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16/26

16.ストロベリー侯爵、幸せにんじんを食べる。

 熱もすっかり引いてふらつくこともなくなって、それから一週間後。

「約束だからな」ってイシドール様が言ってくれて、私たちは北西の山沿いにある温泉町、ロナヴェルにやってきた。

 澄んだ空気と揺れる草原、シャロットのはしゃぐ声。ああ、ほんとうに来られてよかった。


 エルブランシュの館という宿泊施設に着いて、最初の晩餐。

 こんがり焼けたチーズの香りが鼻をくすぐって、シャルは「わあっ」って目を輝かせた。

 いつものお屋敷の食堂と違って、木の壁、揺れるランタン、丸テーブルに並ぶ素朴なご馳走。それがもう、全部シャルには新鮮だったみたい。私だって嬉しくなる。


「見て、シャロット。ほら、これ、にんじんのグラッセだって。お星さまの形してる」

「……あっ!」


 ぱあっと顔が明るくなった。私が小皿を差し出すと、シャルはちょこんと椅子に座って、にんじんをじっと見る。でも──その瞳が、うっすら潤んだ。


「……これ、ママが好きだったにんじんだ」


 その言葉に、胸の奥がきゅうっとなる。

 イシドール様が一瞬、手を止めたのがわかった。私は何か言わなきゃって思ったけど。その前にシャロットがイシドール様へ、きらりとした目を向ける。


「ね、そうだよね! パパ!」

「──ああ、そうだった」


 イシドール様が肯定すると、シャロットはニパッと笑う。

 本当の親子三人の、思い出。

 微笑ましい話なのに……なぜか、私の胸は痛い。

 私には、入り込めない壁があるような気がして。


 一瞬喜んでたシャロットだけど、彼女はすぐに肩を落とした。


「“しあわせにんじん”……って、ママ、いってた。これたべると、かならずいいことあるって」


 シャロットは“しあわせにんじん”をじっと見つめて、ぎゅっと唇を噛んだ。


 母親と過ごした日々を、シャロットは本当によく覚えてる。

 だからこそ、駆け落ちして消えてしまったことが……苦しさに変わっている。

 “ママ”のことが、大好きだったからこそ。


 私は黙って、小さなフォークを手にとった。

 にんじんをひとつ、自分のお皿にのせて。


「じゃあ“幸せにんじん”、一緒に食べましょ! そうしたら、絶対にいいことあるわ!」

「レディアおねえちゃん……ママのいったこと、ほんとだとおもう?」


 唯一絶対だった母親の存在が、その一言で揺らいでいるのがわかった。

 母親への信頼が、真実を知ることで不安定になってしまったんだって。


「シャロット。“ママ”のことは、あなたが一番わかってるはずよ」

「でも、ママは……シャルをおいて……っ」


 そう言うと、シャロットは目を伏せた。

 口をぎゅっと結んで、黙ってにんじんを見つめている。

 私はそっと手を伸ばして、シャロットの指先に自分の手を添えた。


「シャロット。あなたはたくさんママのことを私に教えてくれたわよね。ジャスミンの香りが好きだったことや、宝物はなくなっても心の中に残るって言ってくれたこと。他にもたーっくさん覚えてるでしょう?」

