最愛なる家族への手紙
どうか神様がいるのなら、僕たちを助けてください。
と手紙に書かれてあった。
その2枚目には「最愛なる家族へ」と名づけられた手紙が殴りがきしてある
ゆうきへ…
お兄ちゃんなんだからお母さんの言う事はきちんと聞いて、弟たちの面倒も見るんだぞ。ゆうきともっとキャッチボールをしたかたなぁ
まきへ
ゆうきと一緒にお母さんを助けてあげてね。まきの作る卵焼きの味はわすれないからな
だいすけへ
まだ、生まれて一年ちょっとだけどお父さんは、お前の手の暖かさを忘れない
さおりへ
もう俺は助からないであろう。まだまだ幼い子供たちもいて大変だと思うけど、俺はお前と逢えた事を後悔なんてまるでしてないよ。愛してるて言葉だけじゃ語りつくせない感情でいっぱいだよ。今までありがとうな
3枚目には
何故、私たちがこのような災難に遭わないといけないんだろう。神様がもし本当にいるのなら私たちを助けてください。家族ともう一度逢わせて下さい。
もしくは早く私を連れて行ってください。刻一刻と自分の生命が失われていくのを実感するのは辛すぎです。
手紙はそう書き綴られ男の手に握り締めてあった……
きっとこの男性が、最後の力を振り絞って書いた家族への想いだろう 次の電車に乗っていれば事故に会わないでかもしれない。前の電車に乗っていても会わなかったかもしれない…
運命とは時に人を傷つけ、悲しませる。
人々は過酷な運命を背負って生きていく。それは死ぬまで背負い続ける宿命なのだろう
神様がいるのなら、この電車に誰も乗っていなかった事にしてあげてください
余りにこの現場は見るに耐えられないです