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せっちゃんたちの恋愛事情  作者: くい
どうも、じきまおうのちじんです
30/90

2−12

昨日はすみません…予約投稿失敗しました…

情報量が多すぎて頭が破裂しそうだ。額に手の甲を当てて、はあ、と息を吐く。それにどんな意味があるかと問われたら言葉に詰まるけれど、少しだけ落ち着けるような気もするのだ。

“覚醒”については後でせっちゃんに聞こう。付随する内容も、後回しでいいだろう、急を要する内容ではない。むしろ、話す相手は絞った方がいい、とさえ感じている。そうなれば今この場でするべきなのは、将軍と丞相の用事を済ませて、早く退室してもらうことだ。

少しばかり疲れた頭で、正面の二人へと視線を向けた。私のステータスを見て、彼らの考えは何か変わっただろうか。


「将軍様、丞相様」

「ヴィクトールだと名乗っただろう?」

「クレイとお呼びください」


あ、これ面倒なやつだ。私が妥協するのが一番手っ取り早いやつ。向こうの声に乗ってる硬さが譲らないって言ってる。下手に拒否して機嫌を損ねることを考えたら、名前で呼ぶのが最善か。正直なところ、ロリコンと貧乳教にはちょっとご遠慮いただきたいのだけれど。


「すみません。では、ヴィクトール様とクレインス様とお呼びさせていただきますね」


こちらもこれ以上は譲らない、と声に硬さを持たせる。二人はそれでいいと判断したのか、私の言葉を遮ることはなかった。こういうことはひどく苦手だ。日本人気質の、事なかれ日和見主義の私には相手を全身全霊で否定することも、拒否することも苦手なのだ。だんだん仕事で年齢的にもそんな言い訳ができなくなって、なんとか身につけたはいいけれど、実行する度に重たいものが胸に押し込められたように息がしにくくなる。本質が気弱で泣き虫のせいだろう。

気が抜けて、口元に小さく浮かんだ笑みをそのままに二人に話しかける。


「その、お話とは、なんでしょうか?」

「わかってるだろう?」


まず、ヴィクトール様から始まるらしい。わかっているだろうと言われれば、想像していないわけでもない。多分、色恋沙汰だろう。いや、正確に言えばそこまでは至らないか、政略結婚に近い気がする。

想像でしかないものが、そうだとは限らない。もしくは、この城での行動の注意かもしれない。こちらはマリアさんが後でしてくれる可能性が高いとは思っている。が、全ては私の判断であり、想像であり、事実ではない。


「生憎と、心を読むことはできませんので」


マリアさんならできるかもしれないけど。心の中で付け足して、まっすぐとヴィクトール様を見つめる。彼はフッといぶし銀であるとしか評することのできない、ある種年齢的な深みのある男にしか出せない艶やかな笑みを浮かべた。

正面から直視してしまったせいで心臓がドギマギする。そっと視線を逸らした先には不機嫌そうな綺麗な人がいたので、泣きたくなった。


「ヴィクトール・コン・ピエッタ。今年で712だったか。魔王の剣であり盾である軍を率いる将軍だ」

「はい」

「ただ、俺はどうやら下に600以上年の離れた少女(あいて)にしか欲情しないらしい」

「…噂には聞いています」


やはりロリコン。下に600以上離れてるってやばいだろ。だいたい100歳くらいまでってことでしょ?ガチのベドフィリアじゃねーか。と心の中で叫んで拒否していても、彼が私の攻略対象になってしまっていることは事実だ。

残念なお知らせとしては、私はきっちりその括りに入っているという事実か。


「将来的に、俺と結婚してほしい」

「直球ですね、私がまだ16だと理解したからこその発言ですか」

「ああ。成人までは待つ」


決定事項みたいに言われてるのが理解できないんですけど。え?と首を傾げれば、ニヤリと男臭い笑みで獣のように目を細めた。


「ハーレムの主なんだ、俺の一人くらいねじ込めるだろう?」

「…その称号よくわからないんですけど、教えていただいても?」


私の言葉に、ヴィクトール様が口を開こうとしたのだが、それを遮ってクレインス様が話し始めた。


「称号“ハーレムの主”は権力のある異性の複数人から想いを寄せられた時に得られる称号です。同時に、称号を持つ者自身が誰か一人を選ぶつもりがないことが条件です。そして、詳細はわかっておりませんが、いくつかの条件を満たすと“ハーレムの主Ⅱ”といった称号に変わるそうですよ」


あっ、多分覚醒ってそれだ。理解した瞬間、覚醒させるのやめようと決めた。なんか嫌な予感しかしない。

そうなんですね、ありがとうございますと頭を下げて、ヴィクトール様になんて返すべきかと考える。だって、すでに含まれてるわけですよ?っていうか、ハーレムの主って、まさか。


「ハーレムの主という称号を持っていると、一人くらいねじ込める状態になるんですか」

「具体的に言えば重婚が認められるな。許容範囲内であれば、浮気とはならない」

「え゛っ、そんな中に入りたいんですか」


なにそのチーレム空間に自ら進んで入っていくわけのわからないラノベヒロイン達みたいな思考回路。いや、彼女達が納得してるならいいとは思うんだけどね?正直嫌だよね、好きな人が自分以外も愛でてるのって。夢といえば夢なのだろうが、こう思うのは私が女だからなのか。それとも、嫉妬深いのだろうか。

いやこの論理で行くと、“ヴィクトール様が気にしないならいい”が結論になるんじゃ?だめだよね、ハーレムの主の感情が大切だよね?でもなんかよくわかんないけど決定事項みたいな状態で言われてたんだけど、これもしかして権力的な意味でも断れない?


「入りたいな…こいつも同じだと思うが」

「私も自分で言うよ。雪白、私も君が成人したら、君のハーレムに加えてくれないだろうか。幼い頃、年上故に背の高い肉感的な女性に襲われてから、ひ弱で非力な女性しか愛せないんだ」


これ、チーレムな主人公達もこう言う気分なの?それとも私にまだ二人への愛情が足りないからなの?なんかただただ責任が増した辛さしか感じないのだけれど。

しかもクレインスさんが貧乳教になった理由が笑えなくてつらい。完全にお姉さまに襲われたってことでしょう?なにそれこわい。いや確かに女王様みたいなタイプの肉食魔族女性っていうのは一定数いそうな気がする。あれぞ淫魔って感じの女王様だったから、余計そう思う。

流されてしまうのが楽なのはわかっている。正直顔好みだしそれもありかなーとは思っているけれど。そんな適当な感情は、多分ダメだろう。そうなれば、私が答えられるのは。


「確約は、できませんけど…考えておきます」

強制ハーレムルート

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