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( 11 )ギルドで稼いできます

フィリップスから依頼された仕事が終了。これで、お茶に付き合わされずに済むと思ったら。




「僕、商売を始めるつもりなんです。故郷へ帰って正式な手続きをする為に戻って来ます。また、お茶しましょうね。」




名残惜しそうな若さま。セレナと別れるのが寂しそうだ。嫌いじゃないけど、恋人岬というと違うと思う。


そして、セイラは急に暇になった。仕事が切れたのだ。




「うちは、お得意さまばかりだからね。ある時と無い時がハッキリしてるんだ。だから、栄養ドリンクを作って売ってたんだが。壊れたから・・・。」




ジミーの寂しそうな声に、セレナ何とかしたいと考えた。どうにかして、機械を治せないものかと。










家に居るのが多くなったので、食材の買い出しをセレナは引き受けた。

今は、ジミーさん家族と食事をしている。料理は、ジミーさん担当。セレナは、料理は苦手だった。




「うーん、仕事ほしい。いい仕事ないかなあ。」




乳母の教育方針で、様々なアルバイトは体験させられた。そこで、料理が不向きだと悟ったから食べ物屋での仕事は無理。


ギルド協会の掲示板を見て、募集を見る。だが、仮免許の仕事は無い。




「わ、賞金だって。凄いー、欲しい!」




喉から手が出るとは、この事だ。危険度が高ければ、賞金も上がる。この金額なら、暫く仕事が無くても皆で暮らせる。


ジミーさんたちとは、家族だと思ってる。少しでも、助けてあげられたら。




「うん、頑張ってみる。私!」




魔法は、使えるんだから。やってみないと、分からない。大丈夫かも。


仮免許だけど、仮免許じゃない魔女よ。




「石ころセレナだって、やれるんだから!」




この際、あの嫌な王子を思い出して気力を高める。強くならなくっちゃ。










第2王子カエルレウムは、寒気がした。誰かに恨みをかっているような。




「カエルレウム王子さま、どうかされました?」




愛らしい姫が、動きを止めた相手に問いかける。カエルレウムは、微笑みかせた。




「マルガリータ姫。そろそろ、おいとま致します。夜も更けて参りましたので。」




立ち上がると会釈する。マルガリータ ディクソン公爵令嬢は、手を差し出した。王子は、その手に口付ける。




「舞踏会の夜は、楽しみにしておりますわ。」




それが、王子の誘いの返事だ。2人は、パートナーとして舞踏会へ出席する。それは、交際しているという事だった。


王子が帰ると、母親のディクソン公爵夫人が娘に念を押す。




「求婚は、近いかもしれませんね。1度は、持ち帰りなさい。少しは、待たせないと。」

「はい、お母様。」

「王さまが、王子たちに結婚相手を見つけるように命じたという噂は本当のようね。」




3人の王子たちは、貴族の舞踏会へ顔を出して相手を物色中。第2王子は、ディクソン公爵の姫を狙っているようだ。


カエルレウムは、馬車の中で考えていた。順調に花嫁選びは、進んでいる。だったら、悩む事など無いはず。

貴族の姫と婚約すれば、父王も安堵するはずだ。女癖の悪い第2王子だけに。




(何故だ。何故、あの娘の事を?)




自分でも、分からない。帰る事を告げた時にマルガリータ姫の差し出した手。一瞬、あの時と重なった。




『どうしたんでしょう。飛んで来ました、王子さま。』




手を差し出した娘の笑顔が、浮かんだのだ。自慢気に手の上に盗まれた宝石を乗せた姿。




(あの顔が、忘れられない!)




名前を口の中で呟く。結婚するつもりの姫の名は、思い出しもしないのに。


夜明け前にセレナは起き出して、家を出た。ジミーには、アルバイトだと言ってある。


実は、集団パーティーに申し込んでいた。本当の事を言えば、止められると分かっているからだ。



『時間限定採取作業( 冒険家が警護)

人数は、10名まで。

危険度20の山での魔法資材を集める仕事。

資格は、ギルド協会登録レベル15以上の剣使い、仮免許以上の魔法使い。

報酬は、取り高の40%を取り高払い。

怪我の治療費用は、自分もち。』



要するに、怪我をしても自分で治せだ。警護は居るし、危険も少ない場所で怪我するのかという事。


セレナは、興奮していた。パーティーに参加するのは初めてだ。楽しそう。



「いいな、単独行動はしない。皆で行動するんだ。じゃ、出発するぞ。」



ギルド協会の魔法使いが、パーティーのメンバーを目的地へ魔法で移動させた。着いた山での作業だ。

採取するのは、薬草や魔法石。皆は、金目の種類を狙って探し始める。



(懐かしいー。子供の頃は、乳母と薬草とりに行ってたわ。)



セレナには、手慣れた仕事だ。目ざとく、値の高い物をみつけては篭に入れていく。その時だ、誰かが叫んだ。



「逃げろ、モンスターだぞ!」



ハッとして見たセレナは、向こうで冒険家が戦っているのを目にする。5メートルは、あるだろう。巨大なハイエナだ。



(嘘ー、囲まれてる!危険度20じゃないの?)



パーティーは、ハイエナの群れに囲まれていた。たまに、危険度の低い場所でもモンスターは出現する。運の悪い事になった。



(どうしよう、どうしたらいい?)



こんな事、初めてで怖さが先に立つ。レベルの低い剣士が冒険家を手伝ったが、勝てそうにない。


獰猛なハイエナの群れは、20匹はいる。



(しっかりするのよ、セレナ!)



私には、魔法がある。国を追放される時に奪われずに済んだ力が。少しくらい強くたって、負けないから。


保存している魔法を解放する。



「ON!魔力よ。私の力を示せー!」



身体に溢れる魔力が分かる。セレナは、叫んだ。



「皆、屈んで。屈むのよ!」



皆を助ける為に、力を放出する。セレナは、魔力に攻撃を命じた。


ドドドッーーン!


閃光と地響き。その場に居た者は、目がくらんだ。何が起きたのかも分からない。

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