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14/26

14.ストロベリー侯爵、私を溶かす。

 シャロットの実の母親、ラヴィーナの行方を探すと私は決めた。


 でもどうしよう、最初から手詰まりすぎる!


 どこからどう手をつけたらいいのか、本当にわからなかった。なんておまぬけ。

 だって、人探しなんてしたことないもの……!

 はい、言い訳、ごめんなさい。


 とりあえず町に行って、「聞き込みしてきます」って出かけようとしたら、イシドール様にめちゃくちゃ止められた。


「君は、シャロットがはぐれた日のことを忘れたのか? 俺にまたあんな思いをさせるつもりか」


 って。

 私、実家にいた頃は、平気で一人で街を歩いてたんだけど。

 でも確かに、今は書類上だけとはいえ、侯爵の妻だものね。


 結局イシドール様が、信頼できる情報屋を雇ってくれて、徹底的に調べてもらうことになった。


「私、ただぼんやりしてるだけのつもりはなかったんですけど……」


 思わずそうこぼすと、イシドール様は困ったように笑う。


「君が傍にいることの方が、ずっと大事だ。シャロットのために……わかるだろう?」


 ……それはそうかもしれない。

 シャロットは今、とても繊細になっているから。


 ラヴィーナさんのことを話してから、シャロットは前より少し静かになった。もちろん、相変わらず天使みたいに可愛くて、笑ってもくれるんだけど──

 ふとした拍子に、ぴたりと声が止まる時がある。

 私の顔をじっと見つめる目に、言葉にできない不安が滲んでいることも──





 そんな、ある日のことだった。


 シャロットはお昼寝の時間なのに、どうしても眠れなかったみたいで、私の部屋にやってきた。

 お気に入りの毛布をぎゅっと抱えて、扉のところで立ち止まってる。


「どうしたの? 来ていいのよ」


 そう言って手を広げたら、ぽてぽて歩いてきて、私の膝にすとんと座った。

 しばらく何も言わずに、私の胸に頬を寄せてくるだけ。

 それがいつもと少し違って、私は背中をゆっくりさすりながら、ただ黙って待った。


 そしたら、小さな声がして。


「……レディアおねえちゃんも、いなくなっちゃう?」


 天使みたいなシャロットが不安に沈む瞬間……それが、本当につらい。


「どうしてそう思うの?」


 否定するのは簡単。でも根本を探らなきゃ。


「だって、シャル、わるい子だもん……」


 心臓が、きゅうってなる。

 悪い子? どこが? シャロットに悪いところなんて、一つもないのに。


「シャロット、悪い子なの?」

「だって、おひるねのじかんなのに、おきてるもん……っ」


 ちょ、どれだけ天使……!


「大丈夫よ、シャロット。眠れない時は誰にだってあるもの。きっと、お姉さんになった証拠よ。ほら、大人はお昼寝なんてしないでしょう?」


 私がそういうと、シャロットはほっと息を漏らした。


「なんだ……じゃあシャル、わるい子じゃない?」

「当然よ!」

「だったら、すてられない? いらない子じゃない?」


 シャロットが必死になって縋るように聞いてくる。

 捨てるわけ、ないのに……いらない子なわけ、ないのに……!


「当たり前よ。捨てたりなんて絶対しない。いらないなんて思うわけないでしょう?」

「シャル……いい子にするから……もっといい子にする!」

「シャロット……あなたはもう、十分にいい子なのよ……!」


 ぎゅうっとシャロットを優しく、でも強く抱きしめる。

 イシドール様が、ずっとラヴィーナさんを死んだことにしていた理由がわかった。

 本当に繊細なんだ、この子は……。

 ラヴィーナさんの駆け落ちを伝えて不安定な状態をとるか、死んだことにして安定を図るか。

 その二択で、イシドール様は後者を選んだ。


 今のシャロットのこの状態を見れば、それは正解だったと思う。

 だけどもう、彼女は真実を知ってしまった。

 この状態から抜け出すためには、やっぱり……ラヴィーナさんの言葉が必要なんだ。

 捨ててなんかないっていう、彼女の言葉が。


「シャル、パパにすてられたら、どうしよう……」

「あなたのパパは、絶対にそんなことしないわ」

「レディアおねえちゃん……シャル、いい子にするから……すてないでぇ……すてちゃやだぁ!」

「シャロット!」

「うわぁぁぁあん!!」


 大泣きを始めたシャロットを、私は力一杯抱きしめる。

 やがて泣き疲れて眠ったシャロットを手の中に、私は息を吐いた。


 もし、ラヴィーナさんを探し出せなければ、シャロットはずっと不安定なまま──?


