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僕は完璧でありたいのである  作者: いとう
第二章 ガポル村の天才幼女
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第二十五話 身体測定なのである



「みなさーん!おはよーございまーす!!!」


「「「おはよーございまーす!!!!」」」


 今日もみんな元気いっぱいで先生嬉しいです!


 何を隠そう私たち1年1組は、私を含めた15人がこの3ヶ月間一度も、誰一人として欠席したことのないスーパー健康クラスなのです!!

 生徒が元気でいてくれることは私の力でもなんでもないのですが、それでも鼻が高いのです!むははは!!


「それじゃー出席をとりまーす!!いつものように大きな声で返事をしてくださいねー!!それじゃあまずは…エノーラ・モルフィーちゃん!!!――はいっ!!元気でーす!!むははは!!!」


 私も1年1組の仲間なのでしっかり出席をとります!!

 それから生徒たちの出席をとります!!むはは!!


 先生が名前をよんだら、生徒が「はい元気です!」と応えるだけの簡単な出席確認です!


 ですが!

 一部の子は「元気です」と言ってくれません!!!!


 それを注意をしたら、逆にすごい説教をされました!!!私、一年生の担任以外をしたことがないのでそういう子の対応がうまくできません!困りました!むははは!!!



「アーニャ・ハレアちゃーーーーーん!!!」


「はい」


「アラネー・マキルトンちゃーーーーーん!!!」


「は、はい!元気ですっ!」


「シャイナー・ミリキスちゃーーーーーん!!!」


「はーい!げんきでーす!!」


「ドレッド・ユードリアくーーーーーん!!!」


「はい!!!!とってもげんきです!!!!」


「むはははは!!!ドレッドくんは今日もスーパー元気だねー!!!みんなもドレッドくんに負けないようにしましょーーー!!!」



 ドレッドくんはいつもとっても元気です!!

 いつも元気いっぱい!喧嘩もしない!授業も真面目に受ける!成績も優秀!とっても優等生です!!


 先生もドレッドくんに負けてられません!



「ドミンド・アンヌくーーーーーんんんんん!!!!!」


「ぶぁぁぁあいい!!げんきどぅえぇぇぇーーす!!」


「ゴンズ・ウヌキスくーーーーーんんんんん!!!!!」


「ぅぉどぉおぉぉどどぁーーー!!げげげんきです!!!」


「2人は今日も絶好調だねー!!!」



 ドミンドくんとゴンズ君はとっても仲良しです!!

 いつも元気いっぱい!喧嘩はすぐする!2人揃って体育だけは真面目に受ける!その他はすぐ寝る!優等生ではありません!!


 でも男の子はこのくらいでいい!!!寝る子は育つって言いますし!!むはは!!大きくなるんですよー!!



「リヒト・ボールボルドくーーーーーん!!!」


「はい、元気です!」


「マサ・アルパンタちゃーーーーーん!!!」


「はいっ!元気です!!」


「オッティー・ミシスくーーーーーん!!!」


「はい元気です」


「サリア・ローラムちゃーーーーーん!!!」


「はいげんきです」


「ティア・ナシアールちゃーーーーーん!!!」


「はい、元気です!」


「タイグド・オニキスくーーーーーん!!!」


「はい!皆さんのおかげで今日も元気です!」


「トゥリー・ボールボルドくーーーーーん!!!」


「はい」


「ウェスパー・カシアちゃーーーーーん!!!」


「はい元気です!」


「はい!それじゃあ今日もみんなで頑張りましょー!!!日直のシャイナーちゃーん!朝の祈りをお願いします!」


「はーい!」



 神様に祈りを捧げることはとても素晴らしいことです!!



 感謝の気持ちは人を豊かにし、感謝の祈りは心を豊かにしてくれます!!私たちを祝福してくださる神に祈りを捧げることはすなわち、私たちを慈しむことそのものなのです!!


 学校にせっかく学びに来てくれる子供たちには、その素晴らしさと、尊さを大人がしっかり教えてあげなければいけません!!!


 愛と祈りがあれば、人は生きていけるのです!!









 なーんてことを敬虔な信者の方はいいますが、私はそうは思いません!!!



 私には美味しい食べ物や、温かい布団も必要です!!!!

 逆にヨスナイア先生は愛も祈りもなくても生きていけます!!むははは!!!!


 当たり前ですが、そんなことは生徒の前では言いません!私は先生ですから!!!むははは!!!



「――空と大地と海と命を創りし偉大なる神々よ、今日も愛に満ちたこの世界に生きられることに感謝します。あなた方の祝福が私たちを導いてくれます。あなた方の慈愛が私を癒してくれます。あなた方の厳しさが命を満たしてくれます。あなたが許してくれることで、今日も私たちを愛することができます。空の慈しみに感謝します。大地の恵みに感謝します。海の導きに感謝します。享受された命の尊さに感謝します。――祈ります。生きとし生ける全ての命がその天命を全うできることを、回帰されていく命が大いなる慈愛に包まれることを、新たなる命が優しさに満ちることを、世界の平穏を、あなたの安寧を。『la mg kafetioa sy 』あなたの敬虔なる使徒シャイナー・ミリキス」


 シャイナーちゃんはおてんばな女の子ですがしっかりするところはしっかりしています!!!

 今日の祈りも完璧です!!むははは!!


「はい!シャイナーちゃん、ありがとうございました!!!それじゃーこれで、朝の会を終わりにしまーす!今日は待ちに待った測定会です!!!体育館で行いますので、8時30分までに体操服に着替えて、記録用紙を持って、廊下に背の順で並んでおいてくださーい!!!」



 今日は測定会です!!!


