表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/26

15.ストロベリー侯爵、脱ぐ。

 翌朝。


 ふらふらする。

 昨日のことを考えすぎて、よく眠れなかった。

 鏡の前で髪を整えながら、何度も深呼吸を繰り返してみる。


「だ、大丈夫。……落ち着いて、昨日のことなんて、なんともなかった。普通。全部普通。なにもない」


 ぶつぶつ自己暗示を唱えながら、なんとか顔を整えて、そして──


「おはようございます、イシドール様」


 朝の挨拶と予定の報告をしに書斎の扉をノックすると、いつも通りの落ち着いた声が返ってきた。


「入ってくれ」


 昨日のことは忘れた。忘れた。忘れた。


 そう言い聞かせながら入った瞬間。


「……顔、赤いな」

「えっ……!? い、いえ!? そんなことっ……っ」


 え、本当に?

 もうさすがに平気だと思ったんですが!?


 ばっ、と顔をそむける。

 意識しすぎて、手に持っていた書類がぷるぷる震える。


 イシドール様は椅子にもたれたまま……見てる……私を、見てる……!


「昨日の夜、眠れなかったか?」

「……っ、う……そ、それは……」


 うそ、バレてる? もう昨日のことなんて、忘れてくれたらいいのに! なんなら私よりしっかり覚えてそう!


「何を考えていた?」


 何その質問……もちろん、考えていたのはイシドール様のことですが。

 それはもう、イシドール様しか浮かんでませんでしたが!

 それを言えと? 今??

 お腹の奥からじゅうって熱くなる。なにこれ恥ずかしい……!! 無理!


「べ、別に……特別なことは、何も……」

「そうか。何もなく、顔を赤くしているんだな。夜も眠れずに、か?」


 静かに、わずかに笑うような声。

 ……わざとだ。もう、イシドール様って意外に意地悪なんですから!


 抗議しようと顔を上げる。

 その瞬間、イシドール様の眼差しに、息を呑んだ。


 昨夜と同じ。

 やさしくて、強くて、どこまでも甘い。


 ぞくり、と背中をなぞるような感覚が走る。


「レディア」

「……っ、はい」


 心臓、これ以上跳ねたら飛び出るからやめて!


「昨日、俺が……あのまま君に触れていたら。君は、止められたと思うか?」


 ──何、言って。


「それとも……望んでいたか?」

「~~~~っっっっっ!!???」


 心臓が爆発する音が聞こえた気がする。

 顔が熱い、いや熱すぎる、死ぬ。これは死ぬ。


「しっ、知りません! なんの話か分かりませんっ!!」


 今日の予定表をイシドール様の机に叩きつける。

 もう、顔が熱すぎるっ!

 さっさと戻ろうとしたのに、扉のところまで来て、私の手首はやんわりと掴まれてしまった。


「……その反応。君のそういうところが……可愛いんだ」


 耳元で囁かれた瞬間。

 私の思考は、完全に凍結した。


「な……っ……」


 この人は。

 あの夜、寸前で止めておいて。


 そのくせ、何事もなかったような顔で──

 今日もまた、寸前まで追い詰めてくる!!


 ずるい……っ、ずるすぎる……!!


「レディア」

「……なんでしょう」

「今日の予定では、昼の一時から空いているな。書庫の整理を手伝ってくれ」


 それ、そんな至近距離で言う必要ありました!?





