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( 23 )新しい町造りの計画

またまた、あっという間に、神殿へ戻ったセレナ。来た時は何日もかけたのが、バカらしくなる。



(魔法で飛ぶと、簡単なのねー♪)



空を鳥のようにビュンビュンと飛ぶのは気持ちいい。木の枝に埋もれた神殿では、村人が木を切り倒していた。



「お疲れ様、進んでる?」



そう、声をかけると返事するのはオスマントウス。セレナが頼んで神殿の管理を任せていた。



「疲れるのって、ないぜ。お前は、魔法で飛んでりゃいいけど。汗だくになってやって、1日に何本を倒せんだよ。綺麗にすんのは、百年かかるぜ!」



言われてみれば、確かに。セレナは、「分かった」と両腕を広げる。



「ON、魔力解放ーー!」



自分の魔力だけでなく、試験的に贈り物の魔力も少しだけ使った。身体の中のポケットから取り出して、爆発を誘導。



ドゴーーン、ガンゴンガンゴン、ガラガラ!



あっという間に、大木がなぎ倒される。神殿の回りは、明るくなった。

日差しを遮る物が無くなって。オスマントウスは、斧を放り投げた。



「チクショー、やってらんねえ。俺たちは、いったい、何をやらされてたんだ。こんなに簡単にやれるなら、1人でやれよ!」



腹を立てるのは、当然。他の村人は苦笑い。そして、セレナに頼んだ。



「家族と皆で神殿の側に住みたいんですがねえ。家を建てる土地を作ってもらえますか。」



ああ、土地ね。その瞬間、頭の中に地図が浮かんだ。それを使ってくれと言われているかのようだ。


では、期待に応えて。再度、魔力を使います。



ガタガタ、ゴゴゴゴゴゴゴゴーー。



座ったセレナが地面に両手をつけて魔力放出。皆、地面が大揺れで立ってられない。四つん這いになる。



「あ、あれは何だ!」



地面の中から現れる岩。いいえ、それは、町の建物の石壁だったのです。

屋根や戸口は朽ち果てて失われていましたが。集落の遺跡が、現れました。


住宅問題も、あっさりと解決しました。










ジミーさんの空飛ぶテントが、神殿へ飛んで来た。さすがに、長距離は無理だったが。セレナの魔法で山を越えて来ました。



「ここは、古い建物をリメークして住む事にしたんです。ジミーさん、手伝ってくれませんか?」



今から造って行く町。人手は足りない。コツコツやる事の好きなジミーには、願ってもない仕事だった。



「ありがとう。その仕事、受けさせてもらうよ。」



ジミーは、子供たちと町の一角に家を構えて住み着く事になりました。


セレナが魔法で住んでいた町から荷物を移す。荷物の整理を手伝っていたセレナは、額縁を見つけた。



「それ、ママだよ。僕の!」



小さなジェイミーが、指差して教えてくれる。セレナは、目を丸くして見つめた。



「これって、リリィさん!」



ジェイミーの姉のジェニーが、笑顔で言った。



「そうよ。ママの名前はリリィなの。」



額縁の中の美人の絵は、セレナの知っている人だった。

赤毛の女性は、仕事紹介所で住む場所とメイドの仕事を世話してくれた恩人だ。



「ジミーさんの奥さんは・・、亡くなってる。ていう事は、幽霊!?」



衝撃の事実だった。話もしたし、メークのやり方も、教えてくれたのに。生きてる人間では、無かったのだ。


ショックに、セレナは座り込む。信じられなかった。









セレナは客を迎えた、神殿の主として。隣りには、アネモネが立っている。セレナの片腕として働いていた。




「フィリップスさんて、どんな方なんですか?」

「マザコンの若様です。」

「え、マザコンですか?」




アネモネの頭の中に妙なイメージがついてしまったようだ。


育った村はジャングルの側で、(たくま)しい男ばかりだ。想像できないだろう。


神々しく輝いて見える神殿の建物。覆っていた木が取り払われ、足元には町並みが広がっている。


見違えるように、再生した姿だった。その通りを神殿へ向かって来る馬車。フィリップスだ。



「セレナー、僕だよ。会いに来たよ!」



