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バヨネット  作者: 海上油田
1/1

補充兵と古参兵

連載初投稿です。

未熟で慣れていませんので、おかしな所が多々あると思いますが

読んで頂けたら幸いです。


大戦物の作品が好きで、自分も書いてみたいと思い

描かせて頂きました。

今後の展開も方向性も曖昧ですが、出来る限り現実味のある作品に

仕上げていければいいかなと考え中です。

今日も雨が降り続く、


塹壕の中の居室で小隊の皆は退屈な時間を生きている。


僕もその中の一人だ。


ただただ次の命令が来るまで、漠然とこの泥にまみれた居室で

流れ込んでくる泥水を眺めている。


直接雨風が当たらない分、外よりはマシ。

ただそれだけだ。


外に出るのは号令がかかる時だけ。


以前は見張りの役目が回って来た時も出ていたが、

今は新兵共がやってくれている。

と、言うよりはやらせているといったところだ。


「次の増援(補充兵)はいつになったら来ると思う?」


服についたシラミをとりながらぼそりと一人が呟いく。


「きっと今日来た奴等が死んだらだろ」


戦士するのは殆どが補充兵だ。

彼らの大半は高らかな戦意と自ら志願する愛国心を持ち。

勇敢に戦おうとして死んでいった。


居室の外、塹壕の中から悲鳴とざわめきと共に

見張りの一人が僕たちの所に飛び込んで来る。


どうやら早速一人犠牲になった様だ。


「フランクがっフランクが撃たれました」


息を詰まらせ、動揺をしながら震えた声で助けを求めている。

おそらく撃たれたのは彼の同期か友達なのだろう。

彼には残念だが、俺は看護兵ではない。


敵襲に備え塹壕から飛び出し

相棒である重機関銃を握り、警戒する。


頭部を貫かれた彼の友人を見るからに狙撃兵にやられたのだろう。

雨の日に撃たれるとは運の無い奴だ。


警戒が解かれ、再び居室に戻ると

先ほどの新兵がうつろに座っていた。


同僚が死ぬところを目の当たりにしたのだ、無理も無い。

そんな彼に誰一人として声をかけることも無く、

シラミ取りや、銃の手入れ等、部屋を出る前の退屈しのぎに戻った。


ここでは誰かが死ぬことは珍しい事ではない。

新兵に限らず戦死は平等に訪れるのだ。


最後までお眼を通して頂きありがとうございます。


ご感想、ご指摘など頂けたら幸いです。

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