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レッツ引っ越し!

 そんなわけで俺は今、再びサイゾウとユリを連れてワイト達のいるゾンビ村へと向かっている。

 護衛を変えなかったのは、違う奴が来たら警戒しそうかなとか思ったり思ってなかったりだ。

 ……結局連れていくのはスライム何だから見た目全く違いはないけどな。


 ゴブリン? 留守番に決まってるし、連れていくわけがないだろ?

 言っておくけどな、アイツ等って協力関係ではあるけど部下とかじゃないからもう一歩信頼度が足りないんだなこれが。


 それにゴブリン弱いし……いや、ホブコブリンにまで進化はしているけど、それでも十勇士よりは下だからな。

 不思議なものだ、進化なんてしていないスライムが、ランクは上であろうホブコブリンを一方的にボコボコにするのだから。


 因みに、十勇士お抱えのスライム部下達も普通に強い……らしい。

 その強さはホブコブリンと同等だとか、おかしいよな。


 実践経験が乏しいから本当に強いとかは正直分かんないんだけどな。

 うーむ、これはいよいよ箝口令を敷いている冒険者を解放するか?


 いや、今は目の前のことに集中だな。

 ワイト達を招き入れて、暫くしたら人里へと降りてみる。

 サスケからは報告がちょこちょこ入るんだけどやっぱり見に行かなきゃわからん野老もあるだろうしな。


 サスケの報告っていっても冒険者達の動きとかだし、町の情勢なんてものは調べてないからな。

 実はとっくにダンジョンがあるのはバレてました~なんて事にならんように、自分でも集めなければな。


 うん、人間である俺と魔物であるサスケの常識は違うのだ。

 もっと高曇り的に見なければならないだろうな。

 別に人里が気になるとか人肌恋しいとかじゃないぞ? じゃないからな!?


 んで、今は1日かけて森を抜けた所で、休憩をとっている。

 距離的には1日もかからないんだけど、何分木がざっくばらんに生えているので、枝を避けたり、根に足が引っ掛からない様にすると時間がかかる。

 そういう面で非常に不便。


 でも、サイゾウやサスケの様に隠密訓練をしていると木から木へと飛び移りながらの移動なので早いって寸法だ。

 因みに道中、あの熊野郎には遭遇しなかった。

 遭遇したらしたでサイゾウ達にぶっ飛ばされるのは目に見えてるからな、御愁傷様です。


 そして休憩を終え、ひたすら歩いてゾンビ村へとやって来た。

 うん、この前は夜だったから外観とか分からなかったが昼に見るとあれだな、ボロいな!

 まあそれもこの間の帰りに見たけどね、いつ見ても変わらないボロさだ。


 ただ、昼はあまりゾンビが彷徨かないらしいな。

 全然遭遇しないから多分そうなんだろうな。

 でも俺が帰るときは総出だったんだか無理したのだろうか。

 ダンジョンに帰ったら何かお礼でもするか?


 とまあ色々考えていたらワイトの家まで着いた。

 サイゾウとユリが割ってしまった窓は……修理されてないな。

 どうせ移動するんだから気にしない事にしたんだろう。


 と言うわけでこんこんっと。


「……久しいな」

「オッス、片割れグール。ワイトいる?」

「……入れ」

「お邪魔しまーす」


 え? どうしたのさユリ、無遠慮? 友達だぜ? 問題ないって多分。

 いざとなったら土下座なり何なりして命を繋ぐさ。


「迎えに来たぞ、ワイト」

「やぁ、いらっしゃい。待ちくたびれたのさ、君を待つ間に冒険者とかが来ないかなと思ったんだけど、全然来なくて暇だったのさ」

「人の命を暇潰しに使おうとするなよな……勿体ない」


 貴重なDPだぞ、殺るなら家で殺りなさい!


「クロトも大概なのさ」

「俺は暇潰しに殺すなんて事はしないよ? 殺しなんてしたこともないし」

「君の役割からしてみればそうだよね、まぁとりあえず座りなよ」


 一先ず腰掛けた俺の膝の上にサイゾウとユリが乗っかる。


「暇なら遊んで来ても良いんだぞ?」

「2週間はご主人様と遊べなかったから、今日はここが良いです!」

「……わ、私もですっ!」

「そ、そうか……分かった」


 2週間もとは言ってるけど、他の十勇士は殆ど俺と喋って無いんだぞ……。

 部下達への労いが増えていく一方で辛い。


「そんじゃ、迎えに来た訳だけど準備とかはどうよ?」

「ん、そこは問題ないのさ。元々持って行く物も無いのさ、すぐにでも出発出来るよ」


 話は順調に決まったのでささっと行くことにしよう。

 昼に差し掛かる頃なので、日差しは厳しいものがあるけど森に入るのは一時間程度で入れる。

 ゾンビ達には我慢してもらおう。

 森に入ることが出来れば木陰が多いし何とかなるだろう。


 そんな訳で出発するんだが、少しだけワイトの家で談笑していた。

 だってよぉ、ゾンビ達集めなきゃならん訳で、探すのにも一苦労って感じだ。

 因みに探しに行ったのはグールの二人がだ。

 移動速度は普通に速いからすぐに集まるらしい。


 足の速いゾンビってどんなホラーだよって話だ。


 とまぁ色々とあったが無事に出発することが出来た。

 現在、もう少しで森に入れそうだなって感じの所でふと思った。

 俺の後ろには大軍とは言わないが十数人のゾンビがノロノロと凄い気持ち悪く歩いているのだ。

 こんな所誰かに見られでもしたら凄い恐ろしいぞ。





 俺の名前はご存知の通りキンと言う。

 ダンディーでナイスガイだ。

 彼女も奥さんも居ないけどな!