馬車が着くと、待ちきれないように駆けて来る。子供みたいだ。輝くような笑顔で、セレナに飛び付いてくる。



「きゃあー!」

「あ、ご、ごめんなさい!」



フェイント、成功。セレナは、寸前でアネモネと入れ替わったのだ。アネモネには、悪いと思うけど。


顔を赤くしたアネモネは、同じように顔を赤くしたフィリップスに謝られた。2人は、ぎこちなく、自己紹介をし合う。




「私は、聖女セレナ様のお手伝いをしているアネモネです。」

「私は、セレナちゃんの知り合いのフィリップスです。セレナちゃんの暮らしてる町が見たくて、来ました。」




フィリップスの乗って来た馬車から降りて来たのは、ベリィだった。セレナは、喜んで迎える。




「ベリィさん!どうして、フィリップスさんと一緒なの?」

「私は、フィリップスさまの契約魔法使いなんです。セレナさん、悪戯はいけませんよ。」




さすが、魔法使い。バレたようです。セレナは、首をすくめた。ベリィは、ある事をセレナに教える。



「フィリップスさまはある方と親しくなって、この旅に誘われました。あなも知ってる方です。」



セレナは、嫌な予感がした。その通りに、フィリップスの馬車の後に、もう1台の馬車が止まる。


見覚えがある。あれは、第2王子の馬車だ。セレナは、頭の中で悲鳴を上げた。なのに、王子は笑顔でセレナに挨拶をしてくる。


自分が何をしたのか、忘れたのかしら。私に乱暴したくせに!




「フィリップスが行くという話を聞いて、私も来ました。石ころセレナ、久しぶりだな。」

「ようこそ、歓迎します。カエルレウム王子さま(いやー!)」




何とか、笑顔をかえしたものの、この前の不快感は残っていて話しをしたくない。会いたくも無かったのに。



(また、悪寒がゾクゾクと。あれ?しない。どうして?)



何時もの寒気がしません。変な気分です。空気を読まないフィリップスが、言い出した。



「こんなモテ男が、2人もですよ。セレナちゃん、カエルレウムさんかベリィと結婚しない?」



どうして、この2人なんだか。




「フィリップスさんが、入ってない。どうして?」

「いやあ、僕は婚約してるから。」

「え、婚約してるの!」

「そうなんだ。子供の時に決められてしまってて。もう少ししたら、結婚式なんです。」




一同、驚く。皆、セレナと結婚したくて追い回していると思ってました。決まった相手とは、どんな人?



「婚約者は、25歳上の未亡人です。僕の家は女の子が家を継ぐので、男の子は出されるのがしきたりですから。もらってくれる相手がいて、良かった。」



何故か、幸せそうに見えない。親子ほどに歳の違う相手と、本当に結婚したいのだろうか。


マザコンの脳天気な若様だと思ってたのに、セレナは心配になっていた。










今夜は、お客様を迎えての晩餐会。フィリップスと第2王子とベリィの3人だが、セレナとアネモネはドレスアップしてみた。


これから、外交もしなくてはいけないので練習もかねて。



「セレナちゃん、綺麗だよ!」



そうやって、褒め称えるフィリップスに婚約者。信じられない話だ。第2王子が、気持ちのこもってないお世辞。



「本当だ、綺麗だよ。」



あなたには、使い古した台詞でしょうよ。と、ムカツクセレナ。


アネモネは、第2王子が水のように酒を飲んでる事に気がついた。あれじゃ、潰れます。



「私は、セレナが好きみたいなんだ!」



始まりました、酔っぱらい状態。視線の定まらない目で、セレナを見据える。怖い暗いの眼差しだ。




「どうした?私は、お前に好きだと言ったのだぞ。」

「だから、どうしたいの?(何、それ!)」

「なんだ、その言い方は。年下じゃないか!』

「年下だろうと、乱暴な人は嫌い!(ひええ!)」




第2王子は、怯えた目で見る少女を見返した。白い肌に黒い髪。あの青い瞳といったら、例えようがない。


だが、私は、この子に好かれてない。



「嫌い、か。分かった。」



そう言うと、第2王子はテーブルを立つ。そして、部屋へ戻り、翌朝の早くに帰ってしまった。喧嘩分かれだ。

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