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名前を呼びながら、第2王子は穴に飛び込もうした。それを付き人や兵士が止める。




「お止め下さい、王子さま!」

「セレナが、落ちたんだ。助けに行かなくては。」

「危険です、避難しましょうー。」

「私は、セレナを助けに行く。離せ!」




皆で飛び込もうとする王子を捕まえて広間から出る。引きずられながら、王子は床に空いていた穴が消え去るのを見た。



「セレナーー!」



セレナが戻って来ないかもしれないと考えただけで、どうしょうもない不安に震えた。











穴に落ちたセレナは、名前を呼ばれたよに思えた。誰かの叫ぶ声が、聞こえる。それは、声高に宣言していた。




『この子を殺すのなら、私を先にしなさい!』




強い決意に満ちた声だった。それが誰なのかを確かめたかったが、目が開かない。重たくて。


柔らかい手が優しくセレナを抱いた。その温もりにホッと息をつく。怖かったからだ。



(私、怖がりなの。乳母は、ウサギの心臓だからと言ってたわ。試合なんて嫌だったのよ!)



どうして、血の繋がった妹と闘わないといけないの。王様なんて、なりたいわけじゃないのに。


優しい人は、ぎゅっと抱きしめてくれた。その後、意識が無くなったのだ。誰かも分からないまま。










氷の塊となったセレナを黒い羽を持った悪魔が救い出す。夢を見ていたセレナは、現実と夢の区別がつかないようだ。


フフッと、悪魔はおかしそうに笑っている。




「あ・・、アニ何とかの霙さんだ。」

「はい、何とかのオジサンですよ。ほら、目を覚まして。」

「起きてますってば。」

「ダメだ、こっちに来る。また、後で。」




助けに来たアニアグエベだが、やって来る魔力の気配に姿を消した。

意識の朦朧(もうろう)としているセレナを連れての戦いは不利だと判断したのだ。


おまけに、ここは、敵の陣地。向こうの思いのまま。動きようが無い。



ガンガン、ガンガンガッシャーン!



石積みの壁が形を変えて入り口が開いた。そこから、セレナを襲った大蛇が現れる。鎌首を持ち上げて、辺りを見回した。


アグアニエベの気配を感じたのだろう。セレナは慌てて壁まで逃げた。




「来ないで。蛇は好きじゃないの!」

「これは、失礼いたしました。ですが、この神殿を守る神獣なのです。お許しください。」

「こっちへ、来させないでよ。あっちへ行って。」

「これ以上は、近寄りません。ご安心ください。聖女さま。」




おかしな事を言う。セレナが、「聖女さま」と勘違いしているのだ。



『私は、疲れました。待つ事に。だから、誰でも良いから渡す事を決めたのです。』



ちょっと、ムッとする話。誰でもいいからって、何?それが私なら、もう少し言い方があると思うの。


あなたをお待ちしていましたかとかねえ。









目の前に現れた光の人は、うなだれて言う。




『ここは、神への愛情で満たされていました。まさか、見捨てて行くとは。想像もしなかった。』



何故だろう。セレナの胸に辛い気持ちが入ってくるみたい。心がリンクした感じだ。そして、頭の中に、賑やかな神殿の映像が浮かぶ。


ある日、神殿を守ってきた王が別の神殿を建てた。自分が神だと宣言したのだ。



『そんな事、誰も信用しないと思っていたのです。神殿の聖女も巫女たちも。裏切られました。ここへ来る人は、1人も居なくなったのです。』



見捨てられた神殿は荒れ果てて、蔦や雑草が蔓延り木が覆い消え去った。



『長い時を託す者を待っていましたが、現れませんでした。だから、遺産を聖女さまにお渡しする事に決めました。お受け取りください。』



なんだか、勝手に決めてるみたい。聞いてみたら、可哀想な話だけど。私は、聖女なんかじゃないし。



「あの、私は違うの。そんなんじゃないの。石ころセレナとか呼ばれてるし。」



あら、返事が無い。どうしたの?



ドドーーンッ!



セレナは、身体に衝撃を受けて倒れ込む。何が当たったのだろう。モンスターに直撃されたよな身体の痛み。



「痛っーー、たっ!」



どうしょう、起き上がれない。手足を動かしただけで、痛さが増す。どうしたの、私?


聞き慣れた声が、上からする。




「あ、その声。きっと、雫!」

「呼び捨てですか、いいですけど。」

「ねえ、オジサン?」

「はい、何ですか?」

「私、まずいの。起きれない。」

「でしょうねえ。」

「えっ?」

「だって、聖女の魔力の遺産を頂いちゃったし。相当な力ですよ。」




ええー、いらないのに。そんなもの、必要ないのに。使ってない魔力もあるのに、どうするるのよ!




「痛みが引くまで、何日かは寝てないといけませんね。その間、新しい魔力を予備のポケットを作って入れる。ですか。」

「そうね、そうするしか。何で、魔力を身体の中のポケットに隠してるを知ってるの?」

「私には、何でも分かる。神さまと親しいからね。」




信じられない、神さまと親しいとか言うオジサン。セレナは、お愛想笑いをした。




「セレナさん。早く、新しいポケットを作って魔力を整理して下さい。ここを出ますよ。」

「え、出る?私、動けないんだけど。」

「神殿の結界が失くなったので、モンスターが入って来るでしょう。今まで入れ無かったから、暴れ放題でしょう。きっと。」

「モンスター?やる、やるから。すぐに!」




仕方ありません。この状態では、モンスターと戦えないから。贈り物なんか、必要なかったのに!

