やっぱり、だから嫌だった
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放課後、毎日のように休憩スペースで栞を待っていると、ババアに遭遇した。
「あ、廉!今日私帰り遅くなるから!」
周りに隠さなくなってから、ババアは普通にこうゆう事も言うようになった。
「廉、返事は?」
「あぁ、ハイハイ。」
「あれ?何?グレてんの?グレるりんなの~?」
グレルリンって何だ?うぜーな!
「グーれろ!グーれろ!」
「アンタがグレろコールすんな!逆にグレづらいわ!」
それが目的か!ババアの思惑にハマる所だった。
「あー!わかったよ!グレてやるよ!!」
グレるって…………一体どうすればいいんだ!?
「グレるってどうすればいいの?」
「それ、私に訊いちゃう?」
「いや、グレるって宣言したけど……実際何すればいいのか思いつかない……。」
「アンタ……それ、グレるの向いてないよ……。」
ババアは少し考えて、名案を思い付いたかのように言った。
「あ、じゃあ、ゴミのポイ捨てとか?」
「ゴミのポイ捨て…………?」
俺はゴミ箱に捨てようとしていた空きカンを中庭に投げた。カラン……と音を立てて空きカンが転がって行った。
「あ!いいの?ゴミ箱に捨てようと思ってずっと持ってたんじゃないの?」
煽るなババア!…………ダメだ!!我慢だ!!ここで拾いに行ったらグレじゃない!!グレじゃないんだ!!
「何我慢してるの?拾いに行きなよ。ほら!」
「うるさい!!今、俺グレてんの!!」
すると、中庭で誰かがその缶を拾おうとしていた。
「何だ?この空きカンは?まったくポイ捨てなんか……。」
ダメだ!誰かに拾われる前に拾いに行かなくては!!俺は急いで拾いに行った。
大体、何でゴミ箱があるのに、ゴミ箱に入れないんだ!?入れるだろフツー!?気持ちが悪い!!
俺が走って空きカンを拾いに行くと……どっかで見たおじさんがいた。校長?理事長?誰だっけ?
「君、偉いね。空きカン拾いかい?」
「いや、これ自分が投げたやつですから。」
自分で投げた空きカン自分で拾いに行くって…………
「どうゆう遊びなのかな?いじめなのかな?」
いじめだとしたら…………ふと、母親の方を見ると…………
「あはははははは!!」
俺を見てゲラゲラ大笑いしていた。
これがいじめなら、俺はずっといじめられている。
だから嫌だったんだよ!母親のいる高校なんて!!
「廉~!お待たせ~!何してるの?」
「廉、今グレてるんだって?」
「グレてる?グレるって動詞でしたっけ?」
でも…………彼女ができたから、良しとする。
ババアにはまだ内緒だ。
「え?何?佐藤さんと付き合いはじめたの?え~!!廉、どうよ?どうなの?」
やっぱり…………
だから嫌だったんだ!!
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。全然1200文字以内とかじゃないし、書ききれなかった事もあり、結局迷走ばかりで嫌になる前にとりあえず完結させました。
駄文で申し訳ありませんが、誰かの暇つぶしになれば幸いです。




