第十五話 有害です。
「摩擦が起きてる」
刀哉が唐突にそう言うので、俺は何が?と聞き返した。
「・・・。樹と」
俺は彼らの間に何やらあったのだろうと悟ってしまい、ああ・・と苦笑いをした。
「佐久間は樹のことどう思う?」
いつもは無表情な刀哉が珍しく俺の心を推し量るような顔つきで聞いてくる。
「ん~、まあ普段はテンション高めだけど、ときどき付き合いきれないとこがあるかな」
打ちひしがれた様子の刀哉を見て、俺は何かあったのかと聞いてみた。
「予測はできたんだけどさあ、彼女のことが気に食わないみたいで・・・」
できればそんなこと気にするなよと笑い飛ばしてやりたいのだが、日頃から樹は刀哉に強く依存しているようなので、笑い事ではないなと思った。
「まあ、あいつが付き合ってるわけじゃないし、刀哉が好きなら問題ないと思うけどな」
それを聞くと刀哉はそれはそうだが、自分の友達からの評価が低いと彼女の価値が損なわれていくような気がするとこぼした。
「あんまり樹がひどいこと言うようなら俺が止めに入るよ」
刀哉が悪いなと言いかけたとき、席をはずしていた樹が戻ってきた。
「これ炭酸ぬけてめっちゃまずい~」
のんきにペットボトルを振りながら近づいてくる。
刀哉の方に目をやると、うんざりとした表情で押し黙っている。
「どうした、刀哉くん。充電切れたみたいな顔してるぞ」
樹は刀哉の頭を両手でぐしゃぐしゃとすると、お前が元気ないと俺まで元気なくなるだろうと言った。
樹に抵抗しても無意味だとわかっている刀哉はぼんやりとしたまま身をまかせている。
何か打つ手がないだろうかと、俺は好対照な二人をただ眺めているしかなかった。
ちょっと短いですが切ります~




