精霊学園の双剣士(3)
・・・・・・なんで俺は、刺されてるんだ?
「詰めが甘かったようだね」
海都が落ち着いた様子で、冷たい笑みを浮かべる。アイツの後ろには、いくつもの魔法陣が並べられ、召喚獣達が顔を覗かせていた。
「僕が瞬時に召喚出来ないとでも思っていたのかい?」
海都は静かに俺の前までくる。そして、怒気を孕んだ声で言った。
「本気出して良いか聞いたんなら、本気出してこいよテメェ」
バレていたようだ。なら・・・
「マジで本気出すぜ!」
体の中のマナを一気に放出する。
「嘘だろ? 何でそんなにマナがあるんだよ」
俺の体から放出されたマナは、すぐに体を貫いていた岩の様な物を粉砕した。
「おい海都、そんな風に呆けてて良いのか?」
瞬時に海都の背後へ移動し、双剣を振るう。だが、また召喚獣に防がれる。まぁ、そんな事もう関係ないけどな。
「行くぞ、バハムート」
召喚陣ではなく、ゲートが開きバハムートが姿を現わす。
「ふざけるな!何でバハムートが召喚できるんだよ!」
「俺に本気出させたのは、お前だろ? 海都」
今度は俺が、冷たい笑みを浮かべる。それと同時にバハムートがメガフレアを放つ。
「終わりだ」
メガフレアが消えると共に、俺は海都の周りに数千の剣を出現させた。
「俺の勝ちだな」
そう言って剣を収める。途端に周りにいた生徒達が歓声を上げた。
「なぁ、何でだよ。何でバハムートが召喚できるんだよ」
その言葉で、一気に周囲が鎮まる。
「コイツは親の形見だ。誰も守れなかった俺に、両親がくれたたった一つのものなんだ」
そうだ、俺はアイツを探す為にここに来たんだ。父さんと母さんを殺した奴を倒す為に・・・
拙い文章だと思いますがよろしくお願いします。