 私は地下にいる彼女のことを思い浮かべる。

 心が壊れてしまった、憐れなクラリーチェのことを。

 彼女は今も地下で治療を受けている。

 家礼のエミリオが毎日クラリーチェに話しかけているらしいけれど、何も変わりはないって。

 人の心は、ちょっとしたことがきっかけで、ああして壊れてしまうものなんだ。


 このままじゃ、シャロットも同じ道を辿りそうな気がして……ゾッとした。


 だけど、ラヴィーナさんを見つけ出せたとしても──もし彼女がシャロットに会いたくないって言ったら?

 なんとか会えたとしても、捨てたんだって、いらない子なんだって言ってしまったら?


 娘より、恋を選んだって事実は……シャロットにとって、捨てられたも同然だから。


 きっとラヴィーナさんなら、シャロットを愛してるって言ってくれるって信じてる。

 けど、もし言ってくれなかったら……そう思うと、体が震えた。


 そして実際に、シャロットを愛していた場合でも。

 もしも母娘で一緒に暮らすことを望んだらと考えると、胸が苦しくなる。

 イシドール様は、シャロットの願いを拒否したりしないもの。自分がどれだけつらくても。

 イシドール様だけじゃない。私だって、今さらシャロットのいない生活なんて考えられない。

 毎日、泣いてしまうかもしれない。


 まだ決まりもしていない未来を想像して。

 私の涙は、勝手に溢れた。




 夜。

 シャロットの寝顔を見届けて部屋を出た私は、静かに廊下を歩いていた。


 向かう先は、イシドール様の部屋。


 扉の前で一度、深呼吸。

 ノックするとすぐに、低く落ち着いた声が返ってきた。


「どうぞ」


 扉を開けると、イシドール様はソファに腰を下ろし、ランプの灯りだけで本を読んでいた。珍しく眼鏡をかけていたせいか、一瞬で妙なときめきが走る。


「……どうした?」

「少し、お話……したくて」


 本を閉じて眼鏡を置き、私に手を差し伸べるイシドール様。

 その手を取ると、私の腰を引き寄せるようにしてソファへといざなわれた。


「シャロットのことか?」


「……はい。今日、泣いたんです。たくさん。『いい子にするから、捨てないで』って……」


 話してるうちに、目の奥が熱くなった。

 イシドール様は何も言わず、私の肩をそっと抱き寄せてくれる。


「本当に……繊細な子なんですね、シャロットって。今はもう平気そうに眠ってますけど……」

「君のおかげだな」

「そんなこと……」

「いや、本当だ。俺だけじゃ、きっと抱えきれなかった」


 その声が、あまりに優しくて。

 不意に、涙がぽろりとこぼれてしまった。


「未来が、怖いんです。ラヴィーナさんを見つけても……どうなるかわからない。ごめんなさい、私が言い出したらことなのに……」

「でも君は続けるんだろう?」

「……はい」


 確かな決意を向けると、イシドール様は少し笑った。


「そうだと思った」


 その声に、胸の奥がじんわりと熱を持つ。

 私……イシドール様の優しさに甘えに来ちゃっただけだ。

 自分で決めたことだったのに……情けない。


「申し訳ありません、こんな夜に」


 慌てて立ち上がろうとすると、緊張がほどけたせいか、ふいに足元が揺れる。


「っと……」


 次の瞬間、ふわりと体が浮いた。

 イシドール様が、バランスを崩した私を抱き上げていて。


「えっ、ちょ……!」

「足がふらついていた」


 そのまま、膝の上に座らされる。

 子ども扱いされているわけじゃない。

 まるで、大事な宝物のように──両腕に抱かれてる。


 何これ……息が詰まりそう。


 すぐ目の前に、イシドール様の顔。

 吐息すらかかるほどの距離。

 動いたら、頬が触れてしまいそう。

 目を逸らすこともできない。

 イシドール様の瞳が、真っ直ぐに私を貫いて──


「こんなに熱があるのに……君は自覚ないんだな」


 囁く声が、皮膚に染み込むように響く。


 どういう意味ですか、それ……頭も痛くないし、熱はないと思うんですが。


 イシドール様の手が、私の背を撫で、髪を梳き、うなじへとゆっくり添ってくる。


 鳥肌が立つほど、優しいのに──

 その手は、熱くて。


 あ。熱って、そういう意味!?


