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第五話 心せよ

 夏の終わりに友達のあんが好きな人と友達になれた。


 意思表示が上手いとは言えない彼女がどうやってと疑問に思ったが、偶発的に彼に会えた話を何度も説明されているうちになるほどと思った。


 杏はとてもわかりやすい子で、なんでも露骨に態度に出すので彼にも杏がどれほど彼に好意を持っているのかが伝わったのだろう。



 けれど彼女はしばらくの間『おあずけ』をくらっている。



 不揃いの前髪を気にしながら、杏は納得いかないような顔をして弁当をつついている。


「ほしい?」

 杏が卵焼きを勧めてくるのでやんわりと断った。



 私は人が作った食べ物がニガテだ。


 杏の想い人、樋口刀哉ひぐちとうやは聞くところによると、今のところ杏を受け入れつつ、軽く突き放している状態だ。

「風夏ちゃん、私刀哉くんを困らせてるのかなぁ」


 彼との距離が縮まらない理由を自分のせいだと思っている杏を不憫に思い、少し話題を変えてみる。

「それよりさあ、その刀哉くんとやらの私服のセンスはどうだった?」


「ええっ?うん、想像以上にかっこよかったよ~!」

 顔を緩めて樋口刀哉を誉め殺す杏を、カワイイやつめと思う。



 可能性が高いのは彼の友達だ。

 勝手なイメージで、樋口刀哉の友達のことを明るいイケメンと杏は思っているようだが、私は彼に不信感を持っている。


 いつき


 名字はわからないが、彼は樋口刀哉や友達からそう呼ばれている。

 ずる賢そうで、抜け目が無い。


 電車の中で、樋口刀哉の隣にいる彼がイヤでも目に入る。

 曇りの無い目で樋口刀哉を見つめる杏に、いつも敵対心をむき出しにして自分の存在を誇示してくる。

 杏が刀哉と釣り合わないとでも思っているのだろうか・・。


「そんなにガン見してたらバレルよ」

「見とれちゃった~」



 まだ刀哉が杏の名前も知らない頃、同じ電車の中でいつもこっそりと彼を盗み見ていた。


 人畜無害な顔をしてえへへと笑う杏の背中を睨みかえしてくる樹と目があってしまい、私はムリして杏に笑い返した。










隠し通すのでしょうか~

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