名前を呼びながら、第2王子は穴に飛び込もうした。それを付き人や兵士が止める。




「お止め下さい、王子さま!」

「セレナが、落ちたんだ。助けに行かなくては。」

「危険です、避難しましょうー。」

「私は、セレナを助けに行く。離せ!」




皆で飛び込もうとする王子を捕まえて広間から出る。引きずられながら、王子は床に空いていた穴が消え去るのを見た。



「セレナーー!」



セレナが戻って来ないかもしれないと考えただけで、どうしようもない不安に震えた。











穴に落ちたセレナは、名前を呼ばれたように思えた。誰かの叫ぶ声が、聞こえる。それは、声高に宣言していた。




『この子を殺すのなら、私を先にしなさい!』




強い決意に満ちた声だった。それが誰なのかを確かめたかったが、目が開かない。重たくて。


柔らかい手が優しくセレナを抱いた。その温もりにホッと息をつく。怖かったからだ。



(私、怖がりなの。乳母は、ウサギの心臓だからと言ってたわ。試合なんて嫌だったのよ!)



どうして、血の繋がった妹と闘わないといけないの。王様なんて、なりたいわけじゃないのに。


優しい人は、ぎゅっと抱きしめてくれた。その後、意識が無くなったのだ。誰かも分からないまま。










氷の塊となったセレナを黒い羽を持った悪魔が救い出す。夢を見ていたセレナは、現実と夢の区別がつかないようだ。


フフッと、悪魔はおかしそうに笑っている。




「あ・・、アニ何とかの霙さんだ。」

「はい、何とかのオジサンですよ。ほら、目を覚まして。」

「起きてますってば。」

「ダメだ、こっちに来る。また、後で。」




助けに来たアニアグエベだが、やって来る魔力の気配に姿を消した。

意識の朦朧(もうろう)としているセレナを連れての戦いは不利だと判断したのだ。


おまけに、ここは、敵の陣地。向こうの思いのまま。動きようが無い。



ガンガン、ガンガンガッシャーン!



石積みの壁が形を変えて入り口が開いた。そこから、セレナを襲った大蛇が現れる。鎌首を持ち上げて、辺りを見回した。


アグアニエベの気配を感じたのだろう。セレナは慌てて壁まで逃げた。




「来ないで。蛇は好きじゃないの!」

「これは、失礼いたしました。ですが、この神殿を守る神獣なのです。お許しください。」

「こっちへ、来させないでよ。あっちへ行って。」

「これ以上は、近寄りません。ご安心ください。聖女さま。」




おかしな事を言う。セレナが、「聖女さま」と勘違いしているのだ。



『私は、疲れました。待つ事に。だから、誰でも良いから渡す事を決めたのです。』



ちょっと、ムッとする話。誰でもいいからって、何?それが私なら、もう少し言い方があると思うの。


あなたをお待ちしていましたかとかねえ。









目の前に現れた光の人は、うなだれて言う。




『ここは、神への愛情で満たされていました。まさか、見捨てて行くとは。想像もしなかった。』



何故だろう。セレナの胸に辛い気持ちが入ってくるみたい。心がリンクした感じだ。そして、頭の中に、賑やかな神殿の映像が浮かぶ。


ある日、神殿を守ってきた王が別の神殿を建てた。自分が神だと宣言したのだ。



『そんな事、誰も信用しないと思っていたのです。神殿の聖女も巫女たちも。裏切られました。ここへ来る人は、1人も居なくなったのです。』



見捨てられた神殿は荒れ果てて、蔦や雑草が蔓延り木が覆い消え去った。



『長い時を託す者を待っていましたが、現れませんでした。だから、遺産を聖女さまにお渡しする事に決めました。お受け取りください。』



なんだか、勝手に決めてるみたい。聞いてみたら、可哀想な話だけど。私は、聖女なんかじゃないし。



「あの、私は違うの。そんなんじゃないの。石ころセレナとか呼ばれてるし。」



あら、返事が無い。どうしたの?



ドドーーンッ!



セレナは、身体に衝撃を受けて倒れ込む。何が当たったのだろう。モンスターに直撃されたような身体の痛み。



「痛っーー、たっ!」



どうしょう、起き上がれない。手足を動かしただけで、痛さが増す。どうしたの、私?


聞き慣れた声が、上からする。




「あ、その声。きっと、雫!」

「呼び捨てですか、いいですけど。」

「ねえ、オジサン?」

「はい、何ですか?」

「私、まずいの。起きれない。」

「でしょうねえ。」

「えっ?」

「だって、聖女の魔力の遺産を頂いちゃったし。相当な力ですよ。」




ええー、いらないのに。そんなもの、必要ないのに。使ってない魔力もあるのに、どうするるのよ!




「痛みが引くまで、何日かは寝てないといけませんね。その間、新しい魔力を予備のポケットを作って入れる。ですか。」

「そうね、そうするしか。何で、魔力を身体の中のポケットに隠してるを知ってるの?」

「私には、何でも分かる。神さまと親しいからね。」




信じられない、神さまと親しいとか言うオジサン。セレナは、お愛想笑いをした。




「セレナさん。早く、新しいポケットを作って魔力を整理して下さい。ここを出ますよ。」

「え、出る?私、動けないんだけど。」

「神殿の結界が失くなったので、モンスターが入って来るでしょう。今まで入れ無かったから、暴れ放題でしょう。きっと。」

「モンスター?やる、やるから。すぐに!」




仕方ありません。この状態では、モンスターと戦えないから。贈り物なんか、必要なかったのに!



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