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悠久の星紋剣士  作者: 蒼野 レイジ
星喰いの策略
31/69

ヴァルネア村での激闘


星喰いの群れが際限なく押し寄せる中、星の光で構成された大隊の各隊は一切の乱れを見せることなく、揺るぎない連携で前線を押し上げていた。


薄暗い夕方の光が戦場をかすかに照らし出し、空気には次第に夜の冷たさが混じり始めていた。


星喰いの咆哮や金属のような足音が戦場に響き渡るたび、討伐者たちの集中力がさらに研ぎ澄まされていく。その武器が振り抜かれるたび、星紋術の輝きが闇に染まりかけた空を切り裂き、一瞬だけ光の筋が浮かび上がった。


やがて、遠くの空に連合大隊が放つ星紋術の花火が炸裂した。


夕闇に溶け込む空を背景に、青や金、赤の光が交錯し、闇に包まれ始めた戦場を鮮やかに照らし出す。その輝きは、まるで夜空に咲いた巨大な花のようで、一瞬だけ戦場を幻想的なものに変えた。


しかし、この光景に見とれる者は一人としていない。

この花火は、星の光が最前線での役目を終え、次に連合大隊が戦いを引き継ぐ合図だった。


「後は任せてください。皆さんが押し上げた前線、無駄にはしません。」


連合大隊の隊長が静かに言葉を放つ。

その声には確かな自信が込められており、前線を押し上げた星の光の戦士たちへの深い敬意が感じられた。


星の光の討伐者たちは確かに疲労を感じていた。

彼らの鎧には無数の傷が付き、星喰いの体液が至る所に染み付いている。


それでも、その顔に浮かぶのは達成感と揺るぎない覚悟だった。

冷え込み始めた空気の中、彼らの息が白く霧のように立ち上るが、その視線にはまだ確固たる意志が宿っている。


一歩、一歩、確実に勝利を掴むために全員が動いていた。

その統率された動きと余力を残した様子は、単なる鍛錬だけでは到達できない熟練の証であり、仲間を信じ合う絆そのものだった。


連合大隊の討伐者たちが新たに最前線へ進み出る中、星の光の部隊は徐々に後方へと下がっていく。



夕闇がさらに濃くなり、戦場の景色は陰影を増していく中、彼らの歩みには任務を果たした満足感と、次の激戦に向けた冷静な判断力が漂っていた。


しかし、撤退ではなく後方での再編成という事実が、まだこの戦いが終わっていないことを物語っていた。


「次に備えて装備の手入れをしろ。マナの残量も確認だ。」


リーダーの一声で部隊員たちがすぐさま動き出す。

その姿に、連合大隊の若手たちは感嘆の声を漏らしていた。


「信じられない……あれほど戦った後だというのに、疲労を見せないどころか、次への準備をもう始めている。」


「これが星の光の精鋭か……俺たちも負けていられないな。」


それを聞いたベテラン討伐者が静かに微笑み、彼らを叱咤激励するように背中を軽く叩く。


「星の光の背中を追いかけるだけではなく、超えるつもりで進むんだ。そうでなければ、戦場は生き残れないぞ。」



星紋術の花火が次第にその光を薄め、消え去ると同時に夜の闇が再び戦場を支配し始めた。


薄暗さを増した戦場においても、星の光の各隊の動きは変わらない。

その背中は、次に控える激闘のために確実に準備を進めており、これから来る新たな試練に挑む覚悟が静かに燃えていた。



星の光の大隊は、一時の休息を得ることが許され、遊撃部隊への転換が命じられた。


各隊に戦力として加えられるのは、学園の術士特化型生徒たち10名。

レヴァンが所属する第4部隊に加えられたのは、ランキング上位に名を連ねるその生徒、エリス・ミスティアであった。


星紋術を自在に操る実力者であり、その若さにも関わらず鋭い眼差しで全体を見渡していた。


エリス・ミスティア

属性:霧

使用武器:短杖(たんじょう)

学園ランキング:9位

特徴:「霧」を操る星紋術の使い手。霧の特性を活かして視界を遮ったり、形を変えて攻撃や防御を行う、多様な戦術を得意とする。良い家柄らしいが、どこの国出身でどんな家柄なのか、学園上層部以外に知る者はいない。前回の襲撃時は防衛にあたっていたが、今回は家柄に捉われず(みずか)ら志願。


「あなたが二属性使いのレヴァンですね。50名に選ばれるとは流石です。皆さん、エリス・ミスティアです。霧を操り、遠距離からの攻撃が得意です。よろしくお願いします。」