 というわけで、お昼。


「きょう、あつぅい。シャル、おべんきょう、やるきでないー」


 陽が高くなるにつれて、どんどん気温が上がってきた。

 今日の一時からしばらくの間は、シャロットは家庭教師とお勉強の時間。

 けど確かに、この本格的な夏の暑さじゃ、勉強なんて身が入らないよね。


「シャル、みずあそびしたぁい」

「それはまた今度ね。もう先生がいらっしゃるから、がんばってきて」

「はぁい」


 シャロットは素直に部屋に戻って行き、私はイシドール様と書庫に向かった。

 書庫と言っても、今は使われていない倉庫のようなところ。

 昔の記録が必要みたいで、イシドール様が探している間、私は周りを整理していく。


「……たしかこの辺りに、例の記録があったはずなんだが」

「イシドール様、窓を開けてもよろしいですか? 暑くて」

「ああ、空気を入れ替えよう。気をつけてくれ」


 天窓しかなくて、私は梯子を登ると、その窓を開けた。

 その瞬間。


「きゃああ!!」


 ぶわっと風が吹いて、私は梯子から放り出されて──


「レディア!!」


 イシドール様が私を抱き止めてくれたのと、同時だった。


 バタンッ! カタンッ


 何かが、閉まる音。


「大丈夫か、レディア」

「あ……ありがとうございます……っ」


 危ない、死ぬかと思った。

 今は、心配そうなイシドール様を間近で見て、別の意味で死にそうだけど。


 いや、でも今はそれどころじゃない。

 私たちは、恐る恐る扉の方を見た。


 ──閉まってる。


 イシドール様は私を下ろすと、その扉を開こうと試みていた。

 けど……開かない。


「マズいな。……床のかんぬきが衝撃で降りたか。普段は使っていないんだが」

「じゃあ、開かない……?」

「……ああ、誰かが来るまで、な」


 外は炎天下。通り抜けられない風は、中々入ってこないし。

 よりによって、今日はいつもよりさらに暑い。汗が滲んで、服が張りついてくる。

 普段は使うことのない書庫。誰かが通る気配もないんだけど……。

 ちょっと、まずくない?

 喉、すごく乾く。


「……暑いですね……」

「悪い……脱ぐが、いいか?」

「えっ……えっ!? いえ私は……だ、大丈夫です……!」

「俺の話だ」


 イシドール様は耐えきれなかったのか、ぐいっとシャツのボタンを外す。

 ひとつ、ふたつ、みっつ……ボタンをよっつ。

 それだけでも、あの、お肌が、見えちゃうんですけど!?

 執務仕事ばかりしているのに、いつ鍛えてるんですか、その胸筋!


 えっちょっ……ちょっと待って……無理……見てるこっちが熱中症……!!


「……なんだ。そんなに見るなら、全部脱いでも構わないが」

「み、見てませんっ」

「ふ……そうか?」


 ぐいっと顎を指先で引かれた。

 目が合う。心臓が、どくんと跳ねた。


「レディアは大丈夫か? 顔が、赤い」


 それ……イシドール様のせいですから……っ

 イシドール様はゆっくりと、私の横に座る。

 さっきまでより近い。暑さと、距離で、息が上ずる。


「……レディア。やはり、君も脱いでくれ」

「ふぁい!?」

「変な意味じゃない。いや、少しあるが」


 あるんですか!?


 イシドール様は汗の滴る体で、ふっと私を見た。


 いえ、そんな色気を放出されましても……本当に目のやり場にこまるんですが!

