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魔王



朝、登校したら隼人と廉が話をしていた。

「みんなおはよー!」

「あ、梨理、おはよー!」

私が挨拶すると、二人はそれぞれ私に軽く挨拶して、話に戻った。


「妹に、誰がそんなひどい事するの?って聞かれたから、魔王だよって答えたんだけど…………どうして魔王だって知ってるの?魔王は知り合いなの?ってしつこく訊かれて困ったよ。」

「何それ~!マリちゃん可愛い~!」

隼人は最近、妹のマリちゃんとゲームをやっているらしい。隼人のそうゆう妹想いな所、優しい所が好き。


その優しい隼人に対して、廉太郎の言う事はバカ……。

「じゃあ、お兄ちゃんは魔王と知り合いなんだ!って言ってやればいいだろ。」

「いやいや、そんな事言ったら、魔王にやめるように言ってくれって言われるよ。そうしたら、ゲームのシステム変更が必要になるよ。……誰かあのゲーム、途中から上手い具合にどうぶつ達の森に変えてくれないかなぁ?」


その後、廉が無理だろうと突っ込んでいた。この、大西廉太郎は、廉は自分の母のいる高校だと知らずに入学した大バカ者。


でも、廉が大バカで助かった。廉が、高校ではお母さんが先生という事を隠したいと言い出した時に、お互いに約束を交わした。


私がクラスのみんなに黙っている代わりに、廉も隼人に黙っている約束。


厄介な事に…………何故かこいつだけ気がついた。私が隼人を好きという事、隼人の好きな人を探すのを手伝うふりをして、さりげなく阻止している事。


そのせいか、私が隼人に近づこうとすると、すぐにつっかかって来る。

「梨理!お前……お前には慎ましさ、奥ゆかしさが足りないんだよ!」

「はぁ?慎ましさって何なの!?奥ゆかしさとか平安京か?あんたは麿か?マロなのか?マシュマロか?」

「マシュマロ?」

隼人が首を傾げて、こっちを向いた。


「あ、いいの。隼人には全然悪口言って無いから。」

「お前のそうゆう所がチョロインなんだよなぁ……」


チョロインとな?


「はぁ?チョロイン?」

すると、隼人が優しい笑顔で言った。

「チョロインって、チョロいヒロインの事だよね?」

隼人……そんな優しい笑顔で私の事をチョロインとか言わないで!!


でも挫けない!!こんな事で挫けてたら、6年越しの片想いはやってけない!!


私は開き直った。

「ほーう…………チョロイン?いいじゃない!!チョロイン上等ぉ~!!」

「いやいや、お前、上等とか言う?それ、もはやチョロいでもなきゃ、ヒロインでもねーよ!お前はヒロイン失格だ!」


別に廉にヒロイン失格宣言を受けても何のダメージもない。


だって、ヒロインが必ずしも好きな人と結ばれるとは限らない。


私はヒロインになりたいんじゃない。隼人の彼女になりたいの。そのためには…………里梨 凜の事は隼人には絶対に諦めてもらう。


「隼人、土日予定ある?」

「え?あるけど……」

「また巣鴨?じゃ、一緒に行こうよ!」


そんな廉は私を見て小声で呟いた。

「お前を見てると小動物を狙う肉食獣に見えて来るわ……。」

それ、隼人が小動物とか言いたい?


私は目の前の席の隼人の背中を見て思った。


そんな可愛いもんじゃないよ!隼人には、どんな雑誌のモテテクを駆使しても効かない。まるでレベル違いの魔王なんだから!


私は廉を睨んだ。私は無能なハンターじゃないし、狩りをしてるわけじゃない。ただの恋する女子。廉は全然わかって無い!


私がどれだけ隼人を想ってるか。


だから嫌だったんだよね……好きな人が周りにバレるのって。


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