エリスが軽く頭を下げ、レヴァンたちに挨拶をした。


「あぁ。君こそ、学園からこの遊撃隊に選ばれているじゃないか。よろしく。」


レヴァンは疲労もあったが、笑顔で返答する。


「実力は疑わない。頼りにしている。」


エディンが大きな斧を肩に担ぎながら微笑むと、エリスは小さく頷いた。

だが、その眼差しの奥には、ただの生徒に収まらない覚悟が宿っていた。



翌朝、まだ太陽が低い位置にある中、星の光の拠点には一層冷たく張り詰めた空気が漂っていた。


夜通し続いた戦いの報告が次々と届き、討伐者たちは短い休息を挟みながら次の動きに備えていた。

その静寂を破るように、荒い息遣いを伴いながら伝令の者が走り込んできた。


彼の鎧には泥と血が混ざり合った跡が散り、顔は疲労と焦燥で歪んでいる。

その目が告げるものはただ一つ、戦況の急激な悪化だった。集まった各部隊の間にざわめきが広がり、伝令の口から告げられる言葉に誰もが耳を傾けた。


「連合大隊が押し上げた前線で、星喰いの動きが突如変化しました!隊列の隙を狙い、意図的な戦術を展開しています。それにより、ヴァルネア村に一番接近していた第七部隊が壊滅……さらに、指揮を執る特異個体が前線の各所に複数出現したとのことです!」


伝令の声は震えながらも、事実を正確に伝えるべく力強く響いた。


その言葉を受け、討伐者たちの中に緊張の色が浮かぶ。

星喰いが単なる獣の本能で動いているだけではなく、明確な目的を持って戦術を展開する


――その恐怖が全員の胸を掴んだ。


グラハム支部長が、伝令を遮るように一歩前に出た。

その視線は鋭く冷静で、まるですべてを見通しているかのようだった。


「まず、前線の維持が最優先だ。」


その低い声は拠点全体に響き渡り、各隊の動揺を沈めるかのようだった。


「被害が大きい戦場へ第1、3、7、8、10の5部隊を送る。その力で状況を一変させてこい。第4部隊、お前たちはヴァルネア村へ急行しろ。特異個体の有無を確認し、討伐の可能性を探れ。残りの4部隊は、いつでも動けるようこの場で待機。」


その命令が下されると、第4部隊のメンバーたちは即座に行動を開始した。躊躇は一切ない。

彼らはすでに任務の重みを理解し、それを遂行する覚悟を決めていた。



ヴァルネア村へ向かう道中、レヴァンは星の光の拠点へ派遣された伝令の言葉を何度も思い返していた。


「ヴァルネア村までの戦闘は、連合大隊が引き受けてくれる。手練れの揃った連合第7部隊が村の近くで壊滅した。状況は極めて厳しいが、残った連合大隊の部隊が前線を支える。すまないが、後はあなた達に頼む。」


その言葉には深い信頼と、戦友を失った悔しさが込められていた。

レヴァンは彼らが戦場で守るべきものの重さを背負いながら、歩みを進めていく。


道中、空の遠くには星紋術による閃光が何度も瞬き、地響きのような轟音が微かに響いていた。


それは連合大隊が前線で星喰いと激しい戦闘を繰り広げている証だった。

隊員たちはその光景を見上げながら、自分たちが向かう先に何が待ち受けているのか、緊張と覚悟を胸に秘めていた。


「俺たちが村を調査し、特異個体の有無を確認する。その間、前線は連合大隊が持ちこたえてくれるだろう。」


ヴァロックの言葉は静かだったが、その声には決意が宿っていた。

他の隊員たちも黙って頷き、武器を握り直した。



そして、ヴァルネア村に到着した第4部隊を待ち受けていたのは、戦場の凄惨(せいさん)な現実だった。


焼け落ちた家々の黒い骨組みが、空に向かって伸びるかのように立ち並び、その間に生活用品や壊れた家具が散乱している。かつて人々が暮らしていた痕跡はあるものの、生存者の気配は全く感じられない。