 ああ、もうダメ。あまりの色気に当てられて、頭がぼうっとして──


「レディア! 悪い、少し脱がすぞ」

「だ、だいじょ……っ」

「だめだ。……紐を緩めるだけだから」


 低く落ち着いた声。でも、どこか熱を帯びていて……その声音だけで、胸が苦しくなった。


 背中にあるコルセットの紐を、イシドール様の指が探る。


「少し……失礼」


 するりと、締めつけていた紐が緩んだ。呼吸が、少しだけ楽になる。

 服の隙間から風が入りんで。素肌に触れたイシドール様の指先の感触が、鋭く意識に残った。


「……これで、少しは楽か?」


 イシドール様の顔が、近い。

 汗をぬぐうようにそっと頬をなでたその指先が、なぜか震えていた。


 ただのやさしさ。なのに、息が詰まるほど色っぽくて、逃げ出したくなるほどドキドキする。

 私は、答える代わりに、かすかにうなずいた。


 イシドール様が、そっと私の耳元で囁く。


「こんな状況でなければな……」


 そんな言葉に、私は朦朧としながらも、ふっと笑ってしまう。


「こんな状況じゃなければ……どうしたんですか……?」

「君を抱いていた」


 さらりと……言い過ぎなんです、イシドール様……。


「もう少しの辛抱だ、レディア。そろそろおやつの時間だからな」

「あ……シャロット……」


 私の声に、イシドール様が頷く。


「シャロットは君と一緒におやつを食べたがる。その時に姿を見せなければ、探すだろう」


 イシドール様がそう言った瞬間。


「パパー! レディアおねぇちゃーーん! どこ……どこぉ!?」


 泣きそうなシャロットの声が聞こえた。どうしよう、また不安にさせて……。


「シャロット、ここだ! 開けてくれ!」

「パパ!! パパの声!!」


 その安堵の声に、泣きそうになってしまう。

 うんしょうんしょとかんぬきを上げて、その扉が開くと、涼しい風が舞い込んできた。


「パパ! レディアおねえちゃん、どうしたの!?」


 その瞬間、私の体はふわりと浮いた。


「少し、具合が悪いだけだ」

「おねえちゃんが……し、死んじゃうの? やだぁ!!」

「死なせてたまるか。大丈夫だ、すぐに治る」


 私はそんな声を遠くに聞きながら。

 水を含むと、そのまま意識を手放した。




 ***




 ふっと目を開けた瞬間、ぼやけた視界に飛び込んできたのは、泣きじゃくる顔だった。


 ……え? だれ……?


 目が少しずつ焦点を結びはじめる。


「れ、レディアおねえちゃ……っ!!」


 ──シャロット。


 気づいた瞬間、胸が締めつけられる。


 小さな身体が、私の胸にぎゅっとしがみついている。肩はがたがた震えて、顔をうずめたまま泣いていて──


「やだ……やなの……! 死んじゃ、やなの……っ、死なないで……!!」


 こぼれる涙が、ぽたぽたと私の首もとに落ちる。

 服の布ごしに伝わってくる小さな手の力が、あまりにも必死で、愛しくて……苦しい。


 こんなに泣かせて……ごめんね、シャロット。


 体が暑い。頭痛も吐き気もして最悪。

 だけど、シャロットの涙だけは、鮮明に映る。

 私は、震える指を持ち上げて、シャロットの柔らかい金の髪をそっと撫でた。


「……シャロット。大丈夫よ。私は……ここにいるでしょう……?」


 その言葉に、びくんと小さな肩が震え、シャロットが顔を上げた。


 ぐしゃぐしゃになった涙顔が、私を見て、ぴたりと固まる。


「……おねえちゃん……? おめめ、あけたぁ……っ」

「シャロットが呼びかけてくれた、おかげ……それに、助けてくれてありがとう……」


 私の言葉にシャロットはまた一瞬だけ固まると、直後わっと声を上げて私の首に飛びついた。


「うぇえええんっ、ほんとに死んじゃったかとおもったぁああ~~~!!」


 わんわん泣く声が、胸に響く。

 泣かせたくないのに、心配かけちゃった……ごめんね、シャロット。


 ふとシャロットの後ろに視線を伸ばすと、その先にイシドール様が座っているのが見えた。


 無言で、額に手を当てて俯いてる。

 その指先がかすかに震えているのが見えた。


「……イシドール様……?」


 声をかけると、ゆっくりと顔を上げる。

 その瞳には、いつもの落ち着きとは違う色が宿っていた。深く、暗く、悔いと痛みを滲ませるような表情。


「……すまない。俺のせいだ」


 本当に、この人は……すぐに全部を自分で背負おうとするんですから。


「イシドール様のせいなんかじゃありません。あれは事故です。私の方こそ、気をつけていれば……」


 そう言葉にしても、まだ苦しげな顔のまま。

 きっと、シャロットの泣き顔を見たから、なおさら自分を責めてる。


 私は、シャロットの頭を撫でながら、そっと微笑んだ。


「……私は、大丈夫ですから。ね?」


 それでもイシドール様は、言葉を出せずに黙ってる。

 ああもう……この人って、ほんとうに……不器用なの。

 でも、そこが愛おしいのよ?


