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せっちゃんたちの恋愛事情  作者: くい
どうも、じきまおうのちじんです
28/90

2−10

魔法が完全に使いこなせるのは魔族だけ。つまり、奴隷を使役できるのは魔族だけで、逆に魔族に対して全ての魔法は平等だ。魔力は平等ではないが、故に、奴隷になることもない。そうかとホッとして、奴隷については賛成も反対もしないことにした。もちろん奴隷と言われていたエルフたちがふっくらとした頰をしていたからだし、一応人としては扱われているからだ。

せっちゃんに確認したら、奴隷の管理は将軍(隷兵(ファイター)隷性(フッカー)隷荷(キャリアー))と丞相(農隷(ファーマー)役隷(レイバー)、最後の召隷(リテイナー))が行なっているらしく、奴隷を傷つける行為は王への反逆と見なされることになっているそうだ。

確かに安価で数の多い奴隷に情報収集させたり、いるか知らないが不穏な魔族を監視させれば、国内の統治にも役に立つ。基本的に魔族とその他の種族を区切っているあの森以上にはあちらへ近づけないらしいが、それは普通の魔族と変わらないから差別とも言えないだろう。

唯一、魔族と分けられるのは給与だというのだから、こちらを殺そうとしてきた相手に対してかなり寛大だと思う。対応が良すぎて、どっか落とし穴がありそう。あれかな、知識を出し尽くしたタイミングで命が取られるとかあるのか。詳細は…今覚える必要はないと否定されたし、気にしなくていいのだろう。

魔族の領地で魔族以外の種族を見たら、奴隷か討伐(・・)にきた勇者や軍だから近寄らないようにと言われた。確かに後者だと大変なことになりそうだ。


さて、お勉強がひと段落すれば、今度は目の前で待機しているーーもちろんお勉強のときに色々口出ししてきたーー残念コンビ(ロリコンと貧乳教)の対応だ。視線を二人にゆっくりと向ける。業が深いとは思えない整った顔立ちだ。何度でも言える、残念だ。

将軍と丞相は居住まいを正してまっすぐと私へと熱視線を向ける。質問したいことがある、という旨の二人の申し出に、どうぞ、と諦めの心地で促した。先に口を開いたのは将軍だ。


「君の基本ステータスを教えて欲しい」

「基本ステータスですか?」

「ああ」


スキルや技能は別にいいらしい。基本ステータスって名前と体力と魔力しかわからなくない?少なくとも大雑把な私のステータスはそうなんだけど。思いながらもステータスを開いて、見てみる。


基本ステータス

名前 出水 雪白(雪白、せっちゃん)

体力 全快状態

魔力 有り余り気味


やはり、何も変わらない。首を傾げながら、これでいいんですか?と彼らへとステータスを見せる。二人は驚いた顔をして、じっと私の基本ステータスを見つめる…前に息を飲む。ひゅっと鳴った喉に何が起こっているのかと不審に思う。名前と体力と魔力に一体何を求めているのか。

食い入るように見つめているが、そんなに見つめてもあの3行は変わらない。私も覗き込むように見てみるが、やはり、3行は3行だ。しかも正確な数値は全くと言っていいほどわからない。


「基本ステータスって、見て楽しいの?」


せっちゃんに問いかける。すごく不思議そうな顔をしている。いや私の方が不思議なんだけど、だって、3行だよ?名前と体力と魔力だよ?ちなみに、お弁当作った後に確認した時は

体力 少し疲れた

魔力 まだ余裕

っていう数値的に全くわからないものだったからね。本当にステータスの意味がわからなくて確認もしなくなってるよね。元の世界になかったから別に見なくても気にならないし。たまにスキルと技能を見ながら何かできることはないかと弄る程度だ。基本は魔法で何とかなってしまうし。魔族ってチート。


「基本ステータスは名の通り、基本的なものは全てわかるだろう?」

「私がみると、名前と体力と魔力しかわからないけど」

「は?」


せっちゃんのは?は本当に虚をつかれたような声で、いつの間にかいたマリアさんや将軍と丞相までもが私をまじまじと見つめている。マリアさんが、どこか納得したようになるほどと頷いている。

他の3人は私を怪訝そうな顔で見ている。いや、そんな顔されても困るけど。絶対あのステータス表示、私のせいじゃないし。

そう思って、せっちゃんが自分の基本ステータスを見せてくれる。


基本ステータス

名前 セヴィア・レ・グリッター(せっちゃん、次期魔王、セヴィア)

体力 全快

魔力 何でもできる


やはり3行だ。っていうか魔力の何でもできるって何だ、恐ろしいんだけど。魔力が有り余っているということだろうか、私の場合でも有り余っているとしか表記されないってことは、私の魔力では足りない魔法でも、せっちゃんなら使うことができるか。何それいいな。魔力って上がったりするのかどうかも知らないんだけど。

眉を寄せていると、なんて書いてあるか言ってみろ、とせっちゃんが告げる。


「名前はセヴィア・レ・グリッター。あだ名にせっちゃん、次期魔王、セヴィア。次が体力、全快。最後の魔力は何でもできる」

「…本気か」

「本気ですけど?」


事実それしか見えないのだから仕方ないだろう。眉間にシワを寄せてせっちゃんを睨め付ける。ふと気がついたように彼が私の目を示した。


「目に魔力を集めることはできるか?」


何その不思議な能力。魔力って目に集められるの?首を傾げてから、何となくせっちゃんと大規模魔法を使った時のように、体を巡らせるイメージを作る。塊を目元に集めて、もう一度せっちゃんのステータスを見つめた。


基本ステータス

名前 セヴィア・レ・グリッター(せっちゃん、次期魔王、セヴィア)

種族 魔族(神族)

種属 魔王

年齢 298

等級 46/100

体力 1(テラ)/1(テラ)(おおよそ)

魔力 1(ヨタ)/1(ヨタ)(おおよそ)

状態 健康 驚愕

称号 次期魔王/神話の魔王(崩壊を導くもの)/殺戮者/魔族の若者/サディスト/(神の一族)

詳細 隠蔽されています、さらに詳しく見たい場合は魔力を追加してください


テラって…一兆だっけ?10の12乗だよね?ヨタとか、記憶にないけど、気になったので知恵袋で調べたら24乗だって言ってるから、24乗なのだ。怖い。数値として尋常じゃないことだけは理解できる。っていうか、どこのおばあちゃんだろうね、テラとかヨタとかの知識持ってるおばあちゃん。

あと、称号不吉なもの多い。さすがというべきか、それとも同情するべきか。厨二的にはかっこいいー!って言いたい称号もある。あとサディストって称号なんだね。なら、あの二人にはロリコンとか貧乳教とか書いてあるのかな。

せっちゃんが、どうだ?と私を見てくるから、やはり気になったところだけを返すことにした。


「せっちゃん、ステータス隠蔽してるの?さらに魔力追加したら教えるよって言われてるんだけど」

くそステータスはちゃんと基本ステータス

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