「……ここは地獄だ。」


エディンが低く呟く。

その声は、広がる惨状を目の当たりにした動揺を隠し切れないものであった。


地面には灰と血が混じり合い、風に乗って漂う焦げた匂いが隊員たちの鼻を突き刺す。

冷たい空気が肌に触れるたびに、彼らの胸に何とも言えない寒気を呼び起こしていく。


「警戒を怠らないで……ここは既に奴らの縄張りよ。」


サリアが静かに言葉を発すると、部隊全員が緊張感を高めた。



その時、不意に低い咆哮がどこからともなく響き渡った。

その音は重く、腹の底を震わせるような威圧感を伴っていた。


「来るぞ!」


ヴァロックが鋭く叫び、戦闘態勢を整える。


次の瞬間、星喰いの群れが四方から飛び出してきた。

焼け跡から滑り出るように現れ、その赤い瞳がぎらつく光を放ちながらレヴァンたちを取り囲んだ。


まるで待ち伏せしていたかのようだった。

星喰いの配置は明らかに戦術的で、村の地形を利用して隊員たちの動きを封じ込めようとしている。


「数が多い……!」


サリアが驚愕の表情を浮かべながら声を上げる。

その視線の先には、まるで意志を持つかのように群れを誘導している星喰いの姿があった。


「分散するな!陣形を維持して戦うぞ!」


ヴァロックの指示が響き、隊員たちは即座に陣形を整えた。

それぞれが武器を構え、迫り来る敵に備える。


ヴァロックとエディンは、その場で槍と斧を大きく振りかざし、星喰いを次々と撃破していた。

血飛沫が舞う中、さらに別の星喰いが迫ってくるが、ヴァロックとエディンはその動きにひるむことなく武器を振るい続けた。


一方、サリアは二振りの短剣を構えながら、星紋術を発動する。

彼女の前方に浮かび上がった氷の槍が敵を貫き、次々と星喰いを倒している。


「ここで突破口を作る!」


レヴァンは叫びながら剣を振り、風と火の力を解き放つ。

その攻撃で星喰いの一部を焼き払いながらも、敵の数は衰える気配を見せない。


アリーナとエリスも後方から水と霧の星紋術で前衛を支援しながら攻撃を行っている。


「この数…異常だわ……」


「厄介ですね。敵の後方に霧を発生させます!」


「お願い!この敵の勢いを何とかしないと。」


戦況が徐々に激しさを増していく中、エリスが敵の後方に霧を発生させる。


視界を奪われた後方の星喰いの勢いは削がれたものの、数に変わりはない。

第4部隊は各自の力を振り絞りながら、目の前の敵に立ち向かっていった。


その先に待つのはさらなる危機か、それともわずかな希望か...

――彼らは決して足を止めることはなかった。



星喰いの群れは単に襲いかかるのではなく、意図的に隊列を分断する動きを続けていた。

それぞれ狙いを定めた隊員に複数の星喰いが向かい、各個撃破を狙っているのが明らかだった。


「こいつら……狡猾(こうかつ)だ!」


エディンが斧を振り下ろしながら叫ぶ。

その一撃で星喰いの一体を仕留めるが、さらに二体がすぐに隙を突いて彼に襲いかかった。


エディンは持ち前の力強さで応戦するが、その目には慎重さが(にじ)んでいる。


レヴァンは炎の星紋術の一撃で突破口を作ろうとしたが、星喰いの動きは予想以上に早く、攻撃が空を切る場面もあった。


この状況を打破しようとヴァロックが指示を出す。


「レヴァン、俺が雷でここを一掃する。ただ、マナを練り上げるのに少し時間がかかる。その間、後ろに下がる俺を風で守ってくれ。サリア、お前は俺と前衛を交代して、レヴァンとエディンの3人で食い止めろ。後衛の二人は、少しでも敵を倒して前衛の負担を減らしてくれ。」


「「了解!」」


ヴァロックの指示に全員が即答し、動き始める。

陣形を組み替えるため、ヴァロックとサリアが迅速に位置を入れ替えた。


その直後、星喰いの群れが入れ替わりの隙を見て一気に動きを変えてきた。


サリアに対して、敵が数を割いて来たのであった。

同時に、最初から待っていたかのように部隊を囲い込み、包囲する。


「まずい、分断される!」


サリアが鋭く声を上げた瞬間、群れの一部がサリアに狙いを定め、一斉に攻撃を仕掛けてきた。

その動きはまるで、サリアを囲い込むように移動しながら部隊から引き離し、追い詰めていく。


「サリア!くっ......」


エディンも複数の敵の素早い連携攻撃に苦戦しており、助けに入れない。

さらに部隊の後方にも敵が出現していた。


「この数、そしてこの動き……エディン、エリス、前方を頼む!後方に出現した敵は、俺とアリーナが抑える。レヴァン、サリアの救援を!囲まれた今、お前の機動力が頼りだ!」


