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4話
むつは冬四郎を待つ間、辺りをきょろきょろと何気なさを装って見回してみた。むつの取り調べを行った冬四郎の後輩の男が、そっと柱の影に隠れたのが見えた。一人ではないような気がした。
だが、むつは気づかないふりをして冬四郎の方を見たりして待っていた。
冬四郎が大きな袋を持って出てくると、むつと並んで歩き出した。
「ありがとっ」
上機嫌に笑みを浮かべながら、むつは冬四郎に寄り添うように肩を並べた。
「ま、たまにはな。で、この後どうする?」
「別々に帰ろうか…っと、ちょっと待って。携帯鳴ってる気がする…はい?」
『むつさん、今どこですか?』
「水族館だけど、何かあったの?」
『変なのに追われてて…』
「今、どこ?」
祐斗の息を弾ませながら、緊張したような声が聞こえてきた。むつも表情を引き締めた。
『マンスリーっす…ここなら、むつさんの札がまだ残ってるから』
「みんな無事?」
『湯野さんと社長がまだ…京井さんと琴音ちゃんは無事っすけどね』




