表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/41

早く飽きて


14


梨理に言われた。

『先生と生徒じゃ恋愛は難しいよ。今はまだ迷惑かけないように遠くから見てた方がいいよ。』


リンがこの先、教師になるかどうかは別として、今は待つしかない。教育実習が終わったら、リンもただの大学生だ。…………4歳の差って意外と大きい。


そんな事を考えながら、いつものゲームをスタートしていると……


「隼人~!見て見て~!」

マリが嬉しそうに、マリ姫を見せて来た。


え?ちょっと待て?あんなにモメた武器と防具が売られている……勇者おにいちゃん、また丸腰だ!!


そういえば……マリ姫の衣装が変わっている。そうゆう事か!!勇者の武器と防具を売って、マリ姫が新しい衣装でグレードアップしたんだ!!


マリ姫は回復くらいしかしないから、防具のグレードアップを後回しにしてたのに……。


そうとわかった所で……マリ姫大して防御力あがってないし……!


母さんが僕の様子を見て言い訳を始めた。

「あ~今日マリと続きやったんだけどね、お姫様の服、白い服にお着替えしたいって言われて…………勇者の武器と防具売って……お姫様の服買っちゃった!」


買っちゃった!って…………何だか、身ぐるみ剥がされた気分だよ……。


なんか……どうしてだろう……。たかがゲームなのに、何だか悲しい。


しかも……また回復薬96個もあるし。そりゃすぐ死にそうになるだろうよ。勇者おにいちゃんだけ無防備だからね。戦闘はなかなか終わらないだろうよ。勇者おにいちゃん素手だからね。素手で戦ってるからね。


この、勇者の虐げられ方が……実際の僕とダブって悲しいんだ……。


「お兄ちゃん、見て見て~!お姫様なの~!」

マリは白いワンピースをひらひらさせて見せて来た。

「勇者おにいちゃんに回復してあげる~!」


はい、マリ姫に回復されました。


「あれ?回復してないの?」

「え、あ、大丈夫だよ、回復したよ。よし、どんどん敵を倒して我が家に平和を取り戻すぞ!」

「おー!!」


発想を変えよう。妹に回復される為に、勇者おにいちゃんは丸腰なんだ!!もう、効率とか考えてはいけない。普通にゲームをする。そんな概念を捨てろ!!これは接待ゲームなんだ!!とにかく…………このゲーム早く終わらせたい!


早く飽きてください!マリ姫様~!!耐えろ!今は耐え続けろ!勇者お兄ちゃん!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