ヴァロックの冷静な指示が、混乱に陥りかけていた第4部隊の心を引き締めた。

その額には冷や汗が滲んでいたが、彼の声には揺るぎない信頼感が込められていた。


「「了解!」」


全員が即座に応答し、それぞれの役割を担うべく素早く動き出した。

星喰いたちの包囲網はなおも狭まり続け、戦場の緊張感は頂点に達していた。



前方の戦い:エディンとエリス


エディンは巨体を活かし、巨大な斧を振りかざすたびに前方の星喰いたちを豪快に薙ぎ払った。


敵の群れを前にしても、彼の動きは一切鈍ることがない。その斧が振り下ろされるたび、周囲に金属音と血の飛沫が響き渡り、敵の数を確実に減らしていく。


「エリス、右から回り込むぞ!」


エディンの声に応じ、エリスは俊敏な動きで敵の間を駆け抜ける。

手に持った短杖(たんじょう)から星紋術の光が輝き、霧の槍が複数の敵を貫いた。彼女の攻撃は、エディンの強力な攻撃を補完する形で、戦場を的確に制圧していった。


二人の連携は絶妙で、星喰いたちの激しい攻勢を前方で完全に押し留めていた。


「これならいけますね!」


「あぁ、本当に助かる!!」



後方の戦い:ヴァロックとアリーナ


後方では、ヴァロックが星喰いの激しい攻撃に耐えながら雷の星紋術を練り上げる準備を進めていた。


その額には汗が滲み、手元で星紋術の光が静かに脈動を始めている。


「アリーナ、少しだけ時間を稼いでくれ!雷の一撃で形勢を変える!」


ヴァロックの声は落ち着いていたが、その背後で準備を進める姿は緊張感に満ちていた。


「わかったわ!任せて!」


アリーナは覚悟を決め、星喰いの群れに立ち向かった。

身の丈ほどの長い杖を構える彼女の姿は頼もしく、その瞳には決意が宿っていた。


彼女の長杖(ちょうじょう)から繰り出される水の刃は、星紋術の煌めきを纏い、星喰いを次々と切り裂いていった。


刃が放たれるたび、まるで水晶のように輝く軌跡が空間を切り裂き、敵に深々と食い込んでいく。

その動きは舞踏のごとく流麗で、彼女の集中力と技巧が戦場で光を放っていた。


「ここは抜かせない!」


アリーナは叫びながら長杖(ちょうじょう)を振り、水の刃を連続で繰り出す。


星喰いたちが押し寄せる中、その鋭い刃は正確に敵の急所を捉え、次々と撃退していく。

しかし、星喰いの群れは執拗で、次々と新たな個体が現れ、彼女を圧倒しようとしていた。


水の刃が無数に敵を切り裂き、しぶきとなって地面に消える。

しかし、そのたびにマナの消耗が彼女の身体に負担をかけていく。


「もう少し……時間を稼げれば……!」


アリーナは自分に言い聞かせるように呟きながら、長杖(ちょうじょう)を握る手に力を込めた。


次第に星喰いの数が増し、攻撃も熾烈さを増してくる。

彼女の周囲には水の刃で切り伏せた星喰いの残骸が積み重なるが、それでも彼らは攻撃の手を緩めない。


星喰いの群れがさらに押し寄せる中、アリーナは杖を高く掲げた。


流転(るてん)(やいば)!」


彼女が呟くと、水の刃が一度に五つ生まれ、それぞれの軌道を描きながら敵へ向かった。

その一撃が周囲の星喰いを怯ませると同時に、彼女はさらに間合いを詰めて次の攻撃の準備を進める。


「アリーナ、耐えてくれ!もう少しで準備が整う!」


背後でヴァロックが星紋術を練り上げながら叫んだ。

その声に応じて、アリーナは口元を引き結び、杖を振り続ける。


水の刃は次々と星喰いを追い詰めていくが、その鋭い一撃一撃にアリーナの体力とマナが削られていく。


しかし、彼女はその場を離れることなく、後方を守り抜く孤高の砦として仲間たちに希望の光を送り続けた。



サリア救援の戦い:レヴァン


レヴァンは指示通りサリアの救援に向かっていた。


星喰いの包囲網を突破するたびに、剣の火炎が輝き、敵を薙ぎ払っていく。

彼の機動力は敵の連携を乱し、包囲の隙間を切り裂くように前進を続けていた。


(風の加護のおかげで、危機的状況は回避できている。これなら...)


「サリア、もう少し耐えてくれ!今助ける!」


レヴァンの声が戦場の喧騒の中に響き渡る。

彼の動きには迷いがなく、燃え盛る剣の光が、仲間を救うという彼の強い意志を物語っていた。



こうして、第4部隊はそれぞれの戦場で全員が一丸となり、星喰いたちの包囲網を崩しつつあった。

戦いの行方は、レヴァンがサリアを救い、戦線を再編できるかどうかにかかっていた。



サリアの戦い

サリアは持ち前の剣技と氷の星紋術で懸命に応戦したものの、敵の数があまりにも多く、完全に対処しきれなくなっていた。


今は、星紋術を発動するためのマナを練り上げる余裕さえ許されない状況に追い込まれている。


「完全に分断されたわね。このままだと……!」


焦りを感じたサリアの耳に、レヴァンの叫び声が響いた。


「サリア、今助ける!後退して俺の後ろに!」


星喰いの攻撃に追い詰められていたサリアだったが、レヴァンが救援に来てくれたことで危機を脱した。彼の剣が勢いよく振り下ろされるその姿には、今この瞬間にできるすべてを尽くそうという決意が宿っていた。



