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AT&D.-アタンドット-  作者: そとま ぎすけ
第三章 唯一つ・・・たった一つ・・・
162/162

観測者:スレイ

前書き

3/3 14:30 

歩数20,751 日曜なのでいつもの倍歩いております。距離14.52km

 スーパーで米10kg購入、スーパーまではチャリ


 工場内勤務の時はデフォルトが歩きで 10時間だったから、このレベルで寝落ちするようじゃ仕事になりません。

 スタミナ増強は急務なのです。そりゃ文筆でお金がもらえればそ・・・無理ですし。


 今日の残り時間で予定分書き上げられるかが勝負です。

 心なしか、すんなりタイプできている気がする。


 スレイは観る事に注力した。思い出すと観測するは明確に違う行為だからだ。

 同じ事柄に集中しても同一障害は避けられる。


 実は戮丸から仮説をいくつか聞いている。それは酷い結果だ。


 胸に焦りと悔しさが沸き上がる。これは、一太の感情だ。頭によぎった瞬間に理解する。

 救いなどない事に・・・


 言わば異世界転生だ。これには神様などの力が必要になる。

 そんなものはない。

 だから、現状のロジックに対しての仮説から生まれた推論だ。


 彼らは転生などしていない。


 モンスターは作れる、しかし動物や人物のような反応を再現するには記憶が必要になる。


 実際、ガルドなどは本人了承の上、コピーを作っている訳だ。現地人の多くはこの手法で作られている。当然、記憶があると不具合が出るので消している。


 ここまで言えばもうわかるだろう。NPCの現地人までは記憶を消している。




 モンスターは?


「絶対に許されることじゃない!!」

スレイと一太の精神は共鳴する。


 沸き上がる怒りが抑えられない。ゲームを楽しんでいた。淡い恋心、高校生活。それが、ゲームのモンスターを用意するために。


消費された!!!


スレイは短剣を抜き放ち足に叩きつけた。短剣はゴツとした衝撃を感じただけ、ねじ込むと太腿に大ぶりの短剣が突き刺さったにふさわしい痛みが襲う。

無理やり精神を引きはがしたのだ


バキッ


よほどの力で刺したのだろう。太腿を貫通し、畳んだ脹脛まで達していた。

見るからに痛そうだが、一太には痛みがない。痛いという情報が流れ込んでくる。

その差は微細な物だったが、魂に刻み込むまでに違うものだった。


「ズレイッ!」

 二人は驚きを隠せなかった。


「こんな短時間で覚えたのか!?」

 覚えたというよりは体のバイパスがつながったというほうが近い。共に日本人で、日本語で思考していたのが大きいだろう。

 ゴブリンの言語野を無視して音を出す感覚を体が思い出した?のか?


 一太がスレイの足から短剣を引き抜く。痛みはあったが二人には可能な限り痛みを少なく抜くことが出来た。

 この魔法は危険だ。意思疎通ができるのであれば、一刻も早く影響範囲外に退避せねば・・・

 スレイはこの魔法を使うのは二度目である。一度目の時は敵意が無くだましてもいない、というイメージを叩きつけて交渉終了とした。

 一太は現代人の感覚が完璧に残っているオリジン、一方、生のドブネズミを美味しそうに頬張るゴブリン。

 反射的に逃げ出した。スレイが生理的に受け付けないのは当然としても、ゴブリンも同様に受け付けないのは興味深かった。


 一太はスレイに肩を貸すが、大人と子供くらいの身長差に手を取る程度の意味しかない。だが、気持ちがうれしかった。


 確かにスレイは一太を助ける術を持ち合わせていない。

 だが、スレイには気持ちがある。その事は一太も熟知している、どちらの感情かわからないくらいの強烈な怒り。

 

 怯え震え、ただ、恐怖に押されて戮丸を焼き払った。

 判断ミスと思い込みで何の対策もなく仲間を死地に追い込んだ。ゴールドドラゴン討伐戦。

 そして、ダイオプサイトの落下死を見送る事しかできなかった。救出行。


 結局、戮丸が飛び込んで、死体を回収し、蘇生に成功となったが、戮丸の愛刀は折れてしまった。


 ミスリル削り出しの銘品だったが、エリアオーバーの次元向こうに落ちたダイオプサイトを回収するためにエリアの境界を切り裂いて死体の一部を回収。それを触媒にオーメルが死体回収魔法を行使という流れだ。


 スレイは一度として誰かを助けたことが無い。どころか、こじらせてばっかりだ。


 だから、憧れがしこりになって残り続ける。


 だから信じられた。

 何をもって助けるのか?

 助かる理由がない。


 幻影にすぎない自分たちを救う術などある筈がない。

 居ないのだ。柿崎一太だと思い込んだ愚かなゴブリンを救う方法は無いんだ。

 

 首を斬るのが唯一の救いと言われれば思わずうなずきそうになる。


 それじゃ嫌なんだ!


 何にもない。

 無価値。

 無意味。

 全部どうでもいい。


 ペテン。

 辻褄合わせ。

 それではダメだ。


 立派な物ではないかもしれない。

 それでいい。

 それがいい。

 それじゃなきゃダメなんだ!!!


 アレがいい!

 アレが欲しい!!


 力が欲しいッ!!!


 あの状態からシャロンを笑わせたペテンをよこせ!!!


 二人の精神のハウリングが致命に至る。間に合っただろうか。


 二人の精神はもう繋がってない。


 目には滂沱の涙。

 止まる気配がない。



「おいおい。みっともねえな。大の男が二人して」

「そんなにいい事でもあったのかい?」

「涙が止まらない?出ねぇよりましだ」

「こっぴどくやられたな」




「まぁ、いいか」



「じゃあ、回収だ・・・・」





「身内二人を泣かされた代価をだよ・・・」


『タダで済むと思うなッ!』



『起きろッ!!!」



 ビクンと震えると二人の目に意志の光が宿る。

 こんな言葉はない。

 が、

 こんなイメージしかない。


 子供が死ねば弔ってはくれるだろう。

 だが、ぼんくらがめそめそ泣きながら死ぬのを戮丸は絶対に許さない。

 身内なら、なおの事。


「どうやら僕らはリジェネが組み込んであるらしい」

 スレイの言葉に一太が笑う。


 枯れるように生命活動を止めてしまう死に方は戮丸は絶対に許さない。

 それだけは間違いないのがわかる。




あとがき

 寝落ち!しませんでした。

 ただ、おかしい。予定じゃスレイが戮丸に怯えて逃げまくるギャグ回のはすが・・・

 どうなってるんだろ?まぁいいや、あとでやろ。かなり記憶が風化しているのが怖いが。


 タイピング調子いいです。

 ゆかりさんにも稼働していただきました。


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