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3話
京井のしれっとした言いように、むつも篠田も目を細めた。
「自分で作った土塊に魂の付着の方が、犬神を扱いやすくなります。妖とて生きてますからね…消えてなくなるくらいなら、生かされるべく言うことを聞く…そう考えての行動かと思います」
「そんな高度な事を簡単ににやってのける者が居るのも…凄いですね」
何に感心をしているのか、むつは組んでいた手をほどくと腕を組んだ。
「まぁ、それで…種類は違えど同じ犬神です。多少の付き合いもありましたし、探しだしてわたしがこの子を拐った、という訳です」
「何で話さなかったんですか?」
ぐっと拳を握り、苛立ったような声の篠田を宥めるように、むつがその手を軽く叩いた。
「宮司の話は嘘ですね。預かる事になったという事も」
「えぇ、嘘です。申し訳ありません」
京井はまた深々と頭を下げた。だが、本当に悪いと思っているようには見えなかった。
「あの…つまり、犯人が琴音ちゃんを作って連れ歩いてたのを京井さんが拐った…って事で良いんですか?」
祐斗が挙手をして、質問をしてきたので、振り向いたむつと篠田は頷いた。
「なるほど…でも、何でですか?助けを求められたわけでもないんですよね?」
その疑問は京井に向けられていた。
「腹が立ちませんか?自分の都合で殺して、作り替えて使うなんて」




