表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
83/168

我がダンジョンは小金持ちなり(根拠無し)

「うーん、やっぱりイチゴミルクの階層は良いと思うんだけどなぁ……」


 あんなにダメと言ったのに諦めきれないのか、ラビィは1人でぶつくさ何か言っている様だ。


 放っておけばそのうち戻ってくるだろうし、今のうちにDPの確認でもしておこう。


 そういえばあんまりDPの確認を俺はしていなかったな、サボりすぎだぞ俺。


 さて、オークが入る前のダンジョンに入ってきたDPがこれだ。


  ホブゴブリン→60DP×大人の数20=1200DP。

 ゴブリン→15DP×子供の数10=150DP。

 

 ゾンビ→60DP×15=900DP。

 ウノーとサノー→200DP×2=400DP(どちらともグールからワイトへと進化)

 ミスト→500DP。(リッチへと進化)


 合計1日あたり、3150DPとなる。


 これはまぁ、まずまずだろう。

 頑張って人を呼び込んで置けばもっと行けたのではないかと言う気持ちもある。


 階層だけを増やすにしても単純に2日に1つしか増やせない。

 増やすだけなら良いペースかも知れないが、中身に拘れなくなるのだ。


 そう、例えるなら中身のない段ボール。

 他にはルーのないカレー。

 汁のない担々麺のごとし。


 いや、汁無し担々麺はあるな。

 普通にある、うん食べたくなってきた。



 話がずれてしまった。



 つまりだ、そんなに階層作っても何の仕掛けもなく、ただ進めるだけのダンジョンなんて2度と来たくは無いわけで。


 それなら俺とロクロウ、それからサノーと出向いたマルタの街からこのダンジョンに向けてのピクニックの方がマシかもしれない。


 折角やって来たダンジョンがもぬけの殻だと拍子抜けするし、それこそここまでの道のりは徒労に終わる。


 そもそもだ、冒険者とは何のためにダンジョンへやってくるのか。

 それはつまりロマンのためだと俺は思っている。


 数々の厳しい戦いや試練を仲間と共に苦しみを分かち合い、時にはうちひしがれて攻略を諦めたくなる。


 だが、そんな困難の先にあるまだ見ぬ宝を探し求め富を、名声を手にするためにやってくる筈だ!


 そんな高い志しを胸に秘めた者達を無下に扱って良いと思うかね? 否、否である!


 ダンジョン側からしてみれば大事な客と言っても良い冒険者を初見殺しの罠にでも嵌めてみろ、誰も寄り付かなくなることは明らかだ。


 もしかすると物好きが来るかもしれないがそんなものは少数だろう。


 と言うか本格的に潰されるのは困る、いやマジで。


 なので、程々に攻略してもらってお帰り頂くのが1番だと俺は思う。

 ダンジョンがこの世界に浸透しているのは把握済みだがその基準ばかりはどうしようもない。


 この辺りは俺の匙加減にかかっているが、大丈夫だろう。


 なんたってこのダンジョンはまだ5階層と浅い造りだ、こればかりは他のダンジョンと比べるまでもなく分かる。


 そしてダンジョンとは奥に行けば行くほど難易度の上がる物だ。

 つまり俺のダンジョンの難易度の設定としては駆け出しの冒険者か一人前になった位の冒険者がギリギリ攻略出来ない難易度を設定すれば良いだろう。


 そうすることに決めた。


 勿論、さっきも行ったように本気で攻略されるのは困るので第4層と第5層の難易度は爆発的に上げていくつもりだ。


 その難易度の設定に伴い、弊害が1つだけある。

 

 ホブゴブリンやオーク、ゾンビは良いとして、そいつらとミスト、ウノーサノーやユキムラ率いる十勇士の実力に差がありすぎると言う弊害がある。


 序盤の層にホブゴブリンやオークを配置するのは良いが、後半になると飛躍的に難易度が跳ね上がってしまい殆ど初見殺しに近くなってしまうのだ。


 そうなってしまうと難易度軽くしていこうぜ作戦が全くの無意味になってしまう。


 やはり難易度は最初から高い方が良いのだろうか……うーん、迷うな。


 でも以前街に訪れた時は、冒険者達は皆腕利きな様に見えた。

 なにせコボルトの群れに「ヒャッハー!」と叫びながら突っ込んで行ったのだ。

 マルタの街は田舎街だと思っていたが侮れないかもしれない。


 それに最初にやって来た3人の冒険者も実力見る前に不意討ちしただけだしな、俺ってば戦力把握が何も出来てない気がする。


 ……よし、一先ずは俺が死なないことを前提にダンジョンを作っていこう。

 難易度なんて後で変えてしまえば良いのだ、うんそうしよう!


 後悔先に立たずって言うし、難易度を軽くしすぎてあっさり攻略されて死ぬのも御免だからな、やるからにはハードなダンジョンを作ろう。


 それに今回のオークたちによってDPは増えたし、なんなら新しい魔物も召喚出来るかも知れないからな。


「……ラビィいい加減戻ってこい」

「……はっ! イチゴミルクが襲ってくる、怖い!」

「トラウマになってんじゃねぇか!」


 あるよね、好きなものが急に食べれなくなる謎の呪いって。


 それよりもDP確認の続きだ。

 だいぶへんな思考が混じったが、おさらいする。


 1日辺り3150DPだ。


 それがオークが60匹加わったことにより、


  80DP×60=4800DP。


 オークは思いの外ホブゴブリン達よりも魔物としての格が高いらしく、更には子供であろうともかなりの筋力を持ち合わせている様で、大人とDPが変わらなかった。


 まぁ種族的には大人と子供でDPの変動はないみたいだ。

 ゴブリン達の場合は大人がホブゴブリンで子供がゴブリンと言う風に別れているからだと思う。

 

 これは嬉しい誤算だ。


 ともあれ、これで1日のDP収入が7950DPと、倍以上の数値を叩き出した。


「え、クロト。これ凄くない?!」


 俺もそうだが横から見ていたラビィは目を丸くしていた。


「オークを迎え入れときは、コイツらって力仕事以外に使えるのか? って思ったけホブゴブリンよりもDPが高いし食料さえなんとかすれば十分プラスだったな!」


 などと本気で思ってたことをつい口走ってしまう。


「うんうん、頭はあまり良くないけど働いてくれるし。正解だったね! 流石クロト!」

「寄せやい、褒めてもイチゴミルクしか出ねぇぞ!」


 どうやらラビィも同意見だったらしい。

 でも1つだけ言わせてくれお前オークより役にたってないと思う。


 しまった、これは特大なブーメランになる可能性がある。

 俺もラビィもオークも全員役に立っている、役に立っていると信じたい。

 

 オーク達との戦闘準備期間中はホブゴブリン達もダンジョンの外で活動していたのでその分、DPの入りは悪かったのだがそれを帳消しにするレベルで今回DPが入ってきたので良しとしよう。


 これで総DPも潤い始めるだろう。

 まだオーク達がやって来て5日程度しか経ってないが既にDPがウハウハだ。


 5日しか経ってないのに家も建てられないのかなんて言ってる俺は良く良く考えたら物凄いアホだと思う。

 もう少し寛大に生きようと心に決めました。


「直ぐに冒険者が来るって訳でもないし、のんびり強くなって行こうぜ」

「急に何言ってるのか分かんないけど、頑張ろうね!」

「無理に合わせなくて良いぞ……」

 

 そんな訳でオークが来る前にあったDP総額は6万ちょいだ。

 オークが仲間に加わったことにより、7950DPの5日分、39750DPが入り総額10万DPにも上る。


 これで俺は金持ちルート確定だ。


 これさえあれば今ある階層の罠をホブゴブリン達に頼らず作ったり、もっと複雑な造りにしたりと並みいる冒険者を恐怖のドン底に陥れる罠を針めぐらせる事ができる。


 つまりはグレードアップができるのだ。

 1層毎の質を上げていけば浅いダンジョンでも十分攻略が難しくなるだろうし俺も安全だ、よく考えて使っていこう。


 さて何から取りかかるか……。

 なんて事を考えていると重量感のある足音が聞こえ、僅かに地面を通して俺の体を揺らす。


「なんだ?」


 そう思って周りを見てみると、何か走ってきてる。

 こっちに重量級力士の様な風体の毛むくじゃらの化け物が走ってくるではないか。


「マスター!」


 族長(オーク)だった。


「マスター! ワテらを救ってくれてありがとうでごわす! これからもワテらオークは誠心誠意尽くすでごわす!」


「お、おう」


 言うだけ言うとオーク族長はどこかへ行ってしまった。


 メチャクチャ間近で圧がかかった状態で早口で何か言ってきたけど、あまり良く聞こえなかった。


良ければ感想下さい。

評価でもレビューでも良いですよ、でもレビュー貰うほどかなぁ……苦笑

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