表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
風を感じるために生まれた  作者: 新井 逢心 (あらい あいみ)
48/76

ペイフォワード④

「畠山君、葵さん。これから話す話しには、ここにいる人間が墓場まで持って行こうと誓い合った内容を含んでいます。」

と言うと、伯方、太郎に目を遣り、二人は同意と深見へ頷き返した。

深見は微笑み、葵と光生に向き直る。

「つまり、絶対に秘密という事です。ご了承いただけますか?」


顔を覗き込まれた光生は反射的に背筋を伸ばした。

「はい...」

葵と光生の声が被る。


薄く微笑み深見はよろしいとばかりに頷き、徐に口を開いた。



話しを聞き終えた葵は、「そんな事...

」と言ったまま口を手で押さえ絶句した。

一方の光生は顔色を無くし呆然としている。


暫しの沈黙が流れたが、電話口の俊葵がそれを破った。

『実は今日、参議院議員の弓削議員に会ってきました...』


葵がはっと息を呑む。


『畠山が島に居る事は隠した上で、なぜ警察が畠山を探し回っているのかを探って貰いたいとお願いしました。これは、前橋会長の意向でもあります。』


「それで、彼は、何と?」

夫と兄のかつての関係性を聞いているだけに、葵は勢い込んで聞いた。


フッ、

『もちろん、やると約束してくれたさ。』


「でもでも、あの人の事だもの。何か無理な交換条件を出したに違いないわ。」

思わず口を吐いて出てしまい、ハッと口に手をやる葵がまるで見えているかのように俊葵は笑う。


『さすが、旦那の性格を知ってると見える。そうだ。条件は出されたよ。と言うより、こっちがノシ付けたんだ。畠山、』


「は、はい。」

再び光生の背筋が真っ直ぐ伸びた。


『全て片付いた暁には、招致活動に邁進してくれ。そのビジュアルを思う存分使ってな。』


「あ、はぁ、まあ...」

光生が首を傾げていると、


ハハハ、

太郎が笑い出した。

「弓削先生は、オリンピック招致活動に深く関わっていらっしゃるし、つまり熨斗ってそういう事?」


「助けられる本人を交換条件に差し出すとはね、」

深見も首を振り、伯方と目配せし合う。


『そうやって笑いますがね、お二人とも。俺が交換に応じたら、それこそおかしいじゃないですか。俺は、畠山とは面識がない事になってんですから、』


「あー、なるほどね。」

伯方は頷き、

「さすが幸一先生の血だ。ここの出来が違うや、」と自身のこめかみあたりを指差し、肩をすくめた。


葵は苦笑いし、話を変えた。

「それで、お兄ちゃん。これからどうしていくの?何か良い考えが?」


『うん。あるよ。現段階では弓削先生の連絡待ちなんだが、明日取り敢えずそっちに行く。それと、西崎さんにも知らせた。西崎さんからも連絡があると思う。』


「おうさ、迎えだな。本島の例の漁港に迎えを行かせる。」

伯方が応えた。


『お願いします。』


「西崎さんか、それは百人力だ。」

深見が呟く。


「それと、高嶺に尾けられたと言ってたけど、」

太郎が不安の滲んだ声で言った。


『はいそうですね。

この二つの事件が関連しているのかいないのか、今はまだ判断できませんが、どっちにしても、今高嶺に絡まれるのはまずい。念の為直接にはそちらに入らないようにしますよ。』















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