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ダンジョンの悩み

題名を変えてみました。


 俺がダンジョンに帰ってきてから早2日、マスタールームとミストの家を皆で大掃除をした。


 食べかけとか腐りかけとかがあったのだが、それはなんとか誤魔化してミスト達に「お疲れ!」とか言って食べさせた。


 その結果腹を下したラビィとミストが内股気味で文句を言ってきたのだが、元々は君達のお腹に入る予定だった物だ。

 甘んじて受け入れて欲しい。


 ちょこっとサノーと目があったのだが、スッゴい良い笑顔で親指を立てていたので、あいつには忠誠心はないのかと少し問いたくなった。


 そんな俺だが、今非常に悩んでいる。


「DPが無い!」


 そう、あのおバカ二人組のせいで溜め込める筈だったDPが散財、おまけに元々あったはずのDPすら少し減ってるのだ。


 お菓子だけで2万ものDPが減るか? おかしい……。


 あ、いやダジャレじゃないから、笑えないだろこんなもん。


「……なーにか隠してやがんな」


 問い詰めてやりたい所だが、まぁ優先順位としては後だ後。


 今はどうやってDPを増やすかを考えなければならない。


 今のところ1日辺り2750DPだ、この2日で5000ほど貯まってはいるが、ダンジョンを改造するには少し物足りない。


 10層位にはしておきたいんだよなぁ、階層1つで5000はかかるし、あと7層増やすとなると35000DPだ、一気に貧乏になる。


 こうなれば細々と増やしていくしかないけど、何か良い手段は無いだろうか。


 ホブゴブリン達の畑もある程度育ってきてるっぽいし、というか作物育つの早くないか? 後で族長にでも聞いてみるか。


 うーむ、部屋に引きこもっていても良いアイデアが浮かばないな、よし、気分転換に外に出よう。


 やるときはやる、やらないときはやらない! これが1番だからな。



◇◇◇



 俺はダンジョンを出て、森のなかを歩いている。

 

 とは言うものの、遠出はしないぞ、危ないし。


「うーん、相変わらず獣道だな」


 この森の全容は知らないが、俺が通って来た道の殆どは、開拓なんかされていない完全な森だ。


 草は好き放題に伸びてるし、木も生い茂っているから所々太陽の光すら届いていない。


 まぁ高さとしては普通の木と何ら変わらないな、何十メートルもある木だったらどうしようと最初のころは思ってた。


 道と言う道のない森は、魔物なんかが通って踏み均された獣道だけで、普通に迷子になる可能性大。


 この世界に飛ばされて3ヶ月位は経過しているが、ここってゴブリン以外に魔物は生息しているんだろうか。


 ゴブリンの族長に会ったときは種族的に飢餓になっているって話だったし、こんな広い森で飢えるってことは縄張りとかがあるのかもしれないな。


 縄張りと言えば森のどこかにあの憎らしい熊野郎の爪痕が刻まれてる木がそこかしこにあったな。


 あの熊野郎は元気でやっているだろうか、会いたくはないがなんとなく安否は気になってしまう。


 でもあの熊ってただや野生動物で魔物では無いんだよな、そうなるといまだに生き残っている熊野郎は結構強いってことか、推測するにゴブリン達よりも……。


 魔物なのに野生動物に負けるのか……まぁどんなものにもピンキリはあるし、仕方ないだろう。


 世の中同じ物差しでは図れないのだから。


 スライムでも結構な強さになるのだ、鍛練とは恐ろしい……。


 サスケ達が森の探索はある程度はやってくれているが、どこもかしこも同じような森で変わったものは無いらしい。


 いやー、これで凶悪な魔物なんかいた日には死ぬしか無いよな、巨大な魔物ならダンジョンに逃げ込めば良いが、戦力が整うまで大分時間をとられるよね。


 そんなことがなくて良かった。

 

 なーんて下らない妄想をしつつ気分転換をしていると……。


「あれは……族長か?」


 うつむきがちに肩を落とし、頭を抱えて唸りながらゴブリンの族長……今はホブゴブリンか、がとぼとぼとこちらに歩いてきてるのが見える。


 何かあったのか?


