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接待ゲーム



勇者はおにいちゃん、ヒロインはマリに名前を変えて再スタートした。


ストーリー上、隣村にお使いに行く事になった。

「行かない!!」

「え…………じゃあ、最初の村で何すんの?」

「みんなで、ティーパーティーする。」

不思議の国の何とかですか?そんなの不可能だよ!これ、戦うゲームだから!


とりあえず、村中の住人の話を聞きにまわった。同じような話を延々と音読させられるという地獄……。


村中を回るなら、部屋の中を探してアイテムでも探そう。そう思って引き出しを開けたり、壺を割っていると……。

「お兄ちゃん、これ、何してるの?」

「家に入って、アイテムがないか調べてる。」


「あー!!」

それを見た母さんが突然叫んだ。

「マリちゃん、他の人の家に入って、勝手にタンスや扉開けちゃダメだからね?壺壊したり、そんな悪い事絶対しちゃダメだからね?」

母さんは猛烈に妹に言い聞かせた。


「うん。マリはそんな事しないよ?」

「お兄ちゃん!ダメ!これ、コンプラアウト!これからは他人の家のアイテム探しはNGで!」

コンプラアウトって……コンプライアンスの使い方間違ってない?


教育上よろしくないという事で、他人の家のアイテム物色はNGになった。ダンジョンはOK。城はギリギリセーフ?アウト?


妹との接待ゲームは、独自ルールができた。その1、妹の主張は絶対。その2、モラルに反する行為はしない。その3、基本、全部音読。


森で初めて敵に遭遇した。一番最弱のモンスターだ。

「どうする?戦う?」

「お友達になる。」

これ、お友達になるゲームじゃないです……。


「じゃ、ボールでゲットする。」

「それゲームが違うから。」

とりあえず、戦うを選ぼうとすると、マリが呟いた。

「やっつけちゃうの?可哀想……。」

「いや、一応これもモンスターだから。敵だから。」

少しビジュアルが可愛くて、戦えないらしい。


戦う許可が全然降りない。いや、ポケットのモンスターだって戦うじゃん!!戦ってなんぼじゃん!!


初めての戦闘は、とりあえず逃げた。とにかく逃げた。仕方がない……。戦闘は本格的に武器を手に入れてからでもいいか。


と、思っていても、さすがに遭遇率が高くなって来た。

「お兄ちゃん、モンスターいじめたら可哀想だよ!」

「いじめてないよ!むしろこっちがいじめられそうになってるよ!」

何故!?何故僕がモンスター虐待してるみたいな感じで責められる?


この、ルールその2、モラル厳守がなかなか難しい事に気がついた。そもそも、敵と戦って平和を取り戻すゲームに、平和的解決を求めちゃいけない。


お使いを終えて、自分の村に戻ると、魔物に村が焼かれていた。という語りと共に、主人公の父親が倒れていた。


「私の代わりにどうかモンスターを倒してくれ……ぐはぁ!」

「え…………お父さんどうなっちゃうの?」

確か、後々出て来たっけ?ここで死んだっけ?どうしよう……覚えてない……。


「お父さんをこのままにして行けないよ!」

確かに……!!モラル的には、ここは父親を病院に連れて行く……?ってそんな台詞ないよ!!ない!!どうすればいい……?


え~!普通に家出て来ちゃったよ!戻った所で父親は同じ台詞しか出てこないし……。


この危機をどう乗り切ればいいの?

「お兄ちゃん、早く!早くお父さんを病院に連れて行ってあげてよ!」


そうだ!!人を呼ぶふりをしよう!!僕は、無駄に村人に話かけた。妹は字が読めない。どう読んでも僕の言葉でしか判断していない。


「どうか父を助けてください!モンスターにやられて家で倒れています!」

「おお!それは大変だ!すぐに医者を呼ぼう!」

「父をお願いします!僕はモンスターを退治しに行きます!」


どの台詞も、実際にはない台詞だ。実際は『モンスターがでて困る~!』的な、どうでもいい台詞に勝手に当てはめた。これで納得だろう?


「これでお父さんも安心だね!」

妹はホッと一安心していた。なんか…………なんか…………


何とも言えない達成感!!


そんな安息の時間もつかの間……


武器も手に入れ、とうとう本格的にモンスターと戦う事になった。

「怖いよ!死んじゃうよ~!」

死なないって!開始早々死なないって!!え?それどっち?どっちが死ぬから怖がってんの?


戦闘が始まると、マリはギャーギャー言い出した。

「うるさいな~!お兄ちゃん何とかして!」

「無理だよ!戦わないと先進まないし!逃げられないし!」


だから嫌だったんだよ~!妹とゲームなんて~!


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