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【野良猫、猫生を満喫する】

いくら可愛くても

猫に人間の食べ物や

お菓子を与えるのは止めましょう。

早いものでもう四ヶ月


だいぶ俊敏に動けるようになり

母猫からの強制連行もされなくなった。


情報収集もだいぶ進み

活動テリトリーも大きくなった。


さて、今日も情報収集!

と、いきたい所ではあるが

「腹が減っては冒険ができぬ!」と

昔からある格言のように

腹ごしらえは大切である。


なので情報収集の前に

食料調達を実行する事にした。


住処にしている廃墟を抜け

軽快な足取りで

人通りのある道へ向かう。


だいたい朝のこの時間

もうそろそろ来ると思うのだか・・。


「あ、シロちゃんオハヨー!」


ヒラヒラとした

同じ服装の集団の中に

俺の事をシロと呼ぶ

「ジョシコーセイ」なる少女が

俺に向かって駆け寄ってくる。


この少女は「ジョシコー」なる

宗教団体に属しており

毎朝欠かさず

お祈りに行っているようだった。


その規模は中々大きいらしく

その教団の服を纏った

「ジョシコーセイ」と呼ばれる信者達が

毎朝大量にこの道を通過して行くのだった。


「おはようシロちゃん!」


ジョシコーセイ・・名前を

ミナセアオイと言うらしいが

少女が俺の前で屈み

笑顔を向けて話しかけてくる。


「ニャー」


俺もしっかりと返事をする。


言葉は通じてないかもしれないが

人間でも動物でも挨拶は重要なのである。


・・それはいいのだが

毎度毎度このヒラヒラは

無防備過ぎではないだろうか?


位置や身体の大きさ的に

その内側が見えてしまう。


俺は元人間だったとはいえ

今はもう立派な猫だ。

なので人間の女に

邪な感情を向ける事はそうないのだが


それでも元人間の記憶があるので

背徳感と言うか・・

ついチラチラ見てしまう・・・黒か。


「シロちゃん何見てるのー?」


不思議そうに話しかけてくる少女に視線を戻し

首などを撫でられながら

ゴロゴロと喉を鳴らす。


「んー!今日も可愛いねー!」


可愛い。

正確には俺はオスなので

カッコイイが正解なのだが

まぁ器の大きい俺は

この際、些細な事は気にしない。


それより食事だ!


「ニャゥ!ニャゥ!」


俺は自分の鳴き声に

魔力を混ぜこみながら

アオイに思いをぶつける。


俺の昔居た世界の

基礎的な魔法である翻訳魔法


まぁ翻訳と言っても

あくまで「思い」を伝える魔法で

言葉を翻訳している訳ではない。


それに種族が遠ければ遠い程

相手に伝えたい思いの精度が下がり

消費する魔力の量が増えたりもする。


「あ!お腹空いてるんだねー。

ごめんごめん。」


よし!今回もしっかり伝わったようだ!

まぁ、ほぼ毎日おねだりしてるので

伝わるとは思っていたけれど。


少女は小分けになった

キャットフードの袋(通称カリカリ袋)と

もう俺専用で持ち運んでいる

水入れを取り出して俺の前に置いた。


「さぁ、どうぞ召し上がれー」


うむ、くるしゅうないくるしゅうない


俺はさっそく少女の準備してくれた

カリカリを頬張る。


カリッ!カリッ!と口の中に広がる食感!

その後にじんわりと溶けだす旨味とコク!

そして、乾いた喉を潤す

クセも臭いも無く透き通った水!


しかもこれがタダ!


昔の世界

まだ人間だった頃でさえ

こんな豪華な食事はしていなかったかもしれない。


宿屋で食事を注文すれば

少し鮮度が落ち

味も食感も薄い食べ物が出され


水を注文すれば

色の少し濁った

どこか泥臭さが残る

なまぬるい水が出される。


しかし、この世界はどうだ!?


魔物や野盗などに襲われる事もなく

それらと命がけで戦い

金銭を稼がなくてもいい世界!


俺が一言「ニャー」と鳴けば

少女が豪華な食事を貢いでくれる世界!


何だこの世界は?ここは天国か!?


そんな事を考えていると・・


「わー!なにこの子カワイー!」

「フワフワだー!

葵!私にもさわらせて!」


周りに居たジョシコーセイ達も寄ってくる


よし、いいぞ!


ここで地面をゴロゴロして猫アピール!

いつもより

多めにゴロゴロしております!


「ニャー!」

さぁ、見たからには

食べ物を置いていくんだ!


「カワイー!え、お腹空いてるの?

じゃあポッ○ーあげちゃう!」

「フワフワー!あ、何か食べたいの?

えっと・・あ、

カバンにじゃ○りこ入ってた!」


ジョシコーセイ達が

次々と俺に食べ物を貢いでゆく

・・あぁ、なんて素晴らしい世界なんだ。


~キャラ紹介~


水無瀬葵(ミナセアオイ)

動物好きの女子高生。

通学路で出会ったシロを可愛がっている。

毎日、コンビニで買ったキャットフードと

パンチラをシロに与えている。

この物語に興味を持っていただいて

ありがとうございます!


4話は明日

10月28日 7:00に投稿予定です!


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