「イ、イシドール様……?」


 声が震える。息も、うまく吸えない。

 だけど体は──腕の中にすっぽりおさまっているこの状態を、喜ぶように震えを見せた。


 イシドール様の綺麗なアイスブルーの瞳が、じっと私の目を覗き込んでくる。


 目が離せない。

 吸い込まれちゃいそう。


「……俺が抑えきれないと思ったら、止めてくれるか?」

「……え?」

「自信がない」


 自信……え、何の?


 理解が及ぶ前に、イシドール様は私の指を取った。

 指先が、イシドール様の唇に……


 触れそうで、触れない。


 なのに……ぞくってした。

 触れてないのに、どうして……!

 心臓が跳ね上がる音が聞こえてしまいそうで、怖い。


「レディア。君は今、自分がどんな顔してるのか、わかっているか?」


 どんな……って。

 どんな顔してるの? 私。


 問われても言葉にならなくて。

 ただ、イシドール様から目が離せない。


 無意識に、私は少し身じろぎした。


「っ!」


 イシドール様の、息を呑む音。

 いつの間にか、唇が触れそうな距離にまで接近していて──


 イシドール様が、ふっと笑みを漏らした。


「……今の君に手を出すのは、卑怯だな」


 そっと、私を下ろしてくれる。


「え、えーっと……?」

「俺が欲しいのは、ちゃんと理性のある君だから」

「今、私、理性的じゃありませんでしたか?」


 イシドール様は私の問いには答えてくれなかった。

 返事の代わりにとばかりに、頬に指を添えて、そっとなでてくれる。ただ、それだけ。


「えと……戻りますっ」

「……そうか。また、いつでも来てくれ」


 イシドール様はそう言って笑って。


「お、おやすみなさいっ」

「おやすみ、レディア」


 そんな甘い声を背に、私は逃げるように部屋を出た。



 寝室に戻った瞬間、私はベッドに倒れ込む。


 何だった……? 今のは一体、何だったの!?


「む、むり……むりむりむり……」


 シーツの上を転がる。


 あああああああ。


 ……ああぁぁぁぁあああああ!!


 今さらながら、顔が熱くなってきた!


 だって、あんな近くで、見つめられて。

 あんな優しい声で、囁かれて。

 膝の上に乗せられて──頬とか、髪とか、なでられて──

 指に、唇が……! 当たりそうで当たらなくて!

 なのにぞわってして!!

 何なの、あの感覚ー!!


「んんんんんんんんん〜〜ッ!!!!!」


 自分の悲鳴で枕が震える。

 全身が、熱い。まだ火照ってる。

 思い出すだけで、体が変になりそう!


「なんなの、あれ……あんなの、どうしろって言うの……誰か正解教えて!!」


 心臓が何度も跳ねる。

 落ち着こうとしても、無理すぎる。

 目を閉じても、浮かぶのはイシドール様の顔ばかり。


 低い声。やわらかい目。

 すぐそばで感じた、あの熱──


 イシドール様の吐息の感触が、まだ消えない。


「はぁ……っ……もう、どうしよう……」


 何にもしてないのに。

 結局何にもなかったのに、全身がとろけそうになってる自分が信じられない。


「なにあれ……なにあれ……むり……あんなの、むりむりむり……」


 頬を抑えてベッドに突っ伏したまま、転がる、転がる、転がる。


 ごろごろごろごろ。


 熱が引かない。

 お腹の奥が、きゅうってなる。


 ……あんな風に優しくされたら。

 あんな風に見つめられたら──


「私……あのまま、キスされても……よかっ……」


 思わず漏れそうになった本音に、さらに顔が火照る。


「わ~~~~っ!! ダメダメダメダメ! 何考えてんの私ッッ!!」


 今日もう絶対眠れないやつ!

 頭の中、イシドール様でいっぱい。

 これ、もう明日顔合わせられない。


「ああああもう、イシドール様かっこよ過ぎない? 優しいし、包容力あるし。誰よ、恐怖侯爵なんて言うのは! 思いっきりストロベリー侯爵じゃないのー!」


 私はぎゅっと枕を抱き抱えて。


「は~~~~~~……好きすぎる~~~~……っ!」


 本音が、漏れた。ダダ漏れた。

 もう、本当に、もうダメだ。

 胸がぎゅうぎゅうして死ぬ。多分死ぬ。


 そんな風に枕に顔を埋めたまま、私は一人、熱に溶けていった──



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