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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。

XとP

作者: あすとろなうと
掲載日:2025/10/18



この道は自転車が多い。しかも道幅も狭いときた。そうなれば何が起こるのかは想像に難くないわけで。

無言でXの手を取り引き寄せる。

明日からも毎日ずっと、手を繋ごう。






車内アナウンスが流れた。Xの最寄駅に着くらしい。他愛のない会話を徐々に転換させる。

「このままXを持ち帰っちゃおうかな〜」

電車がホームに止まる。

「えぇー帰らないと…」

ドアが開く。

「冗談!じゃあね!気をつけてね〜!」

寂寥を滲ませぬよう、気をつける。






強い日差しが射す駅のホーム。

「好きだよ」

そのつぶやきは電車の音でかき消される。

聞こえなくても、それでいい。






Pは抱きしめながら言った。

「ねえX、好きだよ。」

Xは背伸びをして普段よりも小さく、高い声で囁く。

「私もだよ」

一つになっていた体が離れる。






いつのまにか変化した手の繋ぎ方。気付いてしまった時、心の笑みが漏れた、ような気がする。






自分は今、どんな顔をしているだろう。

「このままお持ち帰りしちゃおうかな?」

もう6時だ。来るわけない。家の掃除もしていないし、呼べるわけない。

「いいよ〜?」

もちろん冗談。Xもそれをわかっているから、こんなことを言う。

「んふふ、嬉しい」

この気持ちは隠せているだろうか。こんな行動をしている時点でバレているのではないだろうか。

「じゃあ、気をつけてね」

自分は今、どんな顔をしているだろう。全部バレないでほしい。でも、少しくらい伝わればいい。






宿泊行事。若い2人が一つの部屋で何も起こらないなんてことは……


あった。


でも、

「好きだよ。大好き。」

なぜ、こんなことになっているんだろう。

「うん。」

Xは微笑みながら、膝の上にあるPの頭を撫でる。






冬の寒い日、乾燥して寒い風が唸るように吹いている。決して恋人ではないが、恋人繋ぎで隣を歩くXは万年タイツを履かない主義ゆえ、実に寒そうだ。

「こっちきて」

「?」

Xと左右を入れ替え、反対の手をポケットから出し、手を繋ぐ。

「カイロ、持ってるの。あったかいでしょ?」






Xが突然肩を預けてくる。

「どうしたの」

愛おしい。顔は見えないし何を考えているのかわからないが、そのままだと辛そうなのでXの方に少し体を向ける。

「なんでもないよ」

Xは起き上がってもとの態勢に戻る。先程まで埋まっていた肩が空いて、寂しい。

今度はPが甘える。少し姿勢は悪いが、Xの方に合わせるために体を下に滑らせる。

「ねえ____」

「うん?」

「なんでもないよ」

もうすぐXの最寄駅だ。






Xのいなくなった角の座席に移る。さっきまでそこにいた、Xの温もりを感じる。



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