確かにやってくるけれど

それは疲労感から来るものではなく

ただ眠気が来るから眠る

ただそれだけ



性欲

人は1人では生きていけない生き物らしい。

幼い頃僕は親に捨てられ、親からの愛情を受けずに育った僕は

誰かを愛する

その行為自体が分からなかった。



こんな僕でも努力はした。

もし、僕に欲しいものが見つかった時それは僕にとって初めての欲だから、その欲は何としても叶えようと必死に働いて人1人が生きていけるだけのお金は稼いだ。


ただこれは失敗だった。


なんの不自由もなく生きていけるようになってしまったせいで

余計に自分の欲というものが分からなくなってしまった。


生きていくためにただ喰らい、ただ眠り、誰かを愛し誰に愛されることもなく

無駄な時間が過ぎていく





人には欲があるから

時に醜く、時に儚く、みんな等しく欲に取り憑かれている。



でも僕にはそんなものがないから


そんなあなた達を

醜く儚い

欲に生きるあなた達を



僕は羨ましく思う。






僕には

空っぽな僕には

欲というものが欠落している僕には…




欲とはなんだ?

欲するとはなんだ…

教えてくれよ

この世界に

空っぽな僕に

なにがある?

なにが出来る?









なにもないさ

なにもない


なにもいらない







この世界のどこかに僕の欲するものはあるのだろうか。

この世界のどこかに僕を欲する人はいるのだろうか。




僕の限られた時間の中で

僕はそれを見つけることができるだろうか。





僕は自分の欲を考える時にいつも空を見ながら考えている。

目の前に広がる空が

空っぽな僕に見えて

自分と向き合えている気がしたから

いつも空を眺めている。





この広い空の下に

ひとりぼっちの僕


そんな僕を


空っぽな僕を


いったい誰が欲しているだろうか


この広い世界に僕がここいると

誰が認識しているのだろうか



僕はこの世界に必要なのだろうか

僕の存在する理由はこの世界にあるのだろうか




いっそこの命を投げ出してしまえば

欲のない空っぽな僕は

楽になれるのだろうか。


終わってしまえば


この無欲から


この空っぽから



解放されるだろうか。








…






そうか







わかった







僕にもあったんだ

欲しいものが






















とあるビルの最上階

僕はいつものように空を見上げる。


いつもと変わらない空

いつもと変わらない日々

いつもと変わらない空っぽな僕


ただ今日は今までとは違う。















僕は今日やっと見つけた僕の欲







僕の見つけた

最初で最後の

僕だけの欲






それを今日手に入れる。
















無欲な僕の欲しいもの


















この日僕は空を飛び





























僕は無を手に入れた。












無欲ってなんだろう

そう思った時に書いたお話です。

ずっと無欲に悩まされた青年の最後はきっと

笑顔だったと思います。


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