新しい妹
「ママ、何言ってるの?」
「今日から妹だかっぱよ。よろしくだかっぱ!」
「キモ!なんで話すの?話すぬいぐるみなの?」
「みさきなんてこと言うの!ぬいぐるみじゃないわよ。
ごめんね、かっぱちゃん。」
「いいだかっぱよ。
これからは妹だから優しくするだかっぱね!」
「はっ?妹じゃないし、
なんで上からなの?ほんと無理。」
「もっと優しくしないとだめだかっぱね。
それじゃモテないだかっぱよ!」
「うるさい!」
「ママ、これどこで買って来たの?
気持ち悪いからいらないよ。」
「気持ち悪いなんてかわいそうでしょ!
これから一緒に暮らすから仲良くしてね。」
「いやだ!」
「みさきわがまま言わないで。」
「どこがわがままなの?」
「もう決めたことだから、早く慣れてね。」
「なんで?ママが勝手に決めたんでしょ?
知らない!」
私はそう言ってバタンとわざと大きな音をたてて部屋に入った。
そして枕をドアに投げた。
「あーむしゃくしゃする!なんなの?
ママ頭おかしくなったの?
パパが帰って来たらパパがどうにかしてくれる。」
私はパパが帰って来るまで我慢だと思って気持ちを落ち着かせた。
ドアを少し開けてリビングを見ると、
かっぱがこっちを悲しそうに見ていた。
私は急いでドアを閉めた。
かわいい顔しても無理、
妹だなんて思わない。
つづく