「……うん」

「それ、全部嘘だったと思う?」


 シャロットはハッとして首を振る。


「うそじゃない……ママはそんなうそ、いわないもん!」


 少し元気になったシャロットに、私は笑顔を向けた。


「だったら、それでいいの。あなたの中のママが、本当にそうだったって、シャロット自身が信じているなら──それがママの本当の姿よ」


 シャロットは、じっと私を見つめた。

 その瞳に、小さな涙の粒が揺れている。


「シャルが覚えてるママは、やさしくて、いい匂いがして、シャルのこと、いっぱいだいすきって言ってくれた……」

「うん。シャルのこと、大事に思ってたんだね」

「……じゃあ、ママの言った“しあわせにんじん”も、ほんとだよね? これ食べたら、いいこと、あるかな……」

「あるわ。だって今日は、こうしてみんなで一緒に晩ごはんを食べられてる。ほら、もう“いいこと”起きてるでしょう?」


 そう言うと、シャロットの目がふっと丸くなった。

 それからふにゃって、泣き笑いみたいな、あたたかい笑顔を見せてくれる。


「……うんっ!」


 それからぱくっと、“しあわせにんじん”を口に運んで、

 もぐもぐと一口、しっかり噛んで──


「……おいしいっ!」


 シャロットが、笑った。

 空が晴れたみたいに、明るい笑顔で。

 本当に、天使なのよね。


 私がイシドール様へと視線を送ると、その目はそっとやさしく細められた。


「……ありがとう、レディア。君がいてくれて、本当によかった」


 その声に、その眼差しに、私の胸の奥がじんとあたたかくなる。


 私もイシドール様も“しあわせにんじん”を食べて。

 他にもたくさん美味しいものを食べて、みんなで笑って。

 やっぱり“しあわせにんじん”の効果は抜群だって、やっぱり笑った。





 食事の後は、私はシャロットと一緒に温泉に入った。

 お風呂を出ると疲れちゃったのか、こてんって眠っちゃって。

 その寝顔は、本当に天使みたい。


 というか、宿は三人一室なのよね……。

 イシドール様はまだお風呂から戻ってきていないけど。

 シャロットが、せっかくの旅行だから、三人一緒のお部屋がいいって無茶振りしたせい。

 イシドール様が娘のわがままを聞かないはずもなく、同じ部屋になってしまった。


 でも、イシドール様? 困った顔の中にもちょっと嬉しそうな顔を覗かせていたのは、気のせいかしら?

 シャロットは早々に寝ちゃったし、なんだか緊張しちゃうんだけど……。


 髪を乾かしながら待っていたら、イシドール様が戻ってきた。


「すまない、ゆっくり入ってきてしまった」

「いえ……あの、か、構いません……」

「シャロットは……寝てしまったか。はしゃいでいたしな」


 ふっと笑って、髪をかき上げるイシドール様。


 って、色気!!

 乾ききっていない髪、簡素な夜着……め、目のやりどころに困っちゃうやつ……!


「レディア……」

「は、はい?」

「少し、目のやり場に困るな」


 同じことを思ってたんですか!?

 ネグリジェではないですけど……それでも、お目汚しだったかも。


「すみません、お見苦しい格好を……」

「見苦しいとは言っていない。むしろ……いいから困っている」


 ちょ、何を言っているんですか!?

 私なんて背も低くて、出るところはお粗末で……あ、でも、侯爵家に来てから、少し……マシになってきたかも?

 食べ物のせいかな。って、もしかして太っただけ!?

 だってシャロットったら、毎日おやつをたくさん食べさせてくれるんだもの!


「だ、ダイエットします!!」

「誰もそんなことは──」

「ん、んん〜っ」


 ベッドで寝ていたシャロットが、寝返りをうつ。

 私は慌てて自分の口を押さえた。

 もう、私のばかっ。


「少し出よう」


 そう言ってイシドール様は、上着を取り出して私の肩にかけてくれた。

 イシドール様はそのままなんですね? ご自分の魅力と色気をわかってないですね?


「ママ……」


 その言葉にドキッとして振り向くと、シャロットがすうすう眠っていた。

 寝言……夢の中まで、母親のことを……。

 その顔は寂しそうで。目尻からふっと涙が流れている。


「シャロット……」


 私はそっと優しく、その涙を指で拭く。


「レディア……君がシャロットのために心を痛めてくれるのはありがたいが……俺は、君の笑顔が見たい」

「……はい」


 せっかくイシドール様が連れてきてくれた旅行なんだから、悲しい顔をしているわけにはいかない。

 扉前で待つイシドール様の元へ行くと、私たちは宿を出て、素敵な庭をゆっくりと歩き始めた。


 夜の庭はいくつものランプに照らされていて、すごく幻想的。


「レディア、足元に気をつけて」

「はい、大丈夫です」


 こんな夜に外に出ているには、私たちだけ。

 この幻想的な光景を二人だけで見るとか、なんて贅沢。


「レディア、空を」

「空?」


 イシドール様の視線を追うように見上げると、そこには細い三日月と、降ってきそうなほどの星の数々。


「わぁ……」

「美しいな。まるで君のようだ」

「はっ……え?」


 思わずイシドール様を見たその瞬間──


「きゃっ!」


 足元の小石にバランスを崩して、体がふらりと傾く。

 けれど、倒れるより早く、すっと伸びた腕が私を支えてくれた。


「危ない」


 低く静かな声とともに、しっかりと抱きとめられる。

 息がかかるほどの距離、胸に手が触れて──


「……イシドール様……」


 見上げた先にあるその瞳は、夜の星より深く、私の心を見透かしているみたいで。


「……だから言ったろ。足元に気をつけてって」

「も、もう……変なこと言うから、びっくりしたんです……っ」


 どうしよう、顔が熱い。

 というか……顔が、近い。


 体温と視線と、夜風。すべてが近すぎて、胸の鼓動が止まらない。


「す、すみませ──」


 慌てて離れようとすると、逆にぐいっと引き寄せられた。


「君は、俺を挑発するのがうますぎないか?」


 ちょ、挑発なんてしてません……っ!

