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あの夏の海には帰れない  作者: 葉方萌生
第六話 この気持ちが、壊していくもの

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生きていきたい

 理沙ちゃんに罰の解除方法を伝えたあと、私たちは『ストロベリードロップ』を後にして別れた。私たちの中で、春樹くんと次会ったときに何を話すべきか、答えは出ていた。

 私は、春樹くんに罰の解除方法を伝えてみようと思う。

 春樹くん自身も、もしかしたらもう知っているかもしれないけれど。伝えてからどうするかは、彼が決めることだ。

 私には、春樹くんの大切な声を取り戻すために、こうするしか方法がないのだから。

 家に帰るまでの間に、私はずっと「未読」状態にしていた龍介のLINEを開く。「また連絡が欲しい」というシンプルな彼のメッセージに対して、「遅くなってごめんね。もう大丈夫だから」と返事を打った。

 龍介からの返信はそれから一時間ほどして来た。本当はもっと早く、私からのメッセージに気づいていたのかもしれないけれど、あんまり即答しないように気を遣ってくれたんだろう。


『この間は本当にごめん。俺もどうかしてた。夏海とは、これからも良い友達でいたいと思ってる』


 龍介はきっと、花火大会の日に私に告白をしたことで海で私と春樹くんが揉めて、その結果春樹くんがあんなことになってしまったと思っていたのだろう。

 誰も彼も、春樹くんの声が失われたことを、自分のせいだと感じていた。

 もうやめよう。

 確かに私たち三人にまったく責任がなかったかと言えば嘘になる。でも、理沙ちゃんの言う通り、春樹くんは自分の意思で私に真実を話したのだ。それだけは疑いようのない事実だった。


『私も、龍介と友達でいたいよ』


 みんなとずっと、友達でいたい。

 春樹くんと、好き同士になりたい。

 私の胸に溜まっていくこの気持ちはきっと、これからの私たちの関係を、ゆっくりと破壊していくのだ。たとえそうだとしても願わずにはいられない。

 私はみんなと、この先も、このディーナスの世界で生きていきたい。

 生きて、いきたかった。 

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