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1話
「えーっ俺、嫌ですよ。何か気まずいじゃないですか」
祐斗は、ただ飯なら言いかなと思ったりもしたが、冬四郎と山上と呑むだなんてやはり気まずい。
「なら西原も誘うか。あいつ、むつと呑みに行ってんなら何か知ってるだろ。みやよりも」
山上はタバコを消すと、コーヒーを飲み干して、自らおかわりをいれている。次はカフェオレにするのか、祐斗のより多く牛乳を足していた。
「それより、むつさんと呑みに行けば良いじゃないですか」
颯介はそう言うと、襟元から顔を出した管狐に、小さくなった氷を与えた。
「最近、誘っても行ってくれねぇんだよな。付き合い悪くなったな、あいつ」
山上はぶつぶつ言うと、カフェオレを飲んで変な顔をしている。
「牛乳くせぇ…とりあえず、近々呑みな。俺とみやと祐斗と西原な」
捨てて作り直すのは勿体無いと思うのか、コーヒーの粉を足して味見をし、納得出来ないまま、マグカップを持ってデスクに戻っていった。