 こんなに強く抱きしめられて、全身が密着して──。

 身体中が、痺れたようになって。

 どうしてなんだろう。泣きそうになってしまうのは……。


「無事でよかった──……」


 さらに強く抱きしめられる体。

 切なさが含まれた言葉は、私の胸をぎゅっと握った。


「大袈裟です。躓いたくらいで」

「違うんだ」

「違う?」


 イシドール様の腕の中で首を傾げると、微かに体を震わせているのが伝わってきた。


「……怖かった。あの日、君が目を覚まさなかったらと思うと……今でも、ぞっとする」

「ふふ、親子して大袈裟なんですから。ただの熱中症ですよ?」

「人は、簡単に死ぬ」


 その言葉に、私はハッとした。

 イシドール様は、若くしてご両親を事故で亡くされている。

 その怖さを、誰より知っているんだ。

 私のバカ。軽率な発言だった。

 震えるイシドール様へ、私は自ら手を回して抱きしめる。

 密着度が、さらに上がる。


「私は、イシドール様を置いて消えたりしません。どこにも……絶対に」

「レディア……」


 はぁ、と熱い吐息が私に耳にかかる。

 なんだか……まずい?


「愛している」

「えと……私も、愛して……います」


 イシドール様の手が緩められたかと思うと、その甘い、甘すぎるお顔が私の目の前にやってきて……

 そんな顔されたら、もう……


「イ、イシドール様……」

「もう我慢できない」


 少しずつ、ゆっくり、ゆっくり迫ってきて……

 私もイシドール様が大好き。したいって、身体中が叫んでる。

 だけど──


「ごめんなさいっ」


 私は力の限り、イシドール様を押し返した。

 その顔がちょっと傷ついたように見えて、私の胸も苦しくなる。


「……俺は、書類上だけではなく、気持ちもすでに夫婦だと思っているのだが」

「……っ、私だって……同じです」


 イシドール様の手がピクリと動いて、けど理性を保つようにグッと握りしめる。

 本能を抑えつけてくれたイシドール様に、私は感謝した。


「でも、シャロットは……まだ私たちが夫婦だってことを知らないんです。あの子が、私を母だと思ってない……そんな状態で……私は、できませんっ」


 シャロットにとってパパはイシドール様で、その奥さんは“ママ”。私じゃない。

 一度の口付けであったとしても、きっと私は後ろめたさで、まっすぐシャロットを見られなくなってしまうから。

 シャロットには、誠実でいたいから。


 私に言葉に、イシドール様はふっと笑った。


「君らしいな。俺も少し暴走してしまった。すまない」

「いえ、私もその……ちょっとだけ、その気になってしまいましたから……」

「本当か?」


 え、なんですか、その嬉しそうな顔。しませんよ!?


「今日のところは君の気持ちを立てて下がるが……次はわからない。覚悟をしておいてくれ」


 する気満々じゃないですか!!?

 そんな風に、いきなり狼に変身するイシドール様も……好きですけど。


「……シャロットに君と夫婦になっていることを言えなくて……すまなく思っている」


 一転して謝罪をするイシドール様。

 最初、結婚していることを言わなかったのは、私のためでもあった。

 私の実家の思惑から、助け出してくれて……そして自由にさせてくれるつもりだったから。

 今は、私たちの気持ちは通じ合ってるけど……シャロットの気持ちを考えると、『もうすでに夫婦なんだ』って言えないでいる。


『シャルのママは、ひとりだけだもん。いなくなっちゃったけど……ママはママ』


 その言葉を思い出すと、大人の都合でいきなり母親を変えられないって、そう思うから。

 イシドール様も、きっと同じ気持ちだ。だから責めるつもりなんて毛頭ない。


「大丈夫です。シャロットの気持ちが落ち着くまで、私は待てますから」

「……俺が待てるかどうか、怪しいんだが」


 イシドール様を見上げると、目を細めてふっと笑った。

 からかってますね?

 そんな色気のある目で……反則ですよ……?

 私に心臓の鼓動をこれ以上早めるの、やめてください。ホントに。


「戻るか」

「はい」


 そう言うと、イシドール様はしれっと私の手を握った。

 指を交差させて──いわゆる、“恋人繋ぎ”で。


「い、イシドール様?」

「これくらいは許してくれ。本当はもっとしたい」

「あ、えっと、じゃあ……ゆ、許しますっ」


 私の言葉に、ストロベリー侯爵はにこっと笑顔を見せて。


 んあーー! なんですか! イシドール様も天使の笑顔じゃないですか!!

 親子して、私に心臓を止める気ですか!?


 ばっくんばっくん心臓の音を立てながら、なんとか部屋に戻ってくる。


 そこには、まさに天使に寝顔のシャロットの姿。


「ん……パパ……レディ……おね、ちゃ……」


 さっきと違って、ふわっとした笑顔で眠っていて。

 私もイシドール様も、目を見合わせて微笑む。


 幸せにんじんの効果、あったねって。

 私は笑顔になった。


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