62/76
ペイフォワード⑱
画面から目を離した涼風が無表情で二人を見た。
俊葵は頭を抱えた。
それを交互に見ていた下重は顔面蒼白。
その時、
うおぉぉぉ〜〜〜
急に雄叫びを上げた涼風は下重に飛び付き、その背中をバシバシと叩き始めた。
「でかした!下重さん。開いた!開いたよぉ〜」
「そ、それは良かった...です。」
力一杯背中を叩かれた下重の顔は痛さのせいか真っ赤になっていた。
ふう、
俊葵は大きなため息を吐いた。
「9回目間違えたら1時間のロック。さらに10回目で間違えたら、風真の登録した設定によってはデータが全て消去されるところでした。」
それを聞いてポカンとしていた下重が次の瞬間ニヒルに笑った。
「その情報は知らない方が良かったかな。しかし俊葵君。それでもあなたは10回目を提案するつもりでしたよね?」
俊葵はいかにも心外そうな顔をしていたが、観念したように頷いた。
「ご主人の命日を提案しようと思ってました。」
俊葵の言葉が耳に入ったのか、すでにものすごい勢いで、SNSのチェックを始めていた涼風が顔を上げた。
「主人の命日?あ、同じよ。結婚記念日と同じ日なの。」




