勇者召喚〜王宮にて
「あれ、人間界ってこんな栄えてたっけ?」
「ええ。あなたがダラダラしてる間に人間達は努力してここまで栄えたんですよ。」
「うっ!」
カリスは大きなダメージを受けたようだ。ちなみにこの世界は剣と魔術のファンタジー世界で、いわゆる「ナーロッパ」と呼ばれるものだ。カリス達が現在いる場所はライル王国である。
「まぁそれはさておき。そろそろ勇者召喚が始まるから王宮に行こうか。」
「そうですね。人間界に来てまで説教はしたくないですし。」
〜王宮〜
「なんだこの魔法陣!?デカすぎだろ!」
「この魔法陣は勇者召喚を行うための物でしょうね。」
現在カリス達がいる場所は王宮の勇者召喚を行う場所である。
「でも、まだ私達とコウモリ達以外誰もいませんね。勇者召喚が行われるのはそろそろのはずですが…」
「まぁ気長に待つとするか。」
そして待つこと数分。トン…トン…トンと足跡が近づいていき、遂にドアが開かれた。
「お、誰か入ってきたぞ。」
「あれは恐らくこの国の王女かと。」
「ふむ。なかなかに可愛い。が、俺の好みではないな。」
はぁそうですか。とサティスがため息をつきながら言った。
そんな会話をしてる時、一緒に勇者召喚を待っていたコウモリ達が王女目掛けて攻撃しだした。コウモリ達は爪で攻撃したり、口から毒のブレスを吐いたりして、攻撃をしていた。王女も負けじと魔法などを使い抵抗していたが、コウモリの数は多く状況はどんどん不利になっていった。
「なぁサティス。このまま王女が殺られたら勇者召喚って出来なくなるか?」
「はい。この世界で勇者召喚ができるのは恐らく彼女だけでしょうから。」
「うーん、それじゃあ暇つぶしにならないじゃないか。ならコウモリ君達には悪いけど…」
「死んでもらおうか」