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17/26

17.ストロベリー侯爵、元妻を見つける。

 翌朝、まだ眠っているシャロットをイシドール様に任せて、温泉に入ることにした。

「昨日はシャロットがいたから、せわしなかっただろう。ゆっくり入ってくるといい」って言ってくれて。

 イシドール様、優しい。


 脱衣所に入ると、掃除をしている人がいた。宿の人だ。


「あの、お風呂って今大丈夫です?」


 声を掛けると、見事な金髪のその人は振り返って、笑顔になった。


「もちろんです。どうぞ」


 うわぁ、めちゃくちゃ美人。

 この宿に来て初めて見たから、裏方さんかな。こんなに美人なのに裏方なんて、もったいない気がするけど。

 でも人にはそれぞれ事情があるものよね。


「タオル、お出ししておきますね。こちらの石鹸はサービスです。ぜひお使いください」

「わぁ、ありがとうございます」

「ふふ。では、ごゆっくりどうぞ」


 そう言ってその人は、優雅に立ち去っていった。

 立ち居振る舞いが本当に淑女って感じ。

 やっぱり高級宿の従業員は、しっかり教育がされいるのね。

 イシドール様と同い年くらいの、気立てが良くてスタイル抜群の美人さん。

 そんな人の接客を受けると、自然と笑顔になってしまう。


 中に入って体をもらった石鹸で洗うと、ほんのりジャスミンが薫ってきて、幸せな気分に浸った。


「あんな美人に生まれてみたかったなぁ……なんて」


 もし、私がさっきの人みたいに美人だったら。

 両親も兄も、私の存在を無視しなかった……かもしれない。


「ないものねだりしても、仕方ないか」


 くすんだ灰色の髪も、低めの身長も、スタイルがいいとは言えないこの体も、すべてを愛してくれている人がいる。

 そう思うだけで、ちょっと無敵な気持ちになれる。


 体を洗い終えると、パチャッと温泉に浸かって。

 私は、その幸せに浸っていた。




 ***




「りょこう、たのしかったー!」


 屋敷に帰ると、いつもの日常が始まった。

 あれから二週間も経っているのに、シャロットは何度も何度もこの話をする。


「ね、またいこう! パパ!」

「そうだな、また行こう」

「じゃあ、あした!」

「明日は仕事があるから無理だ」

「えー、パパのけちっ!」


 シャロットがほっぺを膨らまして怒っていて、イシドール様は落ち込んでいる。

 やだ、どっちもかわいい。


「シャロット、無茶言わないで。パパのこと、大好きでしょう?」

「うん、すき! だぁいすき! ごめんね、パパ!」

「シャル……」


 シャロットがハグを求めにいって、イシドール様がそれに全力で応えてる。

 もう、本当に仲のいい親子なんだから。ちょっと嫉妬しちゃいますよ?


「レディアおねえちゃんもいっしょにハグー!」

「わ、私も?」

「おいで、レディア」


 いえ、イシドール様までそんな当然のように言われましても!?

 二人にあんな風に手を広げられたら、行くしかないじゃない!

 えーい、もう! 飛び込んじゃうんだから!