戦場の過酷さはすでに極限に達し、誰もが自らの限界を超える覚悟を迫られていた。



レヴァンの剣は鮮やかな軌跡を描き、星喰いの一体を真っ二つにした。

しかし、次から次へと湧き出る敵は止まる気配を見せず、周囲の空気が緊張の糸をさらに張り詰めていく。


「サリア、大丈夫か!」


レヴァンが振り返りながら叫ぶと、サリアが息を切らしながら立ち上がる姿が目に入った。

彼女の顔にはわずかな焦りと苦痛が滲んでいたが、その瞳はまだ闘志を失っていない。


「平気よ、まだやれるわ!」


サリアが剣を再び構えると、その背後でヴァロックが雷のマナを練り上げているのが見えた。

彼の周囲には微かな電流が漂い、地面に散らばった瓦礫が静かに震えている。


「レヴァン、そっちももう少し耐えてくれ!俺の雷で一気に片付ける!」


遠くから聞こえるヴァロックの声に、レヴァンは軽く頷いた。


剣を握る手に力を込めると、足元に風が渦巻き始める。

火と風、二つの属性が剣の刃に宿り、その輝きが薄暗い村の中で鮮烈に光を放つ。


「これ以上、誰もやらせない……!」


レヴァンは自分に言い聞かせるように呟き、次の一撃に全身全霊を込めた。


その剣閃が放たれるたびに、星喰いたちの猛攻が一瞬だけ止まる。

しかし、その隙間からさらに大きな個体が迫り来る。


突然、村の奥から低い震動が響いてきた。

それは、地鳴りのように重く、不吉な音だった。星喰いの群れも一瞬動きを止めたかのように感じられる異様な気配が広がる。


「なに、今の音……?」


サリアが周囲を見回しながら呟いた瞬間、瓦礫の山の向こう側から新たな星喰いが姿を現した。


それは通常の星喰いとは異なる異様な形状を持ち、全身から濃密な気配を放っている。


「嫌な予感がする……ただの星喰いじゃない!」


レヴァンが警戒を強める中、後方でヴァロックの雷がようやく完成する。

雷光が一閃し、敵の大部分を吹き飛ばすと同時に、レヴァンはサリアの元に駆け寄った。


レヴァンがサリアに声をかける。


「部隊と少し離れてしまったが、大丈夫だ。急いで後退しよう。」


しかし、ヴァロックの雷で一掃された空間を埋めるかの如く、どこかに控えていた星喰いの群れが押し寄せてきた。



星喰いの咆哮が村全体に響き渡る。


息が切れる間もなく、レヴァンは見事な剣技で敵を斬り伏せていった。

サリアはその姿を見て、わずかに安堵の表情を浮かべたが、状況が好転する気配は一切なかった。


「レヴァン!」


サリアが振り返り叫ぶ。正面後方から再び群れが押し寄せてきたのだ。


レヴァンは無言で剣を振り上げ、咄嗟にサリアの横に飛び込むようにして、その一撃で迫り来る星喰いを斬り伏せた。


血と肉片が空中に飛び散り、足元に重い音を立てて落ちる。


「まだ、戦えるか?」

消耗が激しい彼女にレヴァンが確認する。


「ええ……でも敵が多すぎる。これじゃ部隊との合流が――」


彼女が言葉を続ける間もなく、星喰いの群れが四方から殺到し始める。


その動きには明らかに目的があり、まるで二人を部隊からさらに切り離すような動きをしていた。


「囲まれている……いや、完全に分断されてしまった!」


レヴァンはすぐに状況を理解した。

星喰いたちは、二人を狙って巧妙に配置を変え、既に他の仲間との間に深い隔たりを作り出していた。


「くそっ、サリア、こっちだ!」


レヴァンはサリアと共に、敵の少ない方向へと走り出す。


しかし、その背後から新たな星喰いが立ちはだかり、鋭い爪を振りかざしてきた。

レヴァンは剣を振り上げて防ぎ、その衝撃で足元が崩れる瓦礫を踏み越えながら必死で進む。


「部隊は……!?」


「もう見えないわ!」


サリアの言葉に、レヴァンは振り返るが、仲間の姿はすでに星喰いの群れの向こう側に消えていた。

敵の動きは完全に計算されており、彼らを孤立させるための策だと確信できた。


「まずいな……」


レヴァンは焦燥を押し殺しながら周囲を見渡した。

瓦礫の影からも、新たな星喰いが次々と現れる。前方も後方も塞がれ、撤退する道が完全に断たれていた。


「レヴァン、ここで食い止めるしかない!私も星の光の精鋭の一人、背中は任せて。」


サリアが二振りの短剣を構え、背中合わせに立つ。

その表情は疲労に満ちていたが、目には強い決意が宿っている。


「分かった。ここで持ちこたえれば、部隊も気づいて戻ってくるはずだ。」


レヴァンは剣を両手で握り直し、自身の内側に宿る風と火の力を呼び覚ます。

周囲に微かな風が渦を巻き始め、刃に炎の輝きが灯る。


「来い、何匹でも相手をしてやる!」


レヴァンの叫びが空間に響き渡ると、星喰いたちは咆哮とともに一斉に襲いかかってきた。

その数の圧倒的な多さに、戦場の空気は一層緊張感を増した。


分断された二人の孤独な戦いが、極限の熾烈さを伴い、今まさに幕を開けた。


レヴァンは剣を振り下ろし、その刃が炎を纏うたびに、闇を裂くような閃光が走る。


一振りごとに炎の軌跡が空中を描き、それは敵に焼けつくような痛みを与えるだけでなく、戦場の冷たい雰囲気さえも暖かく染め上げていく。彼の動きには迷いがなく、燃え盛る剣の輝きが彼自身の決意と覚悟を物語っていた。



一方でサリアは、その冷静さを保ちながらも圧倒される星喰いたちを巧みに翻弄していた。


彼女の剣が描く弧の先には、凍てつく氷の結晶が舞い散り、敵の動きを確実に鈍らせる。

氷の力が星喰いの足元を絡め取るたびに、彼女は次の一撃を放ち、確実に敵を仕留めていく。その姿はまるで、嵐の中に咲く一輪の花のようであり、美しさと鋭さを併せ持っていた。


