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第六話 心のビタミン

「穴埋めが絶望だった・・」

 英語のテストがどうだったかとLIMEできくと、刀哉とうやくんから残念そうな返事が返ってきた。


 お風呂から上がったばかりの私は、なみなみと注いだ麦茶を飲み干すと、ベッドに横たわった。


いつきは余裕だったらしい」

 樹くんというのは刀哉くんと対極的なタイプの彼の友達だ。


「LIMEってなんか刀哉くんを近くに感じる」

 しばらくの間があって、刀哉くんから『それな。』というスタンプが返ってくる。

 彼はあまり愛嬌がある方ではないので人からは理解されにくいだろうが、このしばらくの間が少し照れているようで可愛らしいなと思う。


「今夜はちょうどいい温度だなー」

「外?」


 私は頭に巻いているタオルを押さえながら体を起こし、ガラガラと勉強机の前の窓を開けてみる。

「月!ほとんど満月だよ!」

 キレイだなという彼の返事に、当り前だけれど今同じ月を目にしているのだと幸せな気分になった。


「そういえば・・・」

「刀哉くん、兄弟いる?」

 知らない体を装いきいてみる。


「妹ひとり。」

 なんで?と返してくる彼に、聞いてみただけと返す。


「私も妹いるよ」

 いくつかきいてくるので年子だと返信。


「うちのはまだ小学二年生」

 そこまで年が離れているとは思わなかったので、思わず可愛いだろうね~とたまらない感じで返すと、またしばらくの間返事が来なくなった。



あんのほうがずっとかわいいと思う・・・」

 そんなことを男の人から言われたのは初めてだったので、どうすることもできずあたふたしていると、おやすみ!と強制的に終了を意味するスタンプが返ってきた。


 勇気を振り絞って私もおやすみの後に大好きと書いた。



 電話にしておけばよかった。







ほっこりです(^-^)

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