第二十話 I'm going bananas
沈黙が怖い・・・。
これから何が起きても驚くことはないと思う。
「こんにちは♪」
学校帰り、最寄りの駅を歩いていたら樹くんからグイっと肩を掴まれた。
話があると言われたので駅ビルの中に入っているカフェに入り、私の目の前には無表情の樹くんが座っている。
半ば上の空でソワソワしていると、彼は私の目をしっかりと見つめて、りりなから聞いたんだろうと吐き捨てた。
「えっ!?」
樹くんと正式に別れたという趣旨のLIMEを昨日もらい、そのことだろうと思っていた私は、彼に心を読まれたのかと思って思わず肩が上がってしまった。
「えっと、はい。LIMEで・・・」
「正直、不本意だったよ」
私とは反対にとても落ち着いて見える樹くんはアイスコーヒーをもくもくと飲んでいる。
「あの、りりなちゃんは樹くんのこと、本当に好きだったと思います」
ためらいながらも自分の意見を言ってみる。
「言われなくてもわかってる」
ぴしゃりと言われてなんだか胸が苦しくなってきた。
「なんでそんなにくたくたになってんの?」
彼は私の様子を目にするとぷっと吹き出した。
「邪魔」
「はっ?」
「マジで」
樹くんはあんたの存在がと付け加えた。
面と向かってそんなセリフを言われたのは初めてだったので、理解するのに少し時間がかかってしまった。
「私もそう思ってた・・・」
無意識に強気な発言をしてしまったことが自分でも意外だった。
「えっ?」
樹くんは最初こそ驚いた顔をしたが、徐々に可哀相にという表情になった。
「りりなとか、あんたとかを見てると行動が痛すぎてツラくなってくるよ」
感情を害するようなことを言えば、こちらが折れると思っているのだろうか。
「刀哉くんの友だちだから言いたくなかったけど、私はあなたみたいな人と一緒にいるとイライラする」
心なしか声が震えてしまう。
「あなたこそ邪魔しないでください。刀哉くんと私は上手くいってますから」
樹くんは大きくため息をつくと、刀哉ってストライクゾーン広いよなと呟いた。
「承知致しました、とでも言うと思ってんのかよ」
本性を出してきた彼に、私は思わないからお願いしているのだと言った。
すると彼は大笑いをして残念だったなと言った。
「俺もお前らを別れさせてやるよ」
さよならパーティーを開いてやるから楽しみにしていろと言うと、樹くんは荒々しく席を立った。
埒が明かない・・・。
居ても立っても居られなくなって、私は刀哉くんに連絡をした。
どうしても分かり合えない相手ってまれにいますよね~(>_<)