孤立した時とは違い、レヴァンがいることで星紋術が使える彼女には余裕が戻っていた。


二人の攻撃は、炎と氷という対極の力が絶妙に絡み合い、戦場に幻想的な光景を生み出していた。

その光は、絶望に沈む闇の中に希望の灯火をともすようで、まるで部隊に向けた信号のように瞬いていた。


敵の数は減るどころかさらに押し寄せてくるが、それでも二人は決して引かない。


彼らの戦いは、孤立無援の状況でありながらも、第4部隊に届く光のようだった。

それは、まだ戦いの炎が完全に消えていないことを証明するかのように、この村でひときわ鮮やかに輝いていた。



――だが、それがどれほど長く続くかは、誰にも分からなかった。




戦闘による粉塵に覆われた瓦礫の中、異様な影が揺らめいた。

レヴァンとサリアの視界の先、崩れた建物の奥から現れたのは、星喰いの特異個体だった。


その姿は、人型に近いが明らかに異形だった。


頭部からは左右にねじれた角が伸びており、その形状はまるで悪夢の具現化のように禍々しい。

肌は漆黒で艶やかな質感を持ち、ところどころに模様が浮かび上がっている。


筋肉質な体躯は人間の限界を超えており、まるで鋼鉄の彫刻のように力強い。

長い脚は地面を踏みしめるたびに深い跡を残し、そのたくましい腕は武器を持たずとも、その拳一つで破壊をもたらしそうな迫力があった。


しかし、最も異様だったのはその目だ。金色に輝く双眸が鋭く彼らを見据え、その光は威圧感と冷徹な知性を宿していた。


さらに、額にはもう一つの目が縦に開かれており、そこからは常に淡い光が放たれている。

その目がただの飾りではなく、何かを見通すかのように動く様子に、見た者の心が引き裂かれるような不快感を覚える。


「……これが、星喰いの特異個体……」


サリアが小さく呟く。その声は普段の冷静さを失い、わずかに震えていた。


「行くぞ、サリア!こいつを倒せば敵の指揮が乱れる!」


レヴァンが声を張り上げ、目の前の恐怖を振り払うように剣を握り直す。


「ええ、分かってる!」


サリアもまた、すぐに気持ちを切り替え、レヴァンの背中に続いた。



「人類は本当に……愚かだな。」

その冷たい言葉が響いた瞬間、レヴァンとサリアの全身に悪寒が走る。


「炎弾!」


レヴァンは咄嗟に火属性の星紋術を放つが、特異個体はそれに強い抵抗力を持っており、術の効果は薄い。


それどころか、逆に圧倒的な速さと力で手刀による反撃を受けた。


「ぐっ……!」


レヴァンの肩口に鋭い一撃が入り、深い傷が刻まれた。

溢れる血が鎧を濡らし、痛みが全身を襲う中でも、レヴァンの目は決して諦めの色を見せなかった。


「レヴァン!」


サリアはすぐさま双剣を構え直し、レヴァンの援護に入るべく動き出した。


足元には氷の星紋術を展開し、特異個体の足を一瞬だけ止める。

そして、双剣を使った剣技を華麗に繰り出しながら、氷の力を伴う一閃を敵に叩き込む。


氷の破片が舞い散り、その姿はまるで精霊が舞うかのように美しかった。


「これで……決める!」


サリアは続けざまにもう一撃、星紋術の力を込めた斬撃を放つ。

しかし、特異個体は冷笑を浮かべ、巨大な拳を振り上げた。


「無駄だ。」


特異個体の拳がサリアの防御を破るかのように直撃し、その衝撃で彼女の体が後方に大きく弾き飛ばされる。


「サリア!」


レヴァンが叫びながら手を伸ばすが、彼女は地面に崩れ落ちた。

双剣は力なく地面に落ち、サリアは息を切らしながらも動けなくなっていた。


「くっ……まだ……戦える……」


