勇者召喚開始!
「もう!いきなり殺気を飛ばさないでくださいよ。」
「え、ばれた!?コウモリだけをターゲットにしたつもりだったんだけど。それに威力は百分の一ぐらいにしたんだけど。」
「あれで百分の一なら、あなたが本気を出したらどうなるんですか。」
「うーん。この世界の全ての生命体が死ぬかもな。」
「ならなおさら、そんな危険なものを何も言わずに使わないでください!」
「はーい」
と話してるうちに王女が立ち上がり、遂に勇者召喚を始めた。
「おぉ、これが勇者召喚か!なかなかに綺麗だな。」
「ええそうですね。お、光が強くなってきました。」
その光はどんどん強くなっていった。そして光が収まると、そこには4人の勇者がいた。
¥〜〜〜〜〜¥
俺は真田健二。普通の高校に通う普通?の高校生だ。そんな俺は今、前にいた見知らぬ他校の人と一緒に異世界転移をしてしまったのか。
「また来てしまった。」
と俺はため息をつく。何故俺がこんなことを言ってるかって?それはこの世界に来るのは2度目だからだ。俺は二年前にこの世界に勇者として召喚された。そして今回も勇者として呼ばれた可能性は高いが、もう2度と魔王退治なんてごめんだね。召喚に巻き込まれただけなら、ありがたいが…。とりあえず周りの人達の様子を見ておこう。
「どこだここ?」
と辺りを見渡すイケメン君。
「暗くて薄気味悪いんだけど」
と言う茶髪の可愛い系女子。
「………」
黙っている黒髪の目力の強い美人系女子。
そして
「皆さまこんにちは。私はライル王国第一王女クリスティーナ・ライルでございます。今回皆さまをお呼びしたのは、勇者として全人類の敵である魔王を倒していただくためです。」
恐らく俺たちを召喚したであろう女。
「ちょっと質問いいか?」
イケメン君が言う。
「ええ」
「俺たちはこれまで平和な国で平和に暮らしてたんだぞ?そんな俺たちが勇者になって魔王を倒すなんて到底無理じゃないか?」
「ええ。おっしゃる通りです。ですが皆さまはこの世界に来る際に、神様から強力なスキルをもらってるはずです。」
「強力なスキル?それがあれば魔王を倒すこともできるでのか?」
「ええ。今はまだ無理ですが鍛えれば必ず魔王を倒せます。初代勇者様もそうやって鍛え続けて魔王を倒したと聞いております。それに初代勇者様は一人で魔王を倒してしまったんですよね。なぜ一人で魔王に挑んだかは不明ですが、恐らく自分が強すぎるゆえに他のものは足手まといだったのでしょう。」
多分それ俺や。それに一人だったのはただのコミュ症だっただけだ。
「なるほど。それなら俺達でもやれるかもな。それに魔王を倒せば幸せになる人もいると思うから。」
「優斗がそう言うならあたしも」
と言う茶髪の可愛い系女子
「………」
そして相変わらず無言な美人系女子。
「皆様ありがとうございます!それではスキル鑑定のため、玉座の間まで移動します。」
あれ俺何も意見言ってないんだが……。HAHAHA。俺はいつでも透明化してるな。