 私はふっと目を細めて、言葉を変えた。


「じゃあ……償いの代わりに、今度、一緒にお出かけしてください」


 その言葉に、彼は少しだけ顔を上げた。


「……お出かけ?」

「ええ。シャロットも一緒に。三人で、どこか楽しいところに行きましょう。暑くないところがいいですね。おいしいものがあるところも……!」

「……それでいいのか?」


 その問いかけに、私はうなずいた。


「それがいいんです。お詫びも、お礼も、そして楽しい思い出も……まとめて、全部。三人で分け合いましょう?」


 そのとき、私の胸元にいた小さな体がむくりと起き上がる。


「おでかけ!? シャルもいくの!?」


 涙の跡が残る顔で、ぱあっと輝くような笑顔になった。

 あなたのそういうところも、私は大好き。


「ええ、行くでしょう?」

「いくー!! パパ、いこ! おねえちゃん、いこっ!!」

「……ふ」


 イシドール様が、ようやく小さく笑った。

 よかった。やっぱり、好きな人たちには笑っていてほしいもの。


「わかった。なるべく早いうちに……計画しよう」

「やったぁ!!」


 シャロットがくるくると喜びの舞を始めちゃった。かわいい。

 私はその姿を見ながら、ふと、イシドール様と視線を交わす。


 彼は、とびきりやさしい目で、私を見ていて。


 その顔が甘くて、甘すぎて……熱中症以上の熱が、私の身体を襲った気がした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花嫁の身代わりでしたが、皇帝陛下に「美味だ」と囁かれています。

行方知れずを望んだ王子と、その結末 〜王子、なぜ溺愛をするのですか!?〜

婚約破棄されたので、全力で推し活しますわ! 王子の尊さに気づけないなんて、お気の毒ですわね?

ざまぁされたポンコツ王子は、真実の愛を見つけられるか。

サビーナ

▼ 代表作 ▼


異世界恋愛 日間3位作品


若破棄
イラスト/志茂塚 ゆりさん

若い頃に婚約破棄されたけど、不惑の年になってようやく幸せになれそうです。
この国の王が結婚した、その時には……
侯爵令嬢のユリアーナは、第一王子のディートフリートと十歳で婚約した。
政略ではあったが、二人はお互いを愛しみあって成長する。
しかし、ユリアーナの父親が謎の死を遂げ、横領の罪を着せられてしまった。
犯罪者の娘にされたユリアーナ。
王族に犯罪者の身内を迎え入れるわけにはいかず、ディートフリートは婚約破棄せねばならなくなったのだった。

王都を追放されたユリアーナは、『待っていてほしい』というディートフリートの言葉を胸に、国境沿いで働き続けるのだった。

キーワード: 身分差 婚約破棄 ラブラブ 全方位ハッピーエンド 純愛 一途 切ない 王子 長岡4月放出検索タグ ワケアリ不惑女の新恋 長岡更紗おすすめ作品


日間総合短編1位作品
▼ざまぁされた王子は反省します!▼

ポンコツ王子
イラスト/遥彼方さん
ざまぁされたポンコツ王子は、真実の愛を見つけられるか。
真実の愛だなんて、よく軽々しく言えたもんだ
エレシアに「真実の愛を見つけた」と、婚約破棄を言い渡した第一王子のクラッティ。
しかし父王の怒りを買ったクラッティは、紛争の前線へと平騎士として送り出され、愛したはずの女性にも逃げられてしまう。
戦場で元婚約者のエレシアに似た女性と知り合い、今までの自分の行いを後悔していくクラッティだが……
果たして彼は、本当の真実の愛を見つけることができるのか。
キーワード: R15 王子 聖女 騎士 ざまぁ/ざまあ 愛/友情/成長 婚約破棄 男主人公 真実の愛 ざまぁされた側 シリアス/反省 笑いあり涙あり ポンコツ王子 長岡お気に入り作品
この作品を読む


▼運命に抗え!▼

巻き戻り聖女
イラスト/堺むてっぽうさん
ロゴ/貴様 二太郎さん
巻き戻り聖女 〜命を削るタイムリープは誰がため〜
私だけ生き残っても、あなたたちがいないのならば……!
聖女ルナリーが結界を張る旅から戻ると、王都は魔女の瘴気が蔓延していた。

国を魔女から取り戻そうと奮闘するも、その途中で護衛騎士の二人が死んでしまう。
ルナリーは聖女の力を使って命を削り、時間を巻き戻すのだ。
二人の護衛騎士の命を助けるために、何度も、何度も。