彼女の声は微かに震え、体が思うように動かない中でも戦意を失ってはいなかった。

しかし、敵の冷たい視線が彼女に注がれる中、状況は絶望的に思えた。


「時間を稼ぐ……その間に……何とか……逃げなさい、レヴァン。」


サリアの瞳に宿る微かな光を見て、レヴァンは剣を握り直した。

彼にはもう、迷う余裕も、立ち止まる選択肢も残されていなかった。



「まだだ……俺は絶対に見捨てない!サリア、少しでいい。時間を稼いでくれ。」


レヴァンは血を流しながらも立ち続け、彼女に詠唱の時間稼ぎを頼む。


「??..もう......あなたに..賭けるしかないわね。残りのすべてのマナを...注ぎ込む。」


サリアはかすれた声で疑問を抱きながらも、氷の星紋術を発動する。

空気が一気に冷たく凍り付き、戦場が静寂に包まれる。


次の瞬間、特異個体と周りの敵の足元から淡い青白い光が広がり、氷の花が咲き誇った。


その美しさはまるで夜空に浮かぶ星々のようで、見る者の目を奪う。

花びらがゆっくりと舞い上がり、敵の周囲に次々と氷の花が咲き始める。それらは無数に増殖し、やがて敵を取り囲むように踊る。


花びらが舞うたび、空気中の水分が凍り付き、冷気が濃密な結界を形成していく。

その中で、敵は徐々に動きを奪われていく。


霜花氷柱(そうかひょうちゅう)――!」


咲き誇った氷の花たちが一斉に硬化し、鋭利な氷柱へと姿を変える。

その瞬間、全ての音が消えたかのような静寂が訪れた。


そして――。

氷柱が一斉に爆裂するように崩れ落ちる。


その破片は無数の細かな光の粒となり、周囲に霜の霧を纏いながら消えていく。

敵は完全に凍り付き、その姿は氷の中に封じ込められたまま崩壊した。


術が収束した後、戦場には冷気の残滓が漂い、散りゆく氷の光がわずかに輝いていた。

それは破壊の中にも、残酷な美しさを感じさせる光景だった。


「雑魚は倒せても...やっぱり..あいつは凍った......ままね。でも、長く......は、持たない...」


サリアが全力で放った大規模星紋術でも、目の前の特異個体の足止めが精いっぱいであった。


「十分だ、後は任せてくれ。」


レヴァンは限界を迎えているサリアに礼をいい、静かに詠唱を始める。


「果てなき空を駆ける風よ、レヴァンの名のもとに、その刃で全てを切り裂き、道を示せ――顕現せよ、イゼリオス!」


その瞬間、風が荒れ狂い、淡い光がレヴァンの周囲を包む。

召喚された風の精霊イゼリオスの姿を目にし、サリアは朦朧とする意識の中で、驚きの声を上げた。


「レヴァン……あなた......契約者だった..の?」


その問いに答える暇もなく、戦闘が再開する。


特異個体が氷柱を力で打ち砕く音が響き渡る。

砕けた氷片が戦場を覆い尽くす中、その巨体はさらに凶暴さを増してレヴァンたちに迫ってきた。


その目は凍える光を宿し、咆哮と共に空気を震わせる。


「行け、イゼリオス!」


レヴァンの声と共に風が唸りを上げる。

イゼリオスが優雅な動きで空中に現れると、その姿はまるで大気そのものが具現化したかのようだった。


翼を広げた瞬間、特異個体の周囲に突風が巻き起こり、敵の動きを封じ込める。


「風の精霊……これが契約者..の力……」


サリアの呟きが微かに聞こえる中、イゼリオスは鋭い眼差しを特異個体に向けた。

その翼が一振りされると、突風が鋭利な刃へと変わり、特異個体の漆黒の皮膚を容赦なく切り裂いていく。


風の刃が正確に弱点を狙い撃ち、巨体が呻き声を上げながら後退する。


(これなら...倒せる!)