「きゃーーっ!」

「レディア……っ」


 二人にぎゅうっと抱きしめられて……私も抱きしめ返して。


 こんな幸せな時間が、一生続けばいいって……そう、思ってた。






 その日の、午後のこと。

 探偵が調査結果を携えて、屋敷へとやってきた。


「お忙しいところ、失礼いたします。ご依頼いただいた前夫人の件について、調査がまとまりました」


 シャロットはちょうど家庭教師とお勉強中で、私はイシドール様と並んで座り、その報告を聞いた。


「……それで、見つかったのか」

「はい。前夫人、ラヴィーナ様の所在が判明いたしました」


 見つかったんだ……とうとう。

 部屋の空気が変わった。心臓がどくどくした。多分、イシドール様はそれ以上に。


「場所は、北西の山沿いにある温泉町、ロナヴェルです。最近は観光地として整備が進み、上流階級の避暑地としても人気が出始めています」


 イシドール様の手が止まった。


 ロナヴェル──それは、私たちが旅行で訪れた、あの町の名前。


「その町にある、エルブランシュの館という宿で、前夫人は働いていました」


 息が詰まりそうになった。

 あそこだ。あの宿。


 その瞬間、思い出した。

 あの見事な金髪。

 淑女と見まごう優雅で完璧な立ち居振る舞い。

 渡されたジャスミンの香りの石鹸。

 そして──天使のような、笑顔。


「その宿で、“サリア”という名を名乗っております。宿の所有者の血縁者ではありません。正式な戸籍も変えておりました」

「二週間前、俺たちが旅行に行って泊まった宿だ。まさか……すれ違っていたとは」

「なんと、そうでしたか」


 ドクンドクンと心臓が鳴る。

 あの時にシャロットたちと鉢合わせなくてよかった……なんの情報なく会ってしまうのだけは、避けたいもの。

 お互いに心の準備がいるはず。

 シャロットはもちろん、イシドール様と……ラヴィーナさんにも。


 探偵は淡々と、でも丁寧に続ける。


「ラヴィーナ様は現在、元庭師の男性とその街で暮らしており、間に一人男児が生まれております。一歳半です。現在は三人で、慎ましくも幸せに暮らしている様子です」


 静かな声だった。だけど、その一言で何かが終わったような気がした。


 一歳半。

 つまり……ここを出た時には、妊娠してたんだ。

 ううん、多分逆。妊娠したから、ここを出た。その方が辻褄が合う。


 絶対、ショックだ……イシドール様……。

 どうしよう、隣を見られない。


 思った通り、イシドール様はしばらく無言で。

 胸が、痛くなる。


「……よく調べてくれた。追加の報酬を用意しよう。受け取ってくれ」


 探偵はお金を受け取ると帰っていった。

 二人っきりになった部屋で、私はようやくイシドール様を見上げる。


「あの……大丈夫、でしょうか……」

「……気にしてくれるな。予想はしていた」


 愛していた人の、不貞。それは、どれだけ苦しいことだろう。

 なんて声を掛ければいいのか、わからない。


 ぎゅっと奥歯を噛むと、イシドール様はその顔を少し緩めた。


「レディア。本当に気にしなくていいんだ。ラヴィーナの不貞があったからこそ……俺は君と愛し愛される喜びを知ることができた」

「イシドール様……」


 その言葉は嬉しい。嬉しいのに、なぜだか悲しさが吹き荒れる。


「ラヴィーナさん……すごく、すごく綺麗でした……っ」

「レディア? まさか、宿で……」

「会いました。私、ラヴィーナさんと知らずに……!」


 言葉が止まらない。止められない。

 あの宿での一瞬一瞬が、胸に鮮明に焼きついている。


「すごく綺麗で、気さくで、優しくて……美人なのに気取ったところがまったくなくて……それなのに、立ち居振る舞いは淑女そのもので……」


 思い出すだけで、胸が締めつけられる。

 ふわりと香ったジャスミンの匂い。あの金髪。

 シャロットの母親だから、美人だってわかってたけど。想像の遥か上をいってて。


「……女性として、完璧な人でした……」


 言った瞬間、ぶわっと感情があふれた。

 なんで? どうして? 涙が勝手にこぼれて、視界が歪む。


「私、あんな人に勝てない!! シャロットの母親にも、あなたの妻にも! なれるわけがないじゃないですか!」


 叫んだ。

 もう、頭の中がぐちゃぐちゃ。

 胸が苦しくて、息もまともにできなくて、ただ感情だけが口から飛び出していく。


 なんで、なんで、なんで──!

 あんな綺麗な人が、優しくて、完璧で、笑ってて……。

 イシドール様に一目惚れされるような人。

 その人と比べて、私に何があるっていうの?