「もう、時間を巻き戻さないでください」
「俺たちが死ぬたび、ルナリーの寿命が減っちまう……!」

気持ちを言葉をありがたく思いつつも、ルナリーは大切な二人のために時間を巻き戻し続け、どんどん命は削られていく。
その中でルナリーは、一人の騎士への恋心に気がついて──

最後に訪れるのは最高の幸せか、それとも……?!
キーワード:R15 残酷な描写あり 聖女 騎士 タイムリープ 魔女 騎士コンビと恋愛企画
この作品を読む


▼行方知れずになりたい王子との、イチャラブ物語!▼

行方知れず王子
イラスト/雨音AKIRAさん
行方知れずを望んだ王子とその結末
なぜキスをするのですか!
双子が不吉だと言われる国で、王家に双子が生まれた。 兄であるイライジャは〝光の子〟として不自由なく暮らし、弟であるジョージは〝闇の子〟として荒地で暮らしていた。
弟をどうにか助けたいと思ったイライジャ。

「俺は行方不明になろうと思う!」
「イライジャ様ッ?!!」

側仕えのクラリスを巻き込んで、王都から姿を消してしまったのだった!
キーワード: R15 身分差 双子 吉凶 因習 王子 駆け落ち(偽装) ハッピーエンド 両片思い じれじれ いちゃいちゃ ラブラブ いちゃらぶ
この作品を読む


異世界恋愛 日間4位作品
▼頑張る人にはご褒美があるものです▼

第五王子
イラスト/こたかんさん
婿に来るはずだった第五王子と婚約破棄します! その後にお見合いさせられた副騎士団長と結婚することになりましたが、溺愛されて幸せです。
うちは貧乏領地ですが、本気ですか?
私の婚約者で第五王子のブライアン様が、別の女と子どもをなしていたですって?
そんな方はこちらから願い下げです!
でも、やっぱり幼い頃からずっと結婚すると思っていた人に裏切られたのは、ショックだわ……。
急いで帰ろうとしていたら、馬車が壊れて踏んだり蹴ったり。
そんなとき、通りがかった騎士様が優しく助けてくださったの。なのに私ったらろくにお礼も言えず、お名前も聞けなかった。いつかお会いできればいいのだけれど。

婚約を破棄した私には、誰からも縁談が来なくなってしまったけれど、それも仕方ないわね。
それなのに、副騎士団長であるベネディクトさんからの縁談が舞い込んできたの。
王命でいやいやお見合いされているのかと思っていたら、ベネディクトさんたっての願いだったって、それ本当ですか?
どうして私のところに? うちは驚くほどの貧乏領地ですよ!

これは、そんな私がベネディクトさんに溺愛されて、幸せになるまでのお話。
キーワード:R15 残酷な描写あり 聖女 騎士 タイムリープ 魔女 騎士コンビと恋愛企画
この作品を読む


▼決して貴方を見捨てない!! ▼

たとえ
イラスト/遥彼方さん
たとえ貴方が地に落ちようと
大事な人との、約束だから……!
貴族の屋敷で働くサビーナは、兄の無茶振りによって人生が変わっていく。
当主の息子セヴェリは、誰にでも分け隔てなく優しいサビーナの主人であると同時に、どこか屈折した闇を抱えている男だった。
そんなセヴェリを放っておけないサビーナは、誠心誠意、彼に尽くす事を誓う。

志を同じくする者との、甘く切ない恋心を抱えて。

そしてサビーナは、全てを切り捨ててセヴェリを救うのだ。
己の使命のために。
あの人との約束を違えぬために。

「たとえ貴方が地に落ちようと、私は決して貴方を見捨てたりはいたしません!!」

誰より孤独で悲しい男を。
誰より自由で、幸せにするために。

サビーナは、自己犠牲愛を……彼に捧げる。
キーワード: R15 身分差 NTR要素あり 微エロ表現あり 貴族 騎士 切ない 甘酸っぱい 逃避行 すれ違い 長岡お気に入り作品
この作品を読む


▼恋する気持ちは、戦時中であろうとも▼

失い嫌われ
バナー/秋の桜子さん




新着順 人気小説

おすすめ お気に入り 



また来てね
サビーナセヴェリ
↑二人をタッチすると?!↑
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