星紋術に抵抗力はあるようだが、精霊の力には抵抗力がないことをレヴァンは確信していた。


イゼリオスはさらに風の渦を生み出し、特異個体を中心に閉じ込めるように旋回した。


渦の中で敵が暴れ狂うも、その動きは次第に鈍くなる。

風が密度を増し、特異個体の全てを縛り上げるように絡みつく。


特異個体は風の渦の中で、レヴァン達に届くほどの叫びをあげていた。


「なぜ、お前ほどの精霊が人類に力を貸すのだ!!罪は重なり、星を浄化する時が......」


レヴァンが、さらに聞き取ろうとしたその瞬間、頭の中に鮮烈なイメージが流れ込んだ。


まるでイゼリオス自身が導いているかのように、イゼリオスとの合わせ技の形が浮かび上がる。

青白い光の閃光が視界を埋め尽くし、風と剣が一体となって舞う姿が鮮明に描かれた。


「これが……蒼閃嵐舞(そうせんらんぶ)……!」


レヴァンの目が鋭く輝く。


彼は剣を構え、足元に広がる青白い光の陣の輝きが、イゼリオスと共鳴するように脈打つ。

この時、レヴァンとイゼリオスは完全に同調していた。


「イゼリオス、頼む!」


イゼリオスが渦をさらに強め、特異個体の動きを完全に封じ込める。


「人類よ、貴様らの存在を許さぬ……風の精霊よ、力を貸したこと後悔するぞォォォ!!」


特異個体がさらに叫びをあげる中、レヴァンは新しい技を発動させた。


蒼閃嵐舞(そうせんらんぶ)!」


レヴァンが叫ぶと、イゼリオスが渦巻く風を強烈に巻き起こした。


その風はただの嵐ではない。青白い輝きが混じり合い、まるで天と地を繋ぐ柱のように伸びていく。

風の刃が渦の中から次々と生まれ、敵を追尾するように駆け巡る。


レヴァンはその渦の中で一歩を踏み出し、全身を風に委ねながら剣を振るう。


その一振り一振りに青白い閃光が生じ、剣先から放たれた光の刃が旋風となって特異個体を取り囲む。逃げ場を失った敵は、凄まじい力の前に完全に動きを封じられている。


「行け、イゼリオス!」


イゼリオスがレヴァンの言葉に応じ、渦の中心に向かって風の刃を一斉に叩き込む。


その刹那、無数の風の刃が敵を切り裂き、青白い光が爆発的に広がった。

その輝きは夜空を照らす星々を思わせる美しさを放ち、戦場全体を飲み込んでいく。


敵が崩れ落ちる音が響き渡り、嵐が次第に収束する。

風が静まり、青白い光の粒が空中を漂う中、レヴァンは剣を鞘に納める。


特異個体の巨体が崩れ落ち、青白く輝く幻想的な光の粒が戦場を満たしていた。

レヴァンは、静かに息を整える。


背後でサリアが倒れこみ、彼は微笑みながらイゼリオスに声をかけた。


「イゼリオス、ありがとう。助かった。」


風が穏やかに吹き抜ける中、戦場には一瞬の平穏が訪れた。



安心したのも束の間ーー突如、レヴァンに異変が起きる。


「...っ何だ、この頭の中に何かが流れ込んでくるような感覚は…俺は......何か」


レヴァンはイゼリオスとの同調により残りの力を使い果たしたせいもあり、違和感を感じながらも、その場に崩れ落ちた。サリアもまた、マナを使い果たした影響で昏倒している。


(今、星喰いに襲われたら......だが、もう…風の加護の感覚すら感じられない。)



遠くで第4部隊の隊員たちが反撃に転じ、星喰いの残党を制圧していく姿が見えたが、レヴァンの意識は次第に遠のいていった。


最後に見たのは、雲一つない綺麗な青空と、遠くで仲間たちの叫ぶ声だった。



村を制圧した第4部隊は、生存者の捜索を開始。

気絶したレヴァンとサリアが担架で運ばれる中、ヴァロック、エディン、アリーナ、エリスたちは、レヴァンとサリアの2人で特異個体を討伐したことに驚きと感嘆の声を上げた。



星の光の拠点では、支部長のグラハムが、遠くを見つめながら低く呟いた。


「人語を話す特異個体が多数出現……これが自然の進化とは思えない。背後に何かがあるのか?」

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