 無理……勝てっこない。

 怖くて、悔しくて、情けなくて、惨めで、涙が溢れて止まらなくて。

 喉の奥が熱くて、全部ぶちまけてしまいたかった。


 親にも、兄にも。私は“いないこと”にされて育ってきた。

 話しかけても返事はなくて、部屋に入れば空気が凍って、いつだって疎ましがられて──

 そのたびに、自分がどれだけ不要な存在なのか、痛いほどわかった。


 そんな私が……あんな綺麗な人に、敵うわけないの。

 シャロットの母親になれるわけがない。

 イシドール様の隣に並べるわけが、ない。


 イシドール様は優しいから、私を救ってくれただけ。

 ただの同情、だったのに。

 私が好きになってしまったから……シャロットが私に懐いちゃったから。

 ただの優しさで愛してるふりをしてくれただけって、気づかなかった。


「レディア」

「私……ここで必要とされてるって……思い込んで……っ」

「レディアッ!!」


 手首を取られると、ぐいっと引き寄せられた。

 予期せずイシドール様の胸の中に飛び込んでいく。


「君を必要としている。俺も、シャロットも」

「でも……ラヴィーナさんが戻ってきたら……私なんて、用済みじゃないですかぁ……ぁぁぁあああっ!!」


 子どもみたいに声をあげた。喉が引きちぎれそうなほど。


 怖い。怖い。捨てられるのがとてつもなく。

 今さらながら、シャロットの気持ちがわかった。

 愛している人に捨てられるのは、愛されていると思っていた人から捨てられるのは……こんなにも、つらくて不安になる。


 捨てないで、捨てないでって、何度も叫びたくなってしまう。


「……君は、俺を信じられないか?」


 イシドール様の声が、低く、けれどはっきりと響いた。


「ラヴィーナがどんなに美しかろうと、優しかろうと──もう、俺の心は動かない。たとえ過去を思い出しても、戻りたいとは一度も思わなかった。だが、君がいない未来は考えたくもない」


 息を呑む。胸がきゅうっと痛くなる。


「これは同情なんかじゃない。君に触れたいと思った。笑ってほしいと思った。手を繋ぎたい、抱きしめたいと思った。……全部、愛してるからだ」


 真剣な瞳。熱くて、胸に響く言葉の数々。


「怖いなら、信じられないなら、何度でも言う。君を、手放したりなんてしない。絶対にだ」

「イシドール……さま……」


 ……私は、本当に大馬鹿だ……。

 どうして疑っちゃったんだろう。

 こんなにも、こんなにも、愛を注いでくれている人なのに。


 ぐすっと鼻をすすると、私は涙目のままイシドール様を見上げた。


「ごめんなさい……私、自分のことしか考えていなかった……」


 そんな私に、イシドール様はそっと目を細ませる。


「いや、いいんだ。そうして不安や不満をぶつけてくれる方が、急に消えられるよりもよっぽどいい」


 イシドール様の手が、私の涙を拭っていく。優しく、温かい指で。


「すまなかった。俺の過去が、君を不安にさせてしまった」


 少し目を伏せたイシドール様に、私は空気を震わせる。


「違うんです……!」


 私は首を振りながら、胸の奥から溢れ出す言葉を止められなかった。


「イシドール様の過去を不満に感じたわけじゃありません……あんなに素敵な人と、あなたが本当に夫婦だったって、思い知らされた気がして……」


 声が震える。喉の奥がつまって、言葉が途切れそうになるのを、必死でこらえた。


「私が……あなたにふさわしくないんじゃないかって……思ってしまったんです。子どもみたいに……自信がなくて、すぐ怯えて、疑って……」


 自分の情けなさに、また涙がこぼれそうになる。


「それでも、あなたが好きなんです。どれだけ怖くても、惨めになっても、あなたのそばにいたい。笑っていてほしい。私だけを見てほしいって、思ってしまう……」


 そう口にして、ようやく気づく。

 私は、どんな形であっても、この人と共にいたいと願っていたのだと。


「こんな私でいいのなら……ずっと、隣にいさせてください……」


 祈るような気持ちで、絞り出した言葉。

 それがイシドール様に届いてほしいと、心の底から願っていた。


「ふさわしくないだなんて、もう二度と言わないでくれ。俺には君が必要で……誰よりも愛おしい人なんだ」


 また、涙が溢れてくる。それをイシドール様があたたかい手のひらで拭っていく。


「俺の方からお願いする。ずっとそばにいてほしい。これから何があろうとも、俺の隣にいてくれ」


 喉が詰まって、声が出せなくて。

 私はこくんと頷いた。

 そんな私にイシドール様は見たこともないような甘く優しい顔をして。


「愛している、レディア」


 全身がとろけそうな愛の言葉を囁いてくれる。


「私も、です……っ」

「愛してる」

「私も……」

「愛してる」

「私も……!」

「キスしたい」

「私も……って、え!? ダメですっ!」


 慌てて否定すると、イシドール様はふっと笑っていた。


 今、流れでいけると思いましたね!? 危うく乗せられるところだったじゃないですか……っ!


「残念。ガードが固いな」


 この人は、本当に、もう……っ

 でも、次の瞬間にはイシドール様は──


「泣き止んだな」


 そう言って、嬉しそうに顔をとろけさせる。

 本当に……かなわない。


「私だって、いっぱい愛してますから!」


 私の言葉に、イシドール様は「俺もだ」って笑った。

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