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2話
むつは携帯をしまうと、ぱんぱんと何もない所を叩いた。そして、ぐっとその手に力を入れた。
無理矢理こじ開けようとしているのが、颯介にも分かった。分かってはいたが、颯介の方も手が放せる状況ではなく、何も出来なかった。
「くっそぉっ」
むつの掌から煙が微かに上がっている。
「むっちゃん?」
颯介は黒い人形を掻き分けてむつの側まで来ていた。颯介の声はむつには聞こえていないのか、むつは歯を食いしばって掌に力を込めている。
眉間に深い皺を刻んだむつの瞳は、光の加減のせいなのか、ほのかに碧色のように見えた。颯介はそれに気付くと、よく分からない不安を感じた。止めなくてはいけない気がした。だが、何故か出来なかった。そのほのかに輝く碧色の瞳から目が離せなかった。
そして、文言も何もなく掌に炎を生み出した。その炎はあっという間に広がり、むつは転がるようにして颯介の隣に並んだ。
「やれば出来る子なんだよ」
いつもの調子のむつに安心した颯介は、笑みを浮かべて頷いた。
「祐斗は無事かしら?」




