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慣れない人の体温

「気味が悪い!こっちに近づかないで。どうせ変な病気でも持ってるんでしょう!?」


「髪色が真っ白だなんて、信じられない。悪魔の子だ!」


悪魔の子……私は、悪魔の子。

気味が悪い、真っ白な髪をした。


私を見た人は全員そんな感じの似たような言葉を言う。


私が6歳のとき、母が亡くなった。

父は仕事の都合で海外にいるらしく、生まれて1度も見たことがない。

母は優しかった。私の見た目を気味悪がるどころか、綺麗だ。と言ってよく、髪の手入れをしてくれたのをうっすらとだが覚えている。

母が亡くなったあと私は母方の祖父母に引き取られた。

しかし、祖父母は私のことを気味悪がりほとんど世話をすることはなかった。


2年経ったある日、父方の祖父が役所の人と一緒に祖父母の家を訪ねてきた。

何でも、私を引き取りに来たらしい。

こんな存在価値のない私を何故わざわざ引き取るのか分からない。


私を引き取りに来た父方の祖父は小泉 銀。

警察官をしていて、ガッチリとした体格をしていた。

役所の人が祖父母と話を終え、一緒に家から出てきた私を見て、祖父は驚いていた。

そして、次の瞬間私を抱きしめた。


「すまない。もっと早くお前さんを引き取るべきだった!

もう大丈夫じゃ、さぁ行こう。」


そう言って私抱えて、車に乗せた。

久しぶりの自分以外の体温になれず、とても居心地が悪かった。






どれ程の時間がたっただろうか。

いつの間にか眠ってしまっていたようで、気付いた時にはもう新しい家に着いていた。

祖父に案内され、家の中へ入る。


恐らく高層マンションと言われる所。

そして最上階。とても高い。


中に入ると1人の少年がいた。威圧感をがんがんに出しまくっていてこちらを警戒している。


「高人、久しぶりじゃなーーー!元気にしとったか!?」


「触んなクソジジイ!!俺と血が繋がってねぇ癖に馴れ馴れしく俺に接するな!」


「じいちゃんと呼ばんか、馬鹿者!」


少年の頭を撫でようとしたところ、彼がその手を払い除け、クソジジイと強く祖父に当たった。


「高人、お前に妹が出来た。

ワシの孫じゃ!今日から一緒にここに住むから仲良くせぇ!!」


「ふざけんなっ!妹なんかいらねぇ、俺は知らないからな。」


そう言って高人という少年は部屋の奥へと消えていってしまった。


「やれやれ、すまんの。あやつは高人と言うんじゃ。歳は10歳。今日からお前さんはここでワシらと一緒に暮らすことになる。

どうか面倒なな兄貴だが、仲良うしてやってくれ。」


そして、この日から私は、あまり家に帰ってこない祖父と高人という義理の兄と暮らすことになった。

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