 私くらいの歳にもなれば、測定会と聞けば嫌な気持ちになりますが、6、7歳の生徒たちはとても楽しみにしていました!!羨ましい話です!!!むははは!!




――――――――――――――――――――――――――




 我が校の体操服はとってもシンプルです!!!

 白の半袖シャツに、紺色のハーフパンツ!!運動が最もしやすいし、男女でデザインも変えなくてもいい天才的なデザインです!!


 でも高学年の男の子には、太ももまでしかないズボンは少しだけ恥ずかしそうです!!!

 夏場でも冬用の長ズボンを履いている子もいますが、別に校則違反じゃないので問題ナシです!!!


 私は小柄な方なので、大きいサイズのお揃いの体操服を5年ほど前まで来ていました!!!が、ある年齢を境にやめることにしました!!!!流石にきついと同僚に言われたからです!!!むははは!!!!



「測定会って何を測定するの?」


 あれ!?私言ってませんでしたっけ!?

 あれ?言いましたよね!?


 でもアーニャちゃんは不良ではありますが、私の言ったことを聞き漏らしていたことなんてありませんし、言ってなかったのでしょう!!たぶん!!


 いやいや!内容を知らなかったらみんなあんなに楽しみにするなんてことはありませんよ!!?絶対言いましたよ!!


「あれ?私言いませんでしたか?」


「うーん。多分アーニャがいない時に言ってたのかな?アラネーは聞いた?」


「うん、聞いてるよ?」


 !? いない時って何ですか!?


 なに!?いない時って!?

 連絡事項は朝の会か帰りの会で連絡していますよ!?


「何を測定するの?」


「えっと、病気になってないかと、身長とかと、それから、えと、魔力って言ってたよ?」


「へー。ありがとアラネー」


「えへへ。どういたしまして?でもわたしはどうせほとんど魔力なんてないから…いやだなぁ…」


 なんてことを気にするんですかアラネーちゃん!!

 そんなことは気にしなくて良いんですよ!女の子なら気にするべきなのは体重だけです!!むははは!!


「大丈夫ですよ。魔力量なんかは多くても少なくても別に良いのです!そんなものなんかより今の皆さんに大事なのは健康です!!健康であるかどうかを調べることは何よりも大切なことですよ!!」


「お、たまには良いこというね」


「な、なんですかたまにって!!?」


 絶対に先生のことを馬鹿にしていますよね!!?


 とても許せません!でも、何を言っても先生はアーニャちゃんに口喧嘩では負けてしまいます!!!


 だからといってもちろん手は出しませんよ!?




――――




「おれ121cm!!先生!おれっておっきい!?おっきい!?ねえ!ゴンズとどっちがおっきい!?」

「むはは!ざんねんだったな!!おれは122cmだ!!せんせーー!!!ドミンドよりおれのほうがおっきい!」

「せんせーーー!身長なんてどうでもいいよな!おれ魔力はかりたーい!!!」

「先生、私ってやっぱり大きすぎますか?」

「エノーラさん、私は小さすぎますか?」

「先生!僕は先生のおかげで入学から4cmも伸びました!ありがとうございます!」

「せんせ、たいじゅってどこ?」

「エノーラちゃん、アーニャが2組の子泣かせた」

「せんせー!わたし足の長さはかりなおしたい!」

「先生、次はどこにいけば?」

「先生!!おれの方がゴンズより軽い!ゴンズはデブ!」

「せんせー!おれは筋肉があるだけだよ!!」



「まってまってまって!1人ずつお願いします!!むははは!!いくら先生でもそんなに一気には聞けませんよー!体重は裏面の1番下に書きます!」



 生徒からの愛がすごすぎて私では対応しきれません!!


 向こうを見ればしっかり対応しているヨスナイア先生がいます!!私はまだまだ未熟です!!

 いや、ただ生徒が誰も話しかけないだけのことでした!!むははは!!



 広い体育館でクラス全員を見張るといのは、いつまで経っても難しいものです!難しいものですが、測定会ではショックを受けちゃう子もいますから、しっかりと見守っておく必要があります!!!


 ショックを受けちゃう可能性があるのは、身長、体重、座高、手足の長さ、手足の大きさ、視力、聴力全てが測り終わった後の魔力測定ですし、とりあえず今のところはそこまで気にしなくても良いでしょう!むはははは!



 あら?リヒトくんがすでにショックを受けた感じでちょこんと座っています!心配です!話しかけてみましょう!!


「どうしたんですか?」


「…ぼくドミンドとゴンズにデブって言われたんだけど、ぼくデブなのかな?先生はぼくより重い?」


「むははは!!もちろん先生の方が重いですよ!!先生に比べたらリヒトくんもドミンドくんもゴンズくんも羽のように軽いですよ!デブなんかじゃありませんよー!」


 ドミンドくんとゴンズくんとは後でお話しする必要がありますねー!!やんちゃなのは良いですけど、ちゃんと良くないことには良くないって教える必要が先生にはあるのです!!むははは!!!



「…せんせ、おしっこしたい」


「はーい!一緒にいきましょうか!」


 サリアちゃんはちょっとだけ甘えん坊さんです!

 少しずつ先生離れをさせなきゃいけないんですけど、可愛くて可愛くてなかなかできません!!!



 来年、こんな甘えん坊さんのサリアちゃんが、ヨスナイア先生のクラスになっちゃったら…ど、どうしましょう!?


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