表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/5

逃亡中です

何時間走っただろう。もう日が登り始めた。川を見つけたので、そこで一休みする。


「だいぶ走ったね」

「約80から120キロメートルぐらい走ったかな。獣人たちの国まではあと同じぐらい走れば着くはずだよ。さっきまでいた城が、かなり王国内でも南の方の土地だから」


情報収集に関して、霞原は抜かりない。


「これからの道のりは?」

「しばらく進むと、街があったと思う。街から国境までは大体50キロメートルかな」

「次に日が沈むまでには国境に着けそう?」

「もちろん」

「街で馬車とかに乗るのは?」

「出来なくはないけど、俺らは金持ってないし、自分で走った方が多分早く国境に行ける」


しばらく休んだので、もう一度走る。


今度は、さっきよりもペースを落とす。これから人が多いところに行くため、多少の戦闘があるかもしれない。そのための体力は残しておきたい。







街に着いた。もう昼に近くなってきたため、かなり賑わっている。早速汗を流そうと思い、風呂に入る。街の入り口でゴブリンの群れを殺し、それを売ってできた金で銭湯に入る。


「この後国境を超えてからどうする?」


霞原に予定を聞いてみる。


「確か1番人間の国に近いところには、猫人族の里があったと思うんだよ。とりあえずそこで過ごすってのがいいと思うんだけど……俺は普通に旅をしたい」


猫人族。とても興味が湧く名前だ。


「モフモフしてるのかな……」

「お前とんでもないこと考えてないか? 常人よりかは遥かに上の身体能力を持つ獣人たちの中でも、特に近接戦に長けてるんだぞ? それをモフモフとか……まあ俺らの実力がどうかによって変わると思うけどな……」

「それで霞原、お前はどうするんだ?」

「俺は獣人の国のあちこちを旅してみるよ。せっかく自由に行動出来るんだから、あちこち旅してみるのもいいかなって」

「なるほどね。じゃあ、国境を越えるまでは一緒に行動するけど、その後は適当に別行動にするってことでいい?」

「もちろん」



風呂から上がり、着替えてからさっさと街を出る。途中、余った金で少量の食料を買っておく。





しばらく歩くと、巨大な壁が見えてきた。高さは約5メートル程度なのだが、恐ろしく長い。端っこは見えないほどだ。


「……万里の長城みたいだね……」


霞原も驚いているらしい。一応門はあるのだが、無視して壁を飛び越える。


壁の向こうには、平原と森が広がっていた。


「じゃあ、これ地図だからあげるね。俺は適当にどっか行ってくる。何かあったら、猫人族の里に行くから、よろしく伝えといて」

「はーい」


霞原と別れ、受け取った地図を頼りに進む。今度は歩いて行くことにする。



霞原の背中が小さくなり、やがて見えなくなった。



「ここから南へ約5キロメートル、東へ3キロメートル進んだあたりか……ちょっと走るか」


さっき歩いて行こうと決めたのだが、日没までに里に辿り着けないリスクを考えて走ることにした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



一方その頃、王国では……


「召喚した勇者のうち2人が、強姦をして追放になったらしいぞ!」

「あらまぁ、最低な屑ね」


根も葉もない、そしてとんでもない噂が流れていた。そして、王から正式に、霞原翔と瀬戸桐谷を国外追放にするという命令が出されていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



桐谷たちが召喚された城の訓練場では……




「あの2人は何者なのだ? 対して筋力も無さそうなのに、俺より遥かに強いとわかる……」


訓練の喧騒を完全に無視した騎士団長が、考え事に耽っていた。

読んで頂きありがとうございました!

よろしければブックマーク、星評価などしていただけると、大変励みになります!

是非ともよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