「族長、何か悩みごとか?」

「へ? ま、マスターかよ!? ビックリするじゃねぇか!」


 勝手に驚かれて心外なのだが。


「あれ? マスターはなんでこんなところに居やがるんだ? 護衛は?」

「気分転換にちょっとな、護衛は誰も連れてきてないぞ」


 すると肩をガッチリと掴まれる。めちゃくちゃ痛い。

 ギリリと軋む肩をガクガクと揺らされ、視界がすごい勢いでブレる。


 鬼の形相で族長は叫ぶ。


「だ、駄目だろ!? もしものことがあっては遅いんだぞ! あんたトップ何だから少しは考えてくれ、怪我したらどうする!」


 絶賛お前から攻撃を受けている事を告げた方が良いだろうか。


「トップって、大袈裟な」

「大袈裟なもんかよ! あんたは皆から敬われてるんだぞ、自覚なしか!」


 おかしいな、敬われているはずのトップにスッゴいタメ口きいてくるホブゴブリンがここにいる。


「分かった分かった! 次からは気を付けるから! とりあえず離そう! 吐きそう」

「おっと、済まねぇマスター! とりあえずは俺も戻るところだし、護衛するから今日のところは戻ってくれ……この先は危ないしな」


 自分が来た方向をチラリと見て、族長は呟く。

 少し気になるな。


「向こうに何かあるのか?」

「い、いや? なんもないぞ! さ、早く戻ろうや。ミストさんとユキムラさんに怒られるぞ!」

「お、おう。分かったから、押すなって!」


 俺を強引に向きを変えさせ、背中を押す族長、その表情は見えなかった。



◇◇◇



 俺は族長に護衛をしてもらいつつ帰宅中。


 ここに帰ってきてから、すぐに掃除を始めたのでホブゴブリンなどの面子にちゃんとした挨拶はしてなかった気がする。


 そういえば族長に聞きたいことがあったな。


「なぁ、族長。畑とか他のホブゴブリンとかの調子はどうだ?」

「畑の作物は良い感じに育ってきてるぜ、ダンジョンの魔力は豊富だからよく育つみたいだ」

「それは何より」


 なんと野菜をはじめとする植物は、太陽光と水、土の養分の他に魔力も蓄えているそうだ。


 そしてこのダンジョン、魔力の質が良いらしく、作物が普通より育つのが促進されているらしい。


 全く知らなかった……族長、俺よりダンジョンに詳しいんじゃないか? 代わるか? ダンジョンマスター。


「来週辺りには初めての収穫に移れそうだから、他の皆も待ち遠しがってるよ」

「おー、それは楽しみだな。是非ともミストとラビィをこきつかってくれ」

「マスター、案外鬼だな」

「自業自得だな」


 奴等には2週間の畑作業を言い渡しており、今現在もヒーヒー良いながら汗水足らして働いている。


 そんなときに収穫時期が被って、こちらとしては嬉しいにつきる。


「ホブゴブリンの訓練とかはどうなってるんだ?」

「あれは、地獄だな。訓練が終わると誰も動けなくなるんだよ……お陰で体力とか筋力はついてきたんだが」


 一体どんな訓練をしているのやら。


「でも問題もあるんだよな」

「問題?」

「あぁ、スライムで体力切れなんてない十勇士の方々は無尽蔵に動くんだが、たぶん俺達の限界見極めてないところがある」


 確かに食事睡眠の必要のないスライムであるユキムラ達は地道に訓練に励んでいる。

 ……なるほど、恐らく自分達がやっていることをホブゴブリンにも出来ると思ってる訳だな。


「あー、なんかごめん」

「マスターが謝るこたぁねぇよ。お陰で雑魚種族の俺らが生き残れてるんだしな」

「まぁ、流石に無理だと思ったら断って良いから……」

「サンキューな」


 ごめん、ユキムラ率いる十勇士強化のための計画──無限訓練──を提案してたのは俺です。


 無限に動けるから地獄の特訓も永遠に続けられると思ってやってたんだよ……まさかホブゴブリン達にまでやらせてるとは思わなかった。


 そういえばそれ以外の特訓内容なんて考えてなかったもんな……。


「あと、俺ら種族的に武器を使う方が良さそうなんだけどよ」

「あー、確かにそうだな」


 ホブゴブリン達は器用だ、ゴブリン時代は自分達で服を作っていた位なのだから、当然だろう。

 つまり、道具に頼ればもっと実力を発揮できると言うことは分かりきっている。


 ほら、鍬捌きとかすごいし。


 それに対してユキムラ達はスライムだ、手足が無ければ武器も持てない。


 己の体一つで勝負するんだから、ホブゴブリンに教えると言うのは無理がある。

 技術的なものを教えることが出来ないのだ、くそぅ、人形の弊害がここに……。


 そこら辺も要改善っと心のなかでメモメモ……。


 やべぇ、俺武器なんて教えること出来ないんだけど……。


 DPで『初心者から始める剣士生活』とか取り出すか?


 そうこうしているうちにダンジョンにまで戻ってきてしまった様だ。


「護衛助かる。あとでみんなの様子も見に行くよ」

「おう、これくらいどうってこたねぇよ。こっちもみんなに伝えとくぜ」


 俺は転移でマスタールームへ、族長はあるいて3層まで行く様だ。


「あ、マスターよ、今度から護衛はちゃんとつけろよな?」


 そういって族長は去っていった。


「……善処する」


 俺も戻るとするか……あ、考えが纏まって無かった。

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