 そんな俺は冒険者としてそこそこ頑張っている。

 大きな失敗はしたことは無いな。

 勿論、危ない目にはあったことがあるが生きてるし問題ないっての!


 そうそう、危ない目って行ったら、1ヶ月か2ヶ月前の話だ。

 森に迷っていたら見たこともないダンジョンを見つけた。

 んで、興味本意で探索してみたらあっという間にスライムに負けて命の危機って感じよ。

 あれは焦った。

 スライム強すぎだろ!?


 しかも、その後に出てきたのがダンジョンの妖精だか精霊だか何だか知らん奴だ。

 この時点でちょっと考えるのを諦めたな!

 ソイツに釘刺されてダンジョンの事は話せなくなった。

 

 一応俺のパーティーメンバーの頭でっかち童貞のドウが何とか報告しようとしたらな、何処からともなくナイフが飛んできたりするんだよ。

 そんな中、頭でっかち童貞のドウは諦めてなかったな、俺と弟のギンは止めてたんだがな……。

 まぁ、流石のドウも折れたけどな。


 ありゃ関わっちゃ行けねぇや。


「ちょっと、兄さん、聞いてるんですか?」

「おぉ? なんだ?」


 そんな事考えてたら俺の弟であるギンが話しかけてたらしい。

 全く聞いてなかったわアッハッハ!


「はぁ、今回の依頼ですよ」

「あぁ、確か随分昔からあるアンデッドの村の調査だろ? つーか何で俺らがやるんだ? 実力不足だろ、ぶっちゃけ」


 俺がそうぼやいていると。


「別に戦うわけではない。あくまでも調査だ、だから俺達みたいなベテランがやるんだろう。引き際を弁えているからな」


 そう言うのはさっき話していた頭でっかち童貞のドウだ。

 これを言うとキレる。


「弁えている割にはダンジョンで散々だったけどな」

「……あそこの話は止めましょうよ……トラウマなんですけど」

「くそっ! 報告さえ出来ればあんなもの!」


 しょんぼりするギン、対称的に憤慨するドウ。

 まぁ、俺はあんまり気にしちゃいねぇが、また行きたいとかは思ってる。

 ワクワクするんだよな。


「んなことより、今の依頼に集中しろ」

「お前が切り出したんだろ!」

「まぁまぁ、落ち着いて。ほら、そろそろ着きますよ!」


 ギンの言う通り、前方には調査するべきアンデッドの村を発見した。

 なんとか夕暮れ迄に帰らないとアンデッドは動きが活発になるしさっさと調べるとするか。





 アンデッドの村に到着し、物陰やこっそりと家の中に忍び込みつつ様子をみている。

 しっかしあれだな、オンボロだな。

 今にも朽ち果ててしまいそうに見える。

 だが面白いのはここに住むアンデッドだ。


 良く良く家屋なんか見てみると分かるんだが修繕されている場所とかが有るわけだ。

 人間の真似事なんてのは少しは知恵があるって事だ。

 つまり、なかなかにランクが高い魔物が統率しているって事になるな。


「おかしい……」

「あん? どうしたってんだ、ドウ」

「あぁ、今は昼間、確かにアンデッドが活動しない時間帯だが、一匹も姿が見えない」


 言われてみればそうだな。

 家の中は多少暗い、だから潜んでいる可能性もあったが気配すら無かった。


「……誰かがもう倒したとかですかね?」

「それはわからん。そうであることは1番だ。だが、拠点を変えたとなれば話は違ってくる」

「確かにそれはヤベェけどよ、そんな事あり得るか? 何十年も滅ばなかった村だぜ? そう簡単に移動なんてしないだろ」

「何も分かりませんね……却って気味が悪いですね」


 その後、村中を回って、当時の村長が住んでただろうと推測できる家を見つけた。


「ドウ、見てみろこの破壊痕、新しくねぇか?」


 ドウに見せたのは窓が取り付けてあった所だ。

 外から衝撃が入って中に破片が散らばっている。

 何者かの襲撃でも受けたのかね?


「でもそうだとしたら、ギルドに報告が上がるはずですよね?」

「まぁ報告しないメリットもねぇしな」

「考察は後だ、もう少し奥まで行って調査が終わり次第早急にギルドへ帰るぞ」

「へいへーい」


 リーダーっぽいな、リーダーは俺なんだがな。

 その後、奥まで見たが、アンデッドに遭遇しない上に進展もなかったので、引き返すことになった。


「ん?」

「どうした、キン」

「いや、なーんかあの森に入って行った様な?」

「気のせいだろ、行くぞ」

「あいよ」


 ギルドへと報告に戻るとさすがにギルドの奴等も首を傾げていた。

 その上、アンデッドが侵攻して来るのでは無いかと、警戒が強くなったりした。

 

 突如消えたアンデッドの村の噂は街で溢れ帰る事となり、そして、その話を子供に言うことを聞かせる時に使われるようになったのは少し後の話だ。


 本当に気味が悪い、暫くの間はいい夢は見れなさそうだ。

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