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妹とのゲームは、学園祭の準備が忙しかったのと、マリ神様が飽きて僕一人でやっていたから……結局途中で止めてしまった。


僕の気持ちも、マリのゲームと同じで、盛り上がる時と冷める時がある。最初は熱々だった僕の気持ちも、今は正にマヒャドをかけられたように冷めていた。


残りわずかな時間、学園祭をまわろうと、廉と教室へ向かおうとすると、途中で梨理と里梨先生に会った。僕にとっては、今はどっちも会いたくない人だ。


「廉、ちょっと一緒にこっちに来て。あ、隼人はいいから。廉だけ借りてく。」

そう言って、梨理と廉は僕を里梨先生の前に残してどこかへ行ってしまった。


里梨先生と二人きりで…………どうしたらいいかわからなかった。それでも、マヒャドがかかったせいか、意外と冷静に話ができた。


挨拶をする◀️

パフォーマンスの感想を聞く

もう一度告白する


「里梨先生、お疲れ様です。」

「大森君こそ、パフォーマンスお疲れ様。」


パフォーマンスの感想を聞く◀️

もう一度告白する


「あの、どうでした?」

「4年前を思い出した。先生って立場の学祭もいいなって思った。」

あ、学祭自体の感想……。


もう一度告白する◀️


「思い出したよ。4年前も、8年前も。」

8年前も…………?里梨先生から、意外な言葉が出て来た。


それは……僕だけが覚えているのかと思っていた記憶。自分でも、もうほとんど定かじゃない記憶。


「少年、本物のシェロは見つかった?」

「シェロ…………」

「少年、あの時龍を探してるって言ってたよね?見つかった?」


その話は僕とリンと、シェロしか知らない話だった。小学生の僕が、家出をした理由。本物のシェロに願いを叶えてもらうために、あてもなく出掛けたあの日の話。


里梨先生は…………リンは、覚えていたんだ。それだけで……涙が出そうなくらい嬉しかった。それなのに…………


「そろそろ教育実習も終わるから、本当の事を伝えようと思って…………この先会う事もないだろうから。」


この先、会う事もない…………?


「私は、もうあの頃みたいに不安でもないし、泣いてもいないから。」

「待って……!」


その手を…………掴み損ねた。


Continue?


…………yes。yesだよ!!


「待って!待ってよ!リン!僕は……僕はずっと会いたかったんだ!!」

これは…………告白とかそうゆうんじゃない。ただ、8年間の想いを…………伝えたい!!


「龍のシェロみたいに、リンの願いを叶えてあげる事はできないかもしれない。犬のシェロみたいに、リンを笑わせる事もできないかもしれない。それでも……僕は、リンの力になりたいんだ!」

「…………ありがとう。でも、大切な人を傷つけてまで、私の力になんてならなくていいよ。友達を、大切にしてあげて。」


それは…………梨理の事?


そう言って、リンは逃げるように去って行った。


これで、本当に…………


本当のゲームオーバーな気がした。


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