082 予想の斜め上に落ちる男
ゴメンナサイ。短いですが水曜分です。
「実際問題。戮丸は何をやっているんだ?」
「そういえば、アイツ―――宿屋に寄ってない・・・」
「―――は?夜半には着いていただろう?」
「街門で足止めを喰らっていたんだ。知っているだろう?」
「それは難民の話じゃ・・・」
何処までも、普通と普通の隙間に落ちていく男。戮丸。
彼のハードラックはオーメルをして読みきれなかった。
―――つまり、集落まで死に戻りしたのである。
「時間はかかるがそのうち来るだろう。彼にはアトラスパームがある。それこそ跳んでこれる」
「―――甘いな銀。奴のハードラックを甘く見るな。嗤っていることでさえ辛くなって来るんだ。今、集落は襲撃を受けていると思ったほうがいい」
「何故?そんな価値は無いぞ。戮丸はそれを防ぐために難民を引き連れてきたんだ」
そんな銀の考えも一笑に付す。ここは付き合いが長いオーメルに利がある。
「それを敵も知っているか?そんな情報収集能力があると期待するか?もしあったとしても、それでも襲撃を受けているだろう。住民も全て退避した訳ではないのだろ?住民が一人でもいれば、どんな悲劇的なすれ違いでも軍勢は来るし、奴は闘う!」
ダンプにも突っ込む男、戮丸。
―――奴の頭は飾りなんだろう。
銀は半信半疑だが、オーメルは指示を飛ばす。
シャロン一人で頑張っているなら旅団の僧侶陣に檄を飛ばし、戮丸救出部隊を編成する。
想定敵はオーガの大群。それを駆逐できるだけの戦力。旅団には当然ある。
精神を破壊された女性に無力でも、駆逐するなら遅れは取らない。
制圧したディクセンと要人の保護、難民も忘れてはいけない。この騒ぎで死者が出たと奴が知れば・・・
「―――生き地獄で済めばいいな」
「そんなに酷いのか?」
「奴はこの世の地獄を熟知している。ゲームでも精神的死亡や社会的死亡。奴は素で人を殺せるんだ・・・いや、死んだほうがマシか?」
それらを加味して可動人員は限界だった。
現状でも旅団全員がケツに火がつけば可能という状況だ。
他にも問題はある。現状で危機感を持てるプレイヤーがいるか?だ。
シャロンにおんぶに抱っこで気が緩んでいるものはいないか?
圧倒的な制圧に終ったと思っている人員はいないか?そんな不安が脳裏を過ぎる。
「判った。サンドクラウンからも人員を出す」
「一人でも死なせたら、それは自分の首と思ってくれ。あいつは無痛死を実現した。それは逆に一番痛い死に方を知っていることを意味する。部屋を血で汚したくない者は気合を入れろ!」
チャットも開放してオーメルは檄を飛ばす。
銀に先行させ、オーメルは編成を練る。パーティーとして東西南北四部隊。シュミレーションゲームで言うところのユニットだ。編成は戦士に猟友会所属の戦士・盗賊・僧侶・魔法使いで、一部隊とする。
戦士二枚の五人パーティを基本とする。ユニットごとに役割分担する方法もあるが、戦場が読めない点と、旅団の基本スタイルであるオールラウンダーによる構成が要点を占めた。
本来であれば、更に僧侶が入る長期戦編成なのだが、人員不足と言うこともありこの形だ。一ユニットで保護できる人数は一人。ガッチガチの保守構成で、負傷者を入れて6人パーティで負傷者が出た時の戦闘陣形が使える。
旅団ではこういった訓練は普段からやっていた。パーティで一人でも行動不能者が出た際は一時撤退し、体勢を整えてから行動に移す。マニュアル化された行動だ。そのマニュアルにより五人体制でも六人の時と同等以上の行動が取れる自信が旅団メンバーにはあるのだ。
鉄砲隊を並べるように陣形を組む・・・と言うのは他所のクランの話で旅団のパーティは・・・その・・・なんと言ったらいいのか?
広いのだ。連携距離と言えばいいのか?
多分想像とは違う。このユニットが敵軍に突っ込むイメージだったろうが、この五人が散り敵を整え、魔法でまとめて焼き尽くす。
ほぼソロプレイの戦闘集団で、町などは最も得意とするフィールドなのだ。
このアタンドットでは魔法が強い。その事は熟知している。だから、その魔法を最大限に効果発揮するように行動するのが旅団式だ。
それ故に旅団の練度の高さは広さで現れる。
調整ミスりました。書く事は決まっているし、話も出来ているのですが、筆が進まないし、上手くかけない。
旅団の基本戦術の意味わかります?
軍隊行動とも違うんですよ。表現力の乏しさががががが
・・・こんなんでラストバトル書